【ネタバレ有り】かえるの王様 のあらすじを起承転結で紹介
かえるの王様の主要登場人物
カエル(かえる)
井戸に落ちた毬を拾う代わりに王女にさまざまな要求をするカエル。
王女(おうじょ)
父王に逆らえずカエルと寝食をともにすることになる。
お父様(おとうさま)
王女の父であり、国王である。
ハインリヒ(はいんりひ)
隣国の王子の忠実な僕。
かえるの王様 の簡単なあらすじ
ある日、国の王女が金の毬を井戸に落としてしまいます。すると底からカエルが「毬を返してあげるかわりに僕を友達にしておくれ」と無理な要求をしてきたのです。王女は約束を守らず毬のみ取り戻します。しかし…。
かえるの王様 の起承転結
【起】かえるの王様 のあらすじ①
ある国の王女が、お気に入りの金の毬をうっかり井戸の底に落としてしまいました。
すると中から「毬を返してあげる代わりに、カエルの僕と友達になっておくれ。
食事のときには僕を隣に座らせて同じお皿から食べさせ、夜には君と同じベッドで眠らせておくれ」という要求の声がしました。
王女はカエルが苦手だったので気味が悪くなり、「いいわ。
一緒に食べて一緒に寝てあげる」と要求をのむふりをして毬を返してもらい、走ってお城へ逃げ帰りました。
【承】かえるの王様 のあらすじ②
翌日の夕食のとき、王女は浮かない顔でした。
王様はその様子を不審に思っていました。
そのとき、あのカエルが突如テーブルに姿を現し、王女に「約束を守っておくれ」と迫ったのです。
王女は泣きながら、同席しているお父様(王)に事情を説明しましたが、お父様はカエルとの約束を守るよう愛娘に命じます。
王女は泣く泣くカエルと一緒のお皿から食事をとりました。
カエルと同じベッドで眠るのをどうしても避けたい王女は、お父様にそのことを必死で懇願しますが、まったく聞き入れられません。
ついに王女は、気味の悪いカエルとともに寝室へ入ることになってしまいます。
【転】かえるの王様 のあらすじ③
王女はぬるぬるしたカエルと同じベッドに入ることだけは、どうしても受け入れられませんでした。
さっさとひとりでふとんにもぐりこみますが、カエルは「ちゃんと約束を守ってくれ。
さもないと、お父上に言いつけるぞ」と怒り始めます。
王女はこのカエルの要求に腹を立て、「お前なんて!」とつまみあげ壁に叩きつけてしまいました。
するとカエルはその衝撃で、立派な人間の王子様の姿に変身したのです。
あっけにとられている王女の前でひざまずいた王子様は、数々の非礼を詫びました。
なんとこの王子、じつは隣国の王子で、悪い魔物によりカエルの姿にされていただけだったのです。
【結】かえるの王様 のあらすじ④
仲直りをした二人は親密になり、ついに婚約します。
それを知り、隣国から王子の忠実な僕ハインリヒが馬車で迎えにくることになりました。
このハインリヒ、王子がカエルになってしまった折、ショックのあまり胸が張り裂けんばかりに悲しみ、実際に胸が張り裂けてしまわないように鉄の輪を三本も胴に巻き付けていました。
しかし王女をともなって馬車で帰国する際には、ハインリヒの胸は喜びのあまり張り裂けんばかりに膨らんで、三本もの鉄の輪はメリメリと順番に割れて外れていきました。
馬を鞭打ちながら涙ながらに喜びの歌を歌うハイリンヒを、王女と王子はうれしそうに眺めたのでした。
かえるの王様 を読んだ読書感想
この作品は「美女と野獣」とは真逆です。
王女は真実を見ようとせず表面的なものに惑わされ、小さな生き物を壁に叩きつけるという所業に出ます。
しかしそれについてお咎めはなく、<全員がハッピーになる>という不思議な結末を迎えます。
勝手な考察をするならば、この物語は<時を待つこと>がテーマになっているのかもしれません。
カエルの魔法が解けることも、ハインリヒと王子の再会も、すべて<待つこと>で事態が好転していくようにみえます。
作品ではカエルの魔法のように嫌な理不尽もたくさん起きますが、そんな中にも<信じて待つ>ことが幸せを呼び込むような、そんな良い意味での理不尽もあって良い気がします。
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