【ネタバレ有り】魔法の学校 のあらすじを起承転結で紹介
さるのキモの主要登場人物
わたし(わたし)
この物語の主人公。私たちの住む世界で記事を書く仕事をしている大人の男性。
ムーク(むーく)
わたしが訪れた「望みの国」で、部屋を借りた主人の子供。双子のうちの一人、男の子。
マーリ(まーり)
本名アマーラスヴィンター。双子のもう一人、女の子。
ジルバ—先生(じるばーせんせい)
魔法の学校の教師。
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魔法の学校 の簡単なあらすじ
私たちの住む「ふつうの国」では、最近はもう、あまり望みがかなわなくなってしまいましたが、それでもまだ、伝説に聞く「望みの国」にいけば、魔法使いのように望みをかなえることができるようです。これは、「望みの国」にある魔法を教えてくれる学校のお話。人間は望むことで、魔法を使えるようになるのです。魔法の学校に通っているたくさんの子供たちは、魔法を使うための大切なルールを学んでいるようです。
魔法の学校 の起承転結
【起】魔法の学校 のあらすじ①
皆さんと同じように「ふつうの国」に住むわたしは、魔法のように望みがかなう、「望みの国」へ招待されて、取材に向かいます。
「望みの国」には、魔法の使い方を子供たちに教える「魔法の学校」が存在するというのです。
お世話になった宿には、魔法の学校へ入学予定のムークとマーリという双子の子供がおり、わたしは仲良くなりました。
魔法の学校の担任は、まるまるとふとったジルバ—先生です。
ジルバ—先生は、子供たちに魔法を使う時の大切な約束を教えます。
ひとつ、ほんとうに望むことができるのは、できると思う事だけ。
ふたつ、できると思う事は、自分のお話にあうことだけ。
みっつ、自分のお話にあっているのは、本当に望んでいる事だけ。
ジルバ—先生は、自分が心の底から願った望みを知り、それを素直に望めば、魔法のように望みがかなうというのです。
【承】魔法の学校 のあらすじ②
子供たちは半信半疑ですが、とうとう魔法の授業が始まりました。
第1課は、手を使わずにものを動かす魔法。
自分と動かそうとするものに、ちゃんとしたつながりを作ることが大切なんだそうです。
ものを自分の手足のように感じると、みんなはすぐに上達しました。
第2課は、遠くにあるものを、目の前に一瞬で持ってくる魔法です。
これは、持ってきたいものをはっきりしっかりと想像しなければできません。
そして、持ってきたものはきちんと元の場所へ帰さねばなりません。
「不正直な人間は、本当に必要でないものまで、自分のものにしてしまうよ。」
とジルバ—先生は言います。
第3課は、あるものを違うものに変える魔法です。
これは、2つのものの共通点を見つけて橋をかければできます。
本当は、全部のものの元はひとつなので、全部つなげることができるんですって。
第4課は、自分を空中に浮かばせて、違う場所に瞬間移動することです。
これには、行きたい場所を頭の中でひとつももらさずにイメージすることが大切です。
子供たちがいろいろな魔法を使えるようになった頃、わたしのもとへ、ジルバ—先生が「2人で話がしたい。」
と、まじめな顔でやってきました。
【転】魔法の学校 のあらすじ③
ジルバ—先生は真面目な顔で、「ここから先の魔法は、普通の世界に戻って記事に書いてもいいけれど、やり方だけは書かないでほしい。」
というのでした。
責任感のないものが誘惑に負けて、安易に魔法を使ってしまわないようにというのが理由です。
わたしは、不本意ながら「書かない。」
と約束をします。
第5課は、自分を消す魔法でした。
第6課は、なにかまだ存在しないものを、第7課は、まだ存在しない生き物を産み出す魔法です。
ムークとマーリは奮闘しながらも、魔法をマスターするのでした。
そして「望みの国」での最後の日、わたしはスキーで山へ遠出しますが、足をけがして遭難してしまいます。
そこへ助けに来たムークとマーリは、わたしをのせて帰るべく、大きな馬を魔法で生み出そうとします。
ですが、2人は「自分の方がうまい。」
と競って魔法を使ってしまいます。
すると、現れたのは、見たこともないような気持ちの悪い、恐ろしい怪物だったのです。
【結】魔法の学校 のあらすじ④
双子にも襲いかかろうとする怪物は、手に負えず、暴れまわりながらどこかへ消えてしまいました。
けがをした私は、痛みと寒さで意識を失い、そのまま熱を出し眠り続け、次に目が覚めた時には、もう元のふつうの世界に戻っておりました。
ジルバ—先生から手紙が届き、生まれた怪物は先生と双子できちんと消したので、問題はないという事でした。
間違えた方法で望みをかなえると、大変なことになるというジルバ—先生の不安の意味が、ようやくわかったわたしでした。
魔法の学校 を読んだ読書感想
「モモ」などで有名な、ドイツの童話作家、ミヒャエルエンデの作品です。
エンデの作品には「望む」というキーワードがよく登場します。
夢をかなえるには、自分の本当の望みを知ること、そしてただ強く望み続けること、そうすれば魔法のようにするすると願いはかなうのだということを伝えるお話です。
この作品にも書かれていますが、エンデは、望みを持ち続けることができる人が減っていることを悲しんでいます。
このお話を読むと、現代の世界で、他の人と同じように生きることに必死になって、ついつい忘れてしまっている大切なものに気づくことができる気がします。
大人だけでなく、望む力の強い子供の時代にこそ、このお話を読んで、どう生きれば自分は幸せな人生の選択ができるのか、学んでほしいなと思います。
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