童話「もみの木」のあらすじと結末を全編解説

もみの木

【ネタバレ有り】もみの木 のあらすじを起承転結で紹介

みにくいアヒルの子の主要登場人物

もみの木(もみのき)
クリスマスツリーにあこがれるもみの木。いつも何か違うものにあこがれている。

おひさま(おひさま)
空の上からいつももみの木を見守っている。

スズメ(すずめ)
ほかのもみの木がクリスマスツリーになることを教えてくれる。

ネズミ(ねずみ)
天井部屋でもみの木と友達になる。

もみの木 の簡単なあらすじ

いつも何かにあこがれていたもみの木には、自分のそばでかがやく月の光もきれいな花々も目に入りません。今のままではなくこんなふうになりたい。と強く願い、いつしかあこがれのクリスマスツリーになりますが。。

もみの木 の起承転結

【起】もみの木 のあらすじ①

はやく大きくなりたい。

森の中に一本のかわいらしいもみの木が立っていました。

お日様はそんなもみの木に「今をうんと楽しみなさい」と言いました。

でももみの木は、早く大きくなりたいと思うばかりでちっとも楽しくありません。

月の光もきれいな花々も、もみの木の目には入りません。

クリスマスが近づくと、人間が来て若い木を切り倒していきました。

「あの木たちはどこへいくんだろう」ともみの木はスズメに尋ねました。

スズメは、「クリスマスツリーになるんだよ。

色とりどりに飾られて、そりゃあきれいになるんだよ」と教えてくれました。

【承】もみの木 のあらすじ②

クリスマスツリーになったもみの木

スズメにクリスマスツリーのことを聞いたもみの木は、早くクリスマスツリーになりたくて仕方がありません。

それを見ていたお日様は「今をもっと楽しみなさい」ともみの木に言いました。

でも、もみの木にはなんのことかさっぱりわかりませんでした。

何度目かの冬が来て、もみの木は大きく成長しました。

そしてとうとう切り倒され、立派な家に運び込まれました。

部屋の中でもみの木は、たくさんの子供達に囲まれ、ろうそくや、金の星、たくさんