童話「笠地蔵」のあらすじと結末を全編解説

かさじぞう

【ネタバレ有り】笠地蔵 のあらすじを起承転結で紹介

ごんぎつねの主要登場人物

お爺さん(おじいさん)
おばあさんと二人慎ましく暮らす優しいお爺さん。笠を作って売るのを生業としている。

お婆さん(おばあさん)
お爺さんと暮らす優しいお婆さん。

地蔵(じぞう)
道端で人々を見守るお地蔵様。

笠地蔵 の簡単なあらすじ

昔ある老夫婦が暮らしていました。年越しの準備にかかるお金を稼ぐ為、お爺さんは作った笠を町へ売りに行きます。帰り道、雪の中に佇む地蔵達に売れ残った笠を被せて帰ります。その夜、地蔵が恩返しに来たのでした。

笠地蔵 の起承転結

【起】笠地蔵 のあらすじ①

優しい老夫婦

昔々、貧しいけれど心優しい老夫婦が暮らしていました。

寒さの厳しい年末になっても、二人の家ではいまだに年越しの準備も出来ていません。

しかし、それでも二人の心は荒んではいません。

お爺さんはすこしでも年越しの為に必要な資金を稼ぐ為、笠を作って町へ売りに行くことにしました。

貧しくはありますが、お婆さんは生活の苦しさでお爺さんをなじるようなことも無く、優しくお爺さんを支えています。

お爺さんが町へ発つのを、温かく見送りました。

【承】笠地蔵 のあらすじ②

売れない笠

作った笠を持って町へ来たお爺さんでしたが、なかなか売れません。

少しでもお金を工面して安心して年を越したいのですが、それも難しいようです。

諦めずに町を歩き回り、なんとか笠を売ろうとしますが、どうにもうまくいきません。

冷たい雪が降りしきる中、時間は無情にもどんどん過ぎていきます。

やがて、帰路につかなければならない時間になってしまいました。

売れ残った笠を持ったまま、お爺さんは肩を落として家へと帰り始めました。

【転】笠地蔵 のあらすじ③

笠と善行

雪が降り、地面に積もる中、お爺さんは寒さに縮こまりながら家路に付きました。

その途中、ある物を目にします。

それは、雪の中幾つも立ち並ぶ地蔵でした。

こんなに寒い中じっと佇んで人々を見守っている地蔵達が、お爺さんには辛そうに思えました。

翌日も町へ売りに行くつもりだった売れ残りの傘を、惜しげもなく地蔵達に被せてやります。

自分の貧しさよりも寒そうな地蔵達を気遣う気持ちの方大きく、礼も言えぬ相手であっても優しくするのは当然だと思ったのです。

【結】笠地蔵 のあらすじ④

あると思わなかった見返り

笠を持たずに帰ったお爺さんを出迎えたお婆さんは、お爺さんからことの顛末を聞いても少しも怒りませんでした。

生活は苦しくとも、心は豊かな夫婦なのです。

笠が売れなかったこともあり、例年よりも貧しさが厳しい年末でしたが、二人は不平も言わずに床につきました。

深夜、何かを引きずるような音が聞こえ、二人は目を覚まします。

何事かと恐る恐る戸の外を見てみると、なんと笠をかぶった地蔵達が沢山の米などを家の前に置いてく姿が見えたのです。

心優しい夫婦は、その優しさの礼に来た地蔵達の背に向かい、こちらもまた礼を言ったのでした。

笠地蔵 を読んだ読書感想

慎ましく暮らす貧しくも優しい老夫婦が、最後にはその優しさによって救われる。

大まかなあらすじは、日本の昔話によくあるタイプだと思います。

生活が貧しくとも、心まで貧しくなってはならない。

いつでも優しい人間であれ。

実際には優しければ必ず報われるというものでもありませんが、それでもこのメッセージはいつの世でも心に響く物だと思います。

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