童話「ハーメルンの笛吹き男」のあらすじと結末を全編解説

ハーメルンの笛吹き男

【ネタバレ有り】ハーメルンの笛吹き男 のあらすじを起承転結で紹介

ごんぎつねの主要登場人物

まだら服の男(まだらふくのおとこ)
ネズミの被害に悩むハーメルンにやってきた奇妙な服を着た笛吹き男。ネズミ退治を申し出る。

町長(ちょうちょう)
ハーメルンを統治している町長。まだら服の男が申し出た報酬を渋る。

町の人たち(まちのひとたち)
ハーメルンに住む人々。まだら服の男を冷遇する。

子供たち(こどもたち)
ハーメルンに住む子供たち。のちにまだら服の男とともに姿を消してしまう。

ハーメルンの笛吹き男 の簡単なあらすじ

ネズミの被害に苦しむハーメルンに奇妙なまだら服を着た男がやってきます。男は笛の音色によってネズミを退治しますが、町の人々は彼を冷遇しました。その夜、男は再び笛を奏でて子供たちを連れて姿を消すのでした。

ハーメルンの笛吹き男 の起承転結

【起】ハーメルンの笛吹き男 のあらすじ①

やってきた奇妙なまだら服の男

昔、ドイツにあるハーメルンという町でネズミが大量発生する出来事がありました。

ネズミたちは食べ物や服、はてには人間までもかじる始末です。

町の人々はあれこれと対策を講じたものの、効果はなく、どうしたものかと悩みます。

そんな時に1人の男がハーメルンにやってきました。

奇妙なまだら服を着たその男は町長に面会し、何と「金貨一袋でこの事態を解決しましょう」と言ってのけたのです。

町長は報酬の高さに渋い顔をしたものの、ネズミを1匹残らず退治することを引き換えに了承しました。

【承】ハーメルンの笛吹き男 のあらすじ②

男のネズミ退治

町長が了承すると、男は表に出て懐に仕舞い込んでいた笛を取り出して吹き始めます。

その音色はとても愉快で、楽しいものでした。

あんまりにも楽しいので町の人々も夢中になって聞き入っていましたが、あっと驚きます。

なんと町を苦しめていたネズミたちも我先にといわんばかりに男のところへ走っていくのです。

呆然とする町の人々をよそに、男は笛を吹いたまま川へと歩いていきます。

やがて川にたどり着くとネズミたちは次々に川に飛び込んで、溺れ死んでしまいました。

【転】ハーメルンの笛吹き男 のあらすじ③

反故

ネズミたちがいなくなった町の人々は大喜びし、その日の夜は安心して眠りにつきます。

そして翌朝、まだら服を着た男は約束した報酬を受け取ろうと町長に会いに行きましたが、町長は支払おうとしません。

元々あまりの報酬の高さに良い気持ではなかったこと、またネズミ退治があまりにも簡単に片付いてしまったことなどが原因でした。

それは町の人たちも同じで、恩人であるはずの男に冷たい眼差しを向けます。

その対応に男は何も言わずにハーメルンを立ち去りました。

【結】ハーメルンの笛吹き男 のあらすじ④

そして子供がいなくなった

男が去ったその夜、どこからともなく笛の音色が聞こえてきます。

町の人たちはすぐに「あのまだら服を着た男の笛だ」と思ったものの、気に留めることもなく、再び眠りにつこうとしました。

ところが町のあちこちから悲鳴や怒号が響き渡ります。

何と町の子供たちが歌ったり踊ったりしながら、表へ出ていたのです。

町の人たちは子供たちを止めようとしましたが、どうにもならず、子供たちは笛の音色とともに姿を消してしまいました。

子供たちの行方は分からず、子供たちが消えていった方向の山から子供の笑い声や楽しそうな声が時々聞こえるそうです。

ハーメルンの笛吹き男 を読んだ読書感想

「ハーメルンの笛吹き男」はグリム童話に収録されているものの、実際にあった事件です。

その生々しさは童話になっても伝わってくるものがあり、少し怖い雰囲気もありますが、それがとても魅力的です。

強いて教訓を挙げれば「恩人を大切にしろ」ということでしょうが、それを差し引いても複雑な気分になります。

男の立場からすれば当然の仕打ちであるものの、子を持つ親からすれば気が気でないです。

「消えた子供たちが幸せであるように」、そう祈らずにはいられません。

この童話は不気味ですが、当たり前の存在の有難さを教えてくれている気がします。

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