監督：大森立嗣 2020年7月にスターサンズ KADOKAWAから配給
MOTHERマザーの主要登場人物
三隅秋子（長澤まさみ）
本作の主人公。パチンコ、遼、周平に依存している。
周平（奥平大兼）
秋子の長男。学校に行っていない。
川田遼（阿部サダヲ）
秋子とゲームセンターで知り合う。冬華の父親。
高橋亜矢（夏帆）
児童相談所の職員で、路上生活していた秋子たちに声をかける。
MOTHERマザー の簡単なあらすじ
パチンコ依存の秋子は、一人で息子・周平を育てていました。
そのせいで、いつもお金が無くお金を借り過ぎたために親からも疎まれる存在です。
ある時、秋子は遼と出会います。
秋子・周平・遼は親子のように一緒にいましたが、秋子が妊娠したと知ったとたん遼は逃げてしまうのでした。
住む家も無い、秋子と子ども達は児童相談所の職員に助けられますが…。
MOTHERマザー の起承転結
【起】MOTHERマザー のあらすじ①
パチンコばかりして無職な秋子は家族と折り合いが悪く、母にお願いしてもお金を貸してもらえなくなりました。
秋子は、ゲームセンターで出会った遼を家に連れ込みます。
秋子には周平という小学生の息子が居て、可愛がったり邪魔にしたり気まぐれに接していました。
秋子は、市の職員の宇治田に周平を任せて遼と西に出かけてしまいました。
周平は学校に行かず家でゲームをし、宇治田が持って来てくれる食糧だけを頼りに生活をしていましたが、ガスも電気も止まってしまいます。
秋子から時々入る電話で、帰る金が無いから振り込めと言われ周平はATMに向かいます。
それでも秋子はすぐに帰ってきませんでした。
6日経ち、秋子は遼と帰ってきました。
周平にいたずらしたと秋子は、宇治田に嘘をついて詰め寄ります。
そして、そのことを職場で話すと脅します。
秋子と遼は、慰謝料を持ってこいとに宇治田に怒鳴りつけるのでした。
秋子と結婚するいう遼の話を聞いた宇治田は、遼と揉め誤って階段から落ちた拍子に包丁で腹を刺し死亡してしまいます。
【承】MOTHERマザー のあらすじ②
遠くに逃げた秋子と遼と周平。
遼は様々な仕事をして秋子と周平を食べさせていましたが、携帯代が払えないほどでした。
実家に電話をすると宇治田が亡くなってなかったことがわかり、遼は空き巣を働き三人で町から去ります。
三人はとりあえずラブホテルに泊まりました。
秋子と遼は、周平が隣に寝ていても気にせず体を重ねるのでした。
秋子は周平を使って毎月養育費をもらっているのにも関わらず、元夫からお金をもらいます。
元夫は、周平の身なりを気にして「お父さんのところに来るか？」と言ってくれますが、周平はお母さんを選ぶのでした。
さらに、周平は秋子の妹にお金を借りに行きます。
妹には子供を使って金を借りにきたことがバレ、もう来るなと叩かれるのでした。
ヘタリ込んだ秋子は、子どもが出来たと周平に言います。
しかし、遼には子どもをおろせと言われ、それでも産むという秋子に遼は暴力をふるい、逃げ出してしまいました。
普段、秋子からひどい目に合っている周平ですが、そんな時秋子を体全身で守るのでした。
遼に逃げられた秋子は、泊まっているラブホテルの後継ぎ・赤川とデキてしまいます。
赤川は、遼と違って周平に優しく接してくれますが、お金が無くなった二人に部屋を提供することはなく、ラブホテルの敷地にテントを張ってくれました。
結局、どうにもならず実家に帰ることにした秋子と周平。
周平は祖母に母が妊娠してお金が無いと伝えると、祖母はヒステリーを起こし縁を切ると周平を追い払います。
途方にくれた秋子は、周平を抱きしめるのでした。
【転】MOTHERマザー のあらすじ③
5年後周平には冬華という妹がいました。
秋子と周平と冬華は路上生活をしていましたが、児童相談所の職員・亜矢に声をかけられ保護されます。
