童話「あかたろう」のあらすじと結末を全編解説

童話「あかたろう」

【ネタバレ有り】あかたろう のあらすじを起承転結で紹介

よだかの星の主要登場人物

めんどうくさがりのお爺さん(めんどうくさがりのおじいさん)
なにをするのもめんどうくさくて、家の中でじっとしているだけのお爺さん

めんどうくさがりのおばあさん(めんどうくさがりのおばあさん)
なにをするのもめんどうくさくて、家の中でじっとしているだけのおばあさん

あかたろう(あかたろう)
めんどうくさがりのお爺さんのあかと、めんどうくさがりのおばあさんのあかとを、集めて人形の形にし、それを神棚に上げて手を打つことにより、神さまによって魂が入れられた人形

村の鍛冶屋さん(むらのかじやさん)
金棒を作って、あかたろうに渡してくれた親切な村の鍛冶屋さん

あかたろう の簡単なあらすじ

お爺さんのあかとおばあさんのあかとから作った人形に魂が入り、ふたりが、子供のように育てることで物語は始まります。あかたろうは立派な若者になり、物語は「めでたし、めでたし」で終わるでしょうか。

あかたろう の起承転結

【起】あかたろう のあらすじ①

あかたろうの誕生

むかし、家のなかでじっとしているだけの、めんどうくさがりのお爺さんとおばあさんとがいました。

ある日、ふたりが、どういうことでもなく体をこすっていると体からあかが落ちてきました。

ふたりは面白がってあかを集めて丸め、一つのあかのかたまりを作りました。

いたずら心を起こしたお爺さんは、それを小さな人形の形にしました。

それが可愛くなったお爺さんとおばあさんは、それを神棚に上げました、そして手をたたくと、魂が入り、神棚からふたりの前に飛び降りてきました。

ふたりはあかたろうと呼ぶことにしました。

あかたろうが、はらがへったというので、二人は、貧しいが心優しい村人達に助けてもらい、せっせと料理を作って食べさせました。

あかたろうは、食べた分だけ、ずんずん大きくなってゆきました。

【承】あかたろう のあらすじ②

あかたろうの活躍

その後も、あかたろうは大きくなってゆき、やがて、金棒が欲しいと言いだしました。

お爺さんは、わけがあるのだろうと思い、村の鍛冶屋さんに頼みました。

やさしい鍛冶屋さんは、あかたろう誕生の事情を知っていたので、協力してくれました。

あかたろうは、おばあさん手作りの赤いちゃんちゃんこを着て、金棒を担いで村を出て行きました。

お爺さんとおばあさんは、あかたろうの無事を毎朝毎晩神様に祈り、いつ空腹のあかたろうが戻ってきてもよいように、せっせと畑を耕し、とれた作物を売り、一生懸命に働きました。

三年後に、大きく成長したあかたろうが戻ってきました。

あかたろうは、世の中に出てから、持っていった金棒を使って多くの鬼を退治して人々を助け、立派になって帰ってきましたが、体をあかのままでした。

【転】あかたろう のあらすじ③

あかたろうのその後

お爺さんとおばあさんとは、あかたろうが立派になって帰ってきたので、大喜びしました。

世話になった村人達を呼んで盛大なお祝いの会を催しました。

三年の間の、あかたろうの活躍を聞いて、驚いたり、楽しく大笑いしたりして過ごしました。

夜がふけ、村人達が帰った後、おばあさんは、お爺さんに、あかたろうと一緒に風呂に入って、あかたろうにも旅の疲れを取らせるようにいいました。

このとき、お爺さんもおばあさんも、立派になったあかたろうの体がなぜあかのままであったかを、深くは考えなかったのです。

入浴を勧められたあかたろうは、ちょっと考えてから承諾して、お爺さんと一緒に風呂に入りました。

【結】あかたろう のあらすじ④

消えたあかたろう

おばあさんの沸かした風呂に、あかたろうとお爺さんが入りました。

先にお爺さんの背中をあかたろうがお湯で流して洗ってくれました。

お爺さんは、あかたろうを育てるために、これまで尽くした努力への感謝の気持ちを感じて、とても嬉しくなりました。

次に、お爺さんが、あかたろうの背中を洗い、さらに、あかたろうの背中に大量のお湯をかけたのですが、あかたろうは、みるみるうちにお湯に溶けて姿が消えてしまいました。

お爺さんとおばあさんは、たいへん悲しみましたが、あかたろうの姿は戻ってきませんでした。

しかしお爺さんとおばあさんは、あかたろうのおかげで一生懸命働け、あかたろうもお金や宝物を持ち帰ってくれたので、その後も仲良く幸せに暮らしました。

あかたろう を読んだ読書感想

作者は、なんとなく子供っぽい、あかたろうという存在で、何を述べたかったのでしょうか。

人間の価値は、人間として生まれた以上、絶え間なく努力して、生涯を過ごしてゆくべきであると言いたかったのでしょう。

人間の努力は、当然、汗を伴います。

汗はあかを伴います。

それを一番大事なものとして生涯をおくれれば人間は幸せになるというのが、作者の言いたいことであると思います。

抽象的な概念なので、具体的な形はお湯に流れて消えてゆくようです。

コメント