童話「月見草の嫁」のあらすじと結末を全編解説

童話「月見草の嫁」

【ネタバレ有り】月見草の嫁 のあらすじを起承転結で紹介

さるのキモの主要登場人物

若者(わかもの)
美しい声の持ち主。朝早く起きて、歌を歌いながら草刈りをする。

若い娘(わかいむすめ)
若者の家に泊めてもらい、家のことをするようになった娘。実は月見草の精。この作品の登場人物は、以上の二人です。

月見草の嫁 の簡単なあらすじ

美しい声の持ち主である若者の元に、突然若い娘がやってきます。2人は結婚することになり仲良く過ごしていましたが、月見草を刈り取ったことで、娘も姿を消してしまうことになります。

月見草の嫁 の起承転結

【起】月見草の嫁 のあらすじ①

美しい声の若者

とある山村に若者が住んでいました。

その若者は、とても美しい声の持ち主で、毎日、朝早く起きて馬子唄を歌って馬草を刈り取っていました。

ある日の晩、仕事を終えて家に帰ると、若者の家の前に知らない娘が立っていました。

とても美しい娘だったのですが、若者に気づいた娘は近づいてきて「山を越えようと思っていましたが、日が暮れてしまい無理なようです。

ご迷惑でなければ、一晩泊めていただけないでしょうか」ということでした。

【承】月見草の嫁 のあらすじ②

家のことをしてくれる娘

急にやってきた見知らぬ娘に驚いてしまった若者は、「自分が貧乏暮らしをしていて、今夜の飯もままならないくらいです。」

と答えました。

すると娘は、「食事のことなら心配ありません。

私が何とかするので、どうか泊めてください。」

と言い、若者が返事をしないうちに、娘は家に上がり込んで働きだしました。

夕飯の準備をしたり、部屋の掃除をしたり、洗濯物を洗ったりし、夕飯の支度が整う頃には、家中きれいに片づけられていました。

【転】月見草の嫁 のあらすじ③

仲良く暮らす二人

その後、夕食を食べ終えると娘は「一人暮らしでは、大変でしょう。

もうしばらくあなたのお手伝いをさせてください。」

と言い、しばらく一緒に暮らすことになり、さらに、二人は夫婦になりました。

やがて、冬が近づいてくると、娘は体調を崩し寝込むことが多くなりました。

若者は、草刈りに山へ行き、仕事を終えて家に帰ってくると、今の季節には珍しく月見草が一本混じっていることに気が付きました。

月見草は、娘と同じいい香りがして、娘にこれを見せてあげようと家に入りますが、娘の姿が見当たりません。

【結】月見草の嫁 のあらすじ④

娘の願い

家中を探すと、台所の床で娘が倒れているのを見つけます。

どうしたのかと尋ねると、娘は「私は、あなたか刈り取った月見草の精なのです。

美しい声の持ち主であるあなたと一緒に暮らしたいと思っていたのです。

あなたと一緒に暮らせて幸せでした。

一旦刈り取られた私の命はおしまいです。

今までありがとうございました。」

と自分が月見草の精であることと、今までの感謝の気持ちを伝えて、若者の腕の中で気を失い、その後、息を引き取りました。

月見草の嫁 を読んだ読書感想

月見草の精である娘が、自分の夢を叶えるために人間の姿となり、若者との生活を送ったというのが、とても行動力があると感じました。

それだけではなく、家のことをこなし、若者につくす姿というのが、健気だと感じます。

月見草の精の心の強さと、優しさを感じる作品で、いずれ別れが来ることも考えながら、少しでも若者と一緒に居られたことを喜ぶ様子は、心が温かくなる作品だと感じました。

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