「告白」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|湊かなえ

告白 湊かなえ

【ネタバレ有り】告白 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:湊かなえ 2008年8月に双葉社から出版

告白の主要登場人物

森口 裕子(もりぐち ゆうこ)
娘を教え子に殺された中学教師。3学期の終業式の日に、クラスに娘の死の真相を告白し、教室を去る。

森口 愛美(もりぐち まなみ)
裕子の4歳の娘。裕子のことを逆恨みした教え子によってプールで殺害される。

桜宮 正義(さくらみや まさよし)
裕子の婚約者で愛美の父親。HIV患者。愛子を偏見の目から守るためにあえて裕子とは結婚していない。

渡辺 修哉(わたなべ しゅうや)
少年Aと呼ばれる。愛子殺害の実行犯。成績優秀で科学工作が得意。

下村 直樹(しもむら なおき)
少年Bと呼ばれる。修哉の共犯。裕子の告白をきっかけに引きこもり、母親に暴力をふるうようになった。

告白 の見どころ!

・教師、森口の復讐にかける異常な執念

・殺人を犯した少年二人の心の闇

・あらゆる視点,観点から語られる事件の顛末

告白 の簡単なあらすじ

中学1年生3学期の終業式の日、担任である森口裕子は教師を辞めると発表する。

原因は、生徒たちにも分かりきったものであった。

森口の娘・愛美が中学校のプールで溺死するという事故が起きていたのである。

そして更に森口は続けた。

「娘の死は事故ではなく、殺人である」と。

それもクラス内にいる二人の少年による犯行であり、その二人に対してすでに復讐をしたとも告げた。

二人の少年をA、Bとし、森口は事件の真相を語り始めるのであった。

Aは頭脳明晰で幼少期から電子工学に慣れ親しんでいたため、発明品を競う全国大会で賞を受賞していた。

その発明品とは、防犯グッズでファスナーに触ると電流が走る「びっくり財布」である。

しかし、この発明品が森口に批判されたことにより、森口に対して恨みを抱くようになる。

Bはクラスでも平凡で穏やかな人物であるとみられていたが、実は劣等感の塊で、母親の押し付けてくる理想の自分になれないことを心苦しく思っていた。

そのため、勉強ができてクラスでも一目置かれているAは、Bにとっては理想の存在に近く、憧れと劣等感を同時に持ち合わせていたのである。

この二人が協力して娘を殺したことを知った森口は、とある復讐をした。

エイズ感染者である夫の血を、二人が飲む牛乳に混ぜて出していたというのである。

彼女の告白に、クラスメイトは二人を激しく軽蔑し、また二人の人生は段々と歪んだものになっていくのであった。

牛乳は森口の夫によってすり替えられ、二人がエイズを発症することはなかったが、森口は復讐の手を少しも緩めることはなかった。

告白 の起承転結

【起】告白 のあらすじ①

告白

中学1年生3学期の終業式の日。

とある教室で恐ろしい告白がされていた。

クラス担任の森口は、自分の娘・愛美を学校のプールでの溺死により亡くしていた。

周囲はそれを事故であると思っていたが、森口はそうではないと言う。

この事件は二人の少年、A、Bによって引き起こされたものである、と。

二人の少年は、現状に対して異常なまでに不満を抱えていた。

Aは有能な女性研究者の息子で、科学工作を作るのが趣味だった。

ある時、「びっくり財布」という、触ると電流が流れる財布を作り、担任の森口に見せるが、電流によって悪用もできてしまう「びっくり財布」に、森口は良い反応を示さなかった。

