【ネタバレ有り】ツェねずみ のあらすじを起承転結で紹介
よだかの星の主要登場人物
ツェねずみ(つぇねずみ)
本作の主人公・上手くいかないと相手のせいにして責め立てる・そのせいでみんなに嫌われ、友達がいなくなる。
ネズミ捕り(ねずみとり)
人間に軽んじられてるため、ねずみと仲良くなりたいと思うようになる。そのため、エサだけ食べて逃げるツェねずみを見逃していた。
下男(げなん)
ねずみを捕獲したいと毎日ネズミ捕りを仕掛けているが、なかなか成果が出ないので苛立っている。
ツェねずみ の簡単なあらすじ
相手のせいにしてしつこく責め立てるツェねずみは友達がいなくなる。唯一、ねずみと仲良くしたいネズミ捕りと関わるようになるがいつも通り、言いがかりを付けた結果アクシデントにより、人間に捕まってしまった。
ツェねずみ の起承転結
【起】ツェねずみ のあらすじ①
ある日、いたちがツェねずみに話しかけました。
「金米糖がこぼれているぜ。
早く行って拾いな。」
ねずみは大喜びで、お礼も言わずに 走って行きました。
ところが、いきなり足がチクリとし、「止れっ」という声がします。
金平糖を取り囲む蟻の兵隊でした。
「早く帰れ」蟻の務曹長が、低い太い声で言ったのでねずみは 震えて、逃げだしました。
しかし面白くありません。
蟻は兵隊だから仕方がないけれどいたちに教えられたとおりに行っただけなのに怒られるとは、しゃくにさわります。
ねずみはいたちに文句を言いに行きました。
「いたちさん、だますなんてひどいです」「だましやせん。
たしかにあったのや」「もう蟻が来てましたよ」「行くのが少し遅かったのや」「償ってください」「埋め合わせをして下さい」 いたちは怒って「どっかに失せろ」と自分が拾ってきた金米糖を投げだしました。
ねずみは金平糖を持てるだけ持つと、巣へ帰って食べました。
【承】ツェねずみ のあらすじ②
誰にも相手にされなくなってきた嫌われツェねずみは、道具たちと交際を始めました。
柱はある日、 ねずみに温かい夜具の支度のために、僕の頭の上ある暖かいものを下に運んだらどうか。
と言ってくれました。
その作業中、ねずみは坂から落っこちてしまいました。
柱は心配し、謝りましたがねずみは許さず「あんな指示を出されたせいだ。
償っておくれ」と言い張ります。
柱は困り、泣き出し、ねずみとは口を利かなくなりました。
ちりとりは、ある日、ツェねずみに最中をあげました。
すると次の日、ねずみはお腹が痛くなりましたので償っておくれを100回ほど言いました。
ちりとりもねずみとの交際はやめました。
ある日、バケツはツェねずみに 洗顔用に洗濯ソーダの欠片をあげました。
ねずみは喜んで使っていましたが、ひげが十本ばかり抜けましたので償っておくれを250回ほど言いました。
バケツは泣いて謝り、それから一切口を利きませんでした。
【転】ツェねずみ のあらすじ③
ツェねずみは、次第に他の道具達からも嫌われるようになってきましたがネズミ捕りだけはまだツェねずみと付き合ったことはありませんでした。
元来、ネズミ捕りはねずみの敵で人間の味方なはずですが最近は、あまりねずみを捕まえられていないせいなのか人間に邪険に扱われているのです。
ですので、ネズミ捕りは人間よりも実はねずみと仲良くしたいと思っていました。
けれども、大抵のねずみは怖がってそばへやって来ません。
ネズミ捕りは毎日優しい声で「今夜のごちそうはアジだよ。
入口をパタンと閉めるようなことはしないから、安心しておいで。
わたしも人間にはもうこりごりしてるんだから」なんて呼びかけますがねずみはみんな逃げて行ってしまいます。
そして朝になり、見に来た下男が「またねずみが入ってないな。
ねずみももう知ってるんだな。
しかしまあ、もう一日だけかけて見よう」と言いながら新しいエサと取り換えるのでした。
【結】ツェねずみ のあらすじ④
そこへ、初めてツェねずみが通りかかりネズミ捕りの中でエサを食べるとプイっと外へ出て、帰って行きました。
翌朝、下男は怒って言いました。
「餌だけとって行きやがった、しかし中へ入ったというのは感心だ」そして新しいエサを付けました。
次の夜も、ツェねずみはエサだけ食べて帰って行きました。
。
翌朝、下男はますます怒って言いました。
「そんなに上手くエサだけ取られる訳がない。
ねずみからわいろを貰ったらしい。」
ネズミ捕りは「わいろなど貰っていない」と怒鳴りましたが勿論、下男には聞こえません。
下男は腐った半ペんをくっつけていきました。
夜になり、ツェねずみはすぐネズミ捕りの中に飛びこみましたがエサが腐っているのを見て、叫びました。
「 償って下さい」ネズミ捕りは朝、あらぬ疑いを受け怒っていましたので思わず針金をりうりうと鳴らしてしまいました。
「ピシャッ」鍵が外れて入口が閉まりねずみは人間に捕まってしまいました。
ツェねずみ を読んだ読書感想
ツェねずみは、宮沢賢治の作品です。
主人公は上手くいかないことがあると、その原因を探ろうともせずに感情的に相手を責め立てます。
相手が謝っても、許すどころか更に図に乗り賠償を要求し続けるその姿は非常に強烈でまるでクレーマーのようです。
孤立し、ついには人間に捕まってしまうツェねずみ。
「どうしてこうなったのか」「どうしたら良かったのか」きっと最期まで分からなかったのではないでしょうか。
感情的に周囲を攻撃するという行動が何に由来するのか分かりませんが「これ以上、誰にも傷付けられたくない」というから思いからくるのだとしたら哀れにも感じてしまいます。
現代の社会問題にも通じる深いお話だと思います。
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