「虚ろな十字架」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|東野圭吾

「虚ろな十字架」

【ネタバレ有り】虚ろな十字架 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:東野圭吾 2014年5月に光文社から出版

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虚ろな十字架の主要登場人物

中原道正
本作の主人公。ペット専門の葬儀屋に勤める。娘を失った悲しい過去をもつ。

浜岡小夜子
道正の元妻。離婚後は、フリーのライターとして万引きを繰り返す人についての記事などを書く。

仁科文也
小児科医。今回の事件に深くかかわっている人物。井口沙織との過去に秘密を抱えている。

井口沙織
万引き常習犯の一人。文也との秘密が原因で、何事もうまくいかず、万引きによって自らを罰している。

虚ろな十字架 の簡単なあらすじ

あなたは、大切な人が殺されてしまったらどうしますか。世界中に死刑廃止を決断する国も数多くある中、日本では、今も死刑が極刑として認められています。そんな死刑によって、果たして犯人は罪を償ったことになるのか。また、被害者家族の心は救われるのか。答えのない問いに、東野圭吾らしい切り口で挑む物語です。読み終えたとき、あなたの心の中に残るものはいったい何でしょうか。

虚ろな十字架 の起承転結

【起】虚ろな十字架 のあらすじ①

娘に続き、妻までも…

どこにでもいるような幸せな夫婦、中原道正と、小夜子にある日突然悲劇が襲います。

彼らは、小学校2年生の可愛い娘、愛美と3人で一軒家に暮らしていました。

しかし、そんな平穏で幸せな日々が音を立てて崩れます。

愛する一人娘の愛美が一人で留守番をしている最中に強盗が家に押し入ったのです。

その強盗は、金品を盗んだ挙句、愛美のことを殺してしまったのです。

初めは小夜子の犯行も疑われ、夫婦は尋問を受けますが、二人が憔悴しきったころに、犯人である蛭川和男が捕まります。

彼には、強盗殺人の前科があり、無期懲役の判決を受けていましたが、仮出所中に犯行に及んだのでした。

そんな犯人の愚かさに怒り、二人は死刑を求めます。

長い裁判の末、死刑の判決が下ります。

しかし、死刑という言葉を聞いても、今度は逆に何をゴールに戦えばいいかが分からなくなり、二人の気持ちは全く晴れません。

それどころか、相手の顔を見るだけで、愛美と暮らした幸せな日々を思い出してしまいます。

そんな風に暮らしていて楽しいはずがありません。

二人はだんだんと会話することも減ってきてしまったのです。

そしてついに道正と小夜子は、離婚する決断に至ってしまいます。

お互いのことを嫌いになったわけではないのに。

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【承】虚ろな十字架 のあらすじ②

腑に落ちないいくつかの問題

中原道正の仕事はペット専門の葬儀場です。

離婚の前は別の仕事をしていましたが、愛美の事件をきっかけに仕事に身が入らなくなり転職をします。

犬や猫などいろいろな動物が運ばれてくるその葬儀場で、家族に愛されて死んでいく様子を目の当たりにしながら、どうにか平穏な日々を送っていたところで、再び悲劇が彼を襲います。

道正の元妻、小夜子が何と殺されてしまったのです。

娘に続き元妻も殺されてしまった道正、さらに、孫と娘を殺されるという悲劇に見舞われた、小夜子の母里江は、犯人の死刑のみを望みます。

やがて、小夜子を殺した犯人である町村作造は、金目当てだったことが判明しました。

本人が警察に自首したことで事件が発覚したのです。

刑事の話によると、小夜子は離婚してから殺されるまで、ライターとして仕事をしていたことが分かりました。

犯罪によって家族を奪われた人の会に参加して、死刑を求める裁判に参加したこともあるそうです。

そして道正は、小夜子の通夜で小夜子にライターの仕事を紹介してくれた、日山と出会います。

そこで、小夜子は万引きを繰り返してしまう人についての記事や、死刑を廃止しようという運動に異議を唱える本を書いていたことを知ります。

そんな小夜子の生きていた時の話を聞いていく中で、小夜子が殺された事件の真相について、疑問に感じ始めます。

刑事がいくつか腑に落ちない点があると言っていたことも気になり、道正は独自に小夜子と関わりがあった人について調べていきます。

【転】虚ろな十字架 のあらすじ③

小夜子の命が奪われた本当の理由

調べていくと、「富士宮」という言葉と小夜子の事件が変に関わっているように思えてきました。

1つは、小夜子が書いた万引きの記事に出てきていた、静岡県富士宮出身の井口沙織の存在です。

そして、彼女の部屋に飾ってあるという樹海の写真と小夜子のカメラに残された樹海の写真。

さらに、小夜子を殺した町村作造の義理の息子(仁科文也)の出身地が静岡県富士宮であるということも分かりました。

これ全てが決して無関係ではないと感じた道正は、仁科文也に直接話を聞きに行くことにしました。

そこで知った真実は驚くべきものだったのです。

仁科文也と沙織は学生の頃、交際をしていました。

その時、中学生と高校生であったにも関わらず、子どもを妊娠してしまい、そしてなんとその子どもを殺してしまいました。

文也はその分の命を救おうと、小児科医になり、恋人に騙されて子どもを身ごもり自殺を試みていた花恵を救い、贖罪の意味も込めて彼女とその父、町村作造を救います。

一方、それからの人生がうまくいかなかった沙織は、罪の意識を感じ、自分を罰するために万引きを繰り返していました。

その全てを小夜子に打ち明けます。

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【結】虚ろな十字架 のあらすじ④

人を殺したときの償いとは

沙織は自分一人で罪の重さに耐えきれず、小夜子に相談します。

小夜子は「過去の罪を認めて償うことで初めて自分の心も救われる」と伝えます。

そして、沙織に自首することを進めます。

小夜子はさらに、文也にも罪を認め、償ってもらおうと文也のところへ出向きます。

文也の自宅を訪れた当日、文也は病院での緊急の仕事が入ってしまい、小夜子に会うことができませんでした。

しかし、花恵と花恵の父、町村作造が全ての真実を知ることになります。

町村作造は、自分の家の家賃を、文也たちに払ってもらっていたため、この日もお金をもらおうと訪れました。

そんな時、二人のやり取りを聞いた作造は、小夜子が自分たちの幸せを壊してしまう存在だと思い、殺してしまったのです。

自分や自分の家族を守るために、殺した…これが、町村作造が小夜子を殺した本当の動機だったのです。

全てのことを知った道正は警察に伝えます。

それと同時に文也と沙織も過去の罪を認め自首します。

しかし、赤ちゃんの遺体が見つからなかったことから二人の罪は認められず、町村作造は家族を守るためだったとして情状酌量の可能性が出てきてしまったのです。

虚ろな十字架 を読んだ読書感想

本当に罪を償うとは何なのか、そして大切な誰かが殺されたとき、そこに納得する答えがはたして見つかるのか、そんなことを深く考えさせられる作品でした。

東野圭吾らしく、大切な人が大切な人を守るための嘘が積み重ねられていましたが、その最後に待ち受ける言葉(死刑では本当に罪を償ったことにならないなど)は、私たちの心に暗い影を落とします。

それと同時に、死刑制度をこれから先どうしていくのか、また、犯罪者が罪と向き合うための社会にするにはどうすればいいのかといった、普段我々が目を向けてこなかった問題に真摯に向き合わなければならないと強く感じる作品でした。

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