自分の能力を認めてもらえると信じていたAは以降、森口に対して反感を持つようになる。

Bは勉強も運動もいまいちだが、温和な性格であったが、母親の過度な期待によってストレスを抱えていた。

ある日、ゲームセンターでBは不良に絡まれ、通報されるが、Bを迎えに来たのは森口ではなく、違うクラスの教師だった。

というのも、森口の勤める学校では、以前起きたトラブルの影響から、生徒を迎えに行くのは同性の教師に限ると定められているのだ。

その事情を知らないBは、森口はBのことよりも自分や娘の愛美のことを優先していると感じ、逆恨みをするようになる。

森口に対して嫌悪感を持っていた二人は、それを解消するがために、愛美の殺人を行ったのであった。

あまりにも理不尽な動機に、クラスメイトは二人のことを激しく軽蔑した。

森口はというと、あまりにも理不尽でむごい仕打ちに、二人にすでに復讐したことを告げた。

給食で二人が飲む牛乳に、エイズ感染者である夫の血液を混ぜたというのである。

衝撃の告白をしたあと、森口は中学校を去り、残り少ない命の夫と共に限られた時間を過ごす。

しかし、まだ彼女の復讐は終わっていなかったのである。

【承】告白 のあらすじ②

終わりの始まり

かつての森口のクラスのメンバーも二年生に進級をしていた。

あの衝撃的な森口の告白の後、Aは何事もなかったかのように学校に通い、Bはクラスメイトからの制裁を恐れて引きこもりの生活を送っていた。

AとBのいるクラスの新しい担任は、寺田という男性だった。

寺田は熱血教師に憧れているが、その熱意は空回りしがちで、生徒たちから疎まれることも多々あった。

寺田は、不登校状態のBのことを心配し、ことあるごとに家庭訪問をしたり、クラスメイトから手紙を募ったりするが、うまくいかない。

クラスメイトは森口の告白以降、AとBのことを不気味で気持ちの悪い存在として扱っていた。

もちろん、不登校状態のBに学校に来てほしいと願う者はおらず、寄せ書きに暗号めかして悪口を書いたりと、陰湿ないじめ行為を行っていた。

そんなクラスの状況にも寺田はまったく気づくことはなかった。

そんな時、クラス全員の携帯電話に、森口の告白を口止めする内容のメールが届く。

もし、寺田や他の学校関係者に森口の告白のことが知れたら、そいつを少年Cとみなす、と。

クラスの一同は怯え、誰も森口の告白のことは話さなくなったが、その代わりにAに対するいじめ行為は激化した。

Aに対して牛乳をかけたり、Aをかばう女子は無理やりAとキスをさせられたりと、どんどんいじめの内容はエスカレートしていった。

そんな状況でも寺田は助けてはくれなかった。

しかし、これは森口が企んだ復讐の一環であった。

寺田の尊敬する人物は森口の夫だった。

森口の夫も同じく教職者で、彼に憧れて寺田も教師の道を進んだのだ。

そのために森口と寺田には交流があった。

一連のいじめを助長するかのような寺田の行為は、森口にそそのかされてのことだった。

【転】告白 のあらすじ③

転落

Bは、一見至って平凡ではあるが、幸せな家庭で育ったかのようにみえた。

実際に、Bは特別何かに秀でることはなかったが、穏やかな性格をしていた。

しかし、彼の母親は自分の理想を家族に押し付けるような人物であった。

母親はBに、成績優秀であることを求め続けた。

そしてその行動は至って平凡な彼を苦しめ続けた。

Bは母親の望むような人間になろうと努力をしたが、どうしても成績は伸びず、母親を落胆させ続けた。

そしていつしか母親からの圧力はストレスにはり、Bの学力は急降下してしまったのだ。

AとBが引き起こした愛美殺害事件はそんな矢先に起きたことだった。

森口によって、エイズウイルスの入った牛乳を飲まされたと信じたBは、終業式の日以降、家に引きこもって髪や爪を伸ばし、不潔になった。

これは、Bなりにエイズのウイルスを家族に移さないようにと考えてのことだった。

しかし、Bの母親は何も気づかず、Bに学校に行くように説得する。

母親はBのことを溺愛して言いなりになっていたが、世間体を気にする人間であった。

Bは引きこもるうちに母親に対して暴力をふるうようになっていったが、そのことを母親は絶対に他の人間には話さなかった。

森口は彼の母親の歪んだ愛情を見抜いており、それを利用して少年Bの精神をさらに追い詰めていった。

Bの母親に対して、Bが行ったことをすべて話したのだ。

母親はBの行いを信じることができず、もしBが愛美を殺したとしても、悪気があってのことではなく、恐怖にかられての行為であったはずだと断言する。

しかし実際には、Bには明確な殺意があった。

自分の息子が殺人を犯したことに絶望した母親は、息子と心中を図ろうとナイフを持ち出す。

その光景を見て、激高してしまったBは、ナイフを奪い、そのまま自分の母親を刺し殺してしまう。

Bはそのことが原因でさらなる闇に落ちていくのであった。

これももちろん、森口が仕組んだことであった。

【結】告白 のあらすじ④

復讐の終わり

少年Aは死を恐れてはいなかった。

彼は幼少期に母親から虐待を受けていた。

というのも、彼の母親は有能な研究者で、数多くの論文を発表し、将来を期待されていたのだが、研究のために渡米する直前になってAを妊娠し、研究を泣く泣く諦めた過去があった。

