童話「白い花嫁と黒い花嫁」のあらすじと結末を全編解説

童話「白い花嫁と黒い花嫁」

【ネタバレ有り】白い花嫁と黒い花嫁 のあらすじを起承転結で紹介

さるのキモの主要登場人物

白い娘(しろいむすめ)
本作の主人公。優しく兄が大好きな継娘。

黒い母子(くろいぼし)
神様に黒く醜い姿に変えられた母親とその娘。意地悪で嫉妬深い。

レジナー(れじなー)
白い娘の兄で妹が大好き。王様の御者をしている。

王様(おうさま)
主人公たちの住む国の王様。白い娘の絵に一目惚れする。

白い花嫁と黒い花嫁 の簡単なあらすじ

意地悪をしたために醜い姿に変えられた母子が、綺麗になった継娘に嫉妬して入れ替わって王様と結婚したが、?がばれて罰を受け継娘が幸せになる話。

白い花嫁と黒い花嫁 の起承転結

【起】白い花嫁と黒い花嫁 のあらすじ①

意地悪と優しさ

あるところに飼い葉を刈りながら歩いている母子3人がおりました。

そこへ貧しい男に姿を変えた神様がやってきて、村へ行く道を尋ねました。

意地悪な母親と娘は村へ行く道を教えず、自分で探すように言いました。

唯一、もう一人の継娘だけは村までの道へ案内すると言いました。

意地悪な母子に怒った神様は、2人を夜と同じくらい黒く、罪と同じくらい醜い姿へと変えました。

そして、優しい継娘は村へ着くと祝福し3つの願いを叶えると言いました。

継娘は太陽のように白く美しくなること。

空っぽにならない財布。

死後は天国で暮らせるよう願いました。

神様はすべて叶え娘と別れました。

【承】白い花嫁と黒い花嫁 のあらすじ②

美しい絵と王様の一目惚れ

一方、家に帰った意地悪な母子は自分たちが黒く醜い姿に変わっていることに気づき、大変驚きました。

そこへ美しく白くなった継娘が帰ってくると、嫉妬や意地悪い気持ちが一層沸き上がり継娘を傷つけたい気持ちでいっぱいになりました。

ところで、継娘にはレジナーという王様の御者をしている愛する兄がおりました。

兄も継娘を愛しており、美しくなった妹を見て妹の肖像を描きました。

兄は完成した絵を自分の部屋へ飾り、毎日見ては神様に感謝しておりました。

ある時、他の従者たちが美しい絵を毎日見ている御者に嫉妬し王様に告げました。

絵を見た王様は、亡くなった后にそっくりでとても美しい娘を深く愛し、この娘を連れてきて花嫁にすることに決めました。

【転】白い花嫁と黒い花嫁 のあらすじ③

黒い母子の企みと白い娘のピンチ

レジナーが妹にこのことを告げると妹は喜んでお后になることにしました。

しかし、その幸運を許せない黒い母子は魔法を使い、御者の目を見えづらく白い娘の耳を聞こえづらくしました。

馬車に乗って一行がお城へ向かっている時御者台に乗っている兄が「妹よ、濡れたり汚れたりしないように何かかけなさい」と叫びました。

白い娘は黒い母に兄が何と言っているか尋ねると、黒い母は金のドレスを黒い娘にあげるよう言いました。

白い娘は言われた通りにしました。

再び兄が同じことを叫び白い娘が黒い母に聞くと、今度は金の帽子を黒い娘にあげるよう言いました。

白い娘は言われた通りにしました。

また兄が叫び白い娘が聞くと、黒い母が馬車の外を見るよう言いました。

白い娘が言われた通りにすると、黒い母子に背中を押され川の真中へ落されてしまいました。

川には白いカモが水面から出てきて泳いでいきました。

白い娘が落ちたことに気づかなかった兄たちは、そのまま宮廷へと馬車を走らせていきました。

黒い娘を妹として王様の元へ連れて行った兄は、王様の怒りを買い蛇の巣がある穴へ投げ込まれてしまいました。

王様は醜い娘を大変嫌がっておりましたが、母親の魔法でそれも気にならなくなり本当黒い娘と結婚してしまいました。

【結】白い花嫁と黒い花嫁 のあらすじ④

白いカモと真実

ある晩、宮廷の台所に白いカモがやってきて、台所番に羽を暖めるための火をつけるようお願いしました。

台所番は竈に火をつけてやりました。

竈のそばに座った白いカモは台所番に「兄のレジナーはどうしているの?」と聞きました。

台所番は「蛇の穴に閉じ込められている」と答えました。

次にカモは「黒い娘がどうしているの?」と聞きました。

「王様と結婚して幸せだ」と台所番は答えました。

「王様に神の御慈悲があらんことを」と言ってカモは台所から去りました。

このやり取りは3日続き、我慢できなくなった台所番は王様に洗いざらい話しました。

次の夜カモが現れると、王様は剣を抜いてカモの首を切り落としました。

するとカモは美しい白い娘へと姿を変えました。

あの絵の全く同じでした。

そして白い娘は黒い母子の悪だくみをすべて話し、兄を蛇の穴から出すよう願いました。

王様は兄を蛇の穴から出した後、黒い母親の元へ行き誰のことかは伏せこのような行いをするものを罰する方法を聞きました。

何も知らない黒い母親は、「裸にして、馬に繋いだ釘のついた樽の中に入れて世界中走らせるのがいい」と答えました。

王様は言われた通りに黒い母子にその罰を執行しました。

そして王様は白い娘と結婚し、兄の忠誠に報いて高い地位につけました。

白い花嫁と黒い花嫁 を読んだ読書感想

黒い花嫁と白い花嫁はグリム童話の中に収録されている作品です。

子供の頃に読んだことがある人もいるでしょう。

大人になって改めて読んでみると子供のころには気づかなかったことに気づけて新鮮な気持ちで楽しめます。

され今回の作品は、因果応報をテーマにしたお話です。

神様に親切にした娘には良いことが。

神様に意地悪をした母子には悪いことが起こりました。

更に、嫉妬して白い娘を殺し王様の花嫁になり替わり幸せになろうとした母子は酷い罰を死ぬまで受けました。

このことから、自分がされて嫌なことはしないこと。

人を羨むばかりでは幸せになれないことを改めて教え、考えさせてくれる作品です。

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