亜矢は、周平にフリースクールに行くように提案しました。
ある日、遼が戻ってきました。
秋子は遼に出ていけといいますが、結局保護施設で4人で一緒に暮らします。
亜矢は秋子に暴力をふるう遼を見てしまいます。
亜矢は自分も周平と同じような環境で育ったと告白し、お母さんと離れて暮らすことも出来るとアドバイスしてくれました。
ある日借金取りが来ると言って逃げ出す秋子と遼に周平は、学校に行きたいからここに居たいと主張しますが、秋子に亜矢から目つきが悪いから嫌われているとそして臭いと思われていると適当に嘘をつかれ、結局家族で逃げることを選ぶのでした。
そして借金取りに追われ切羽詰まった遼は、秋子たちから離れて行きますが、秋子はそのことを認めたくありませんでした。
遼がいなくなり秋子はまた周平に依存していきます。
さらに6か月後周平は、家族で住み込みアルバイトを始めます。
お金の無い周平は、お昼ご飯を食べずにいると会社の上司・松浦がおにぎりを分けてくれるのでした。
会社に前借を頼みますが、断られついに周平は、会社の備品を盗みそれを売ってお金に換えていましたが、バレてしまいます。
お金が必要なのは、秋子がパチンコを辞めないせいでした。
松浦は、周平のためを思って「親なら働け子供が20歳になるまで面倒を見ろ。」
と秋子に怒鳴ってくれましたが、しおらしく振る舞う秋子に結局松浦も魅了されてしまい体の関係を結んでしまいます。
しかし、遼から助けてくれ50万円必要とメールが入り続け、秋子は周平を使って会社からお金を持ち出し逃げます。
それでもお金は足りず、さらに秋子は、周平にお金のために祖父母を殺せと命じ、迷っている周平に秋子は、お金が無いと冬華も死ぬと脅すのでした。
【結】MOTHERマザー のあらすじ④
周平は、祖父母の家に向かいます。
はじめは気が付かなかった祖母ですが、すぐに周平だと気が付き家に入れてくれました。
周平はためらいもなく祖父母を刺し殺し、秋子の元に戻ります。
亜矢は車の中で、17歳の少年が祖父母を刺し殺し逮捕されたというニュースを耳にします。
弁護士に秋子が殺せと言ったのではないかと問われますが、秋子は証拠がないとシラをきります。
弁護士は、秋子と周平は共依存だといいますが、秋子は周平を私の分身だと言うのでした。
周平は母との共犯だと思われますが、秋子に指示されたことを言わなかったために罪が重くなってしまいました。
しかし、面会に来てくれた亜矢に周平は、ご飯もたべられるし本も読めるから外に戻りたくないと言うのでした。
そしてお母さんが好きだから罪を背負ったと言い、生まれてきてから全部ダメだけどお母さんが好きなこともダメなことなのか？と亜矢に問うのでした。
亜矢は、その話を秋子に伝えますが、秋子はうつろな目をしたまま聞くだけでした。
MOTHERマザー を観た感想
映画を見た後、実際の事件がテーマとなっていると知り驚きました。
周平は、自分がしてきたことが全部ダメだったと自覚していました。
母のことを好きだと言う気持ちくらいは肯定してあげたいですけど、事件を起こしてしまった後では、それもダメだったということになってしまうのが悲しいです。
亜矢と周平は同じ様な環境で育ったのに、かたや児童相談所の職員でツライ境遇の子を救う仕事をし、周平は殺人犯となってしまったということは、親や境遇のせいにしてはいけないということだと思います。
秋子たちは、亜矢と出会った時、住み込みで働いていた時、2回もやり直すチャンスはあったのに、ギャンブルと男に依存していたため悪い結果になってしまいました。
何も考えてないようなうつろな目をした秋子の未来は、まともな人生には戻らないのか気になります。
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