Aの母親は、Aによって人生を狂わされたと感じ、暴力をふるうようになるが、Aはそれでも母親のことを愛していた。

だが、母親の虐待に気付いたAの父はすぐに母親と離婚し、Aは母親と会うことができなくなった。

Aの父親はすぐに再婚し、平和な日常を取り戻すかと思いきや、父の再婚相手が妊娠したのを機に、Aは家で自分の居場所がなくなってしまう。

Aは母親を恋しく思うが、母親と会うことは禁じられており、居場所もわからない。

Aは、自分がなにかで成果を出せば母親が会いにきてくれると信じるようになる。

その一心で、Aは科学工作を始めた。

びっくり財布やウソ発見器、たくさんの道具をAは作った。

しかし、母親は会いに来てくれない。

愛美を殺したのは、森口に対する逆恨みもあったが、殺人事件を犯したら、母親が自分を捨てたことを詫びに戻ってくるかもしれない、という一抹の希望があった。

そしてエイズウイルスの入った牛乳を飲んだと森口に聞かされた時、これで大騒動になれば母親は必ず自分のニュースを耳にすると思い、むしろエイズを発症したいとすら思うようになった。

森口は少年Aのことを調べ上げ、やがて彼の最大の弱点が彼の母親であることに気付く。

そこに目をつけ、彼が自分の母親を殺すように仕向ける。

結局エイズを発症しなかったAは、目立って母親の気をひくために、教室内での爆破事件を目論む。

爆破決行日になり、Aは爆弾のスイッチを入れるが、爆弾はいつのまにか消えていた。

その爆弾は、森口の手によって、Aの母親のもとに運ばれていたのだ。

そのせいで、爆弾は母親のいる場所を吹き飛ばし、母親は死亡する。

森口のたくらみに最後まできづけなかったAは、自らの手で母親を殺してしまい、絶望に暮れる。

そんな彼に、森口はこう言い放った。

「これが最大の更生の方法だとは思いませんか?」と。

しかし、彼女が娘を失った悲しみは一生消えることはなかった。

告白 を読んだ読書感想

少年二人の心の闇にぞっとしました。

一見二人はふつうの中学生のようですが、心の中にはとんでもなく大きい不満をため込んでいて、それを解消するために幼気な少女を殺めたのです。

全く共感はできませんでしたが、かといって完全に他人事とも思えず、思春期など心が揺れ動いている時期には、ちょっとした刺激で人間なにをするか分からないものなのかもしれないと感じました。

少年Bの母親のような女性は本当にありふれています。

自分の理想を他人に押し付けて、その人そのものを正しく見ようとしない。

私も似たような人間に出会ったことがあるので、そういった母親のせいで少年Bが劣等感をため込んでしまう少し気持ちはわかります。

また、事件を起こしてまでも母親の気を引きたいというAの強い気持ちには心が揺さぶられました。

決して許される行為ではありませんが、ここまで強く親を思う気持ちがあるのか、と思いました。

そしてその二人に、人生をかけて制裁を加える森口にも、恐怖を覚えつつ、目を話すことができませんでした。

究極の親子愛を描いた物語です。

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告白を読んだ 読者の声

「設定の凄さ、面白さ」

40代
女性

作品冒頭から自分の子供が殺された、犯人はこの中にいる、と告白しているのが面白い。今まで読んできたミステリー作品では殺されるのは誰なのか?犯人は誰なのか?というところが作品の面白さなのに冒頭から殺されたのは誰か、犯人も最後まで秘密にするのではなく読者に教えているのは驚いた。しかも殺したのも殺されたのも子供というのが何より面白さであり凄さだと思います。加害者であったり被害者であったり子供達が何らかに関わっている作品は湊かなえさんの真骨頂ではないかと思います。

「一気に読ませてくれます。」

30代
男性

ネタバレするわけにもいきませんが、内容は文句がありません。
作者の湊かなえさんにとっては出世作となります。
すごい人ですね。
こんなに暗くて残酷なことを考えつき、しかも作品に見事に昇華しているのですから。
読了して、改めて人間って怖い生き物だなと思いました。

「森口悠子の復讐心か見所です。」

20代
男性

テレビで見た映画のコマーシャルが印象的で、読んでみても森口先生役で、テンポよく読めました。かくしょで語る人称が変わり真実が少しずつわかってくるのがおもしろかった、是非とも映画も絶対に見てみようと思う。

「衝撃的なラストです。」

40代
女性

娘を生徒に殺された中学校教師が、復習をするという、ありえなそうなシュチュエーションですが、どうなるかがとても気になるあらすじが、すごくおもしろいところだと思います。登場人物が復讐によっておかしくなっていきます。少しのことでも、タイミングや思い込みで、異常になっていくことってあるだろうな、と思わせてくれる作品でした。最後も期待を裏切らない、衝撃的なラストです。

「復讐をやり遂げたときの、ざまあみろ感を味わえる」

40代
男性

娘を教え子に殺された教師の復讐劇なのですが、ざまあみろ感が素晴らしいです。学生時代に嫌な奴、いたと思いますが、私も爆弾をしかけて、相手をこっぱみじんにしたいです。この小説を読んだら、刑法を改正して、仇討ちが可能にしてもらいたいと思います。

「告白」実写化作品


主演を松たか子さんが熱演して話題になり大ヒットを飾りました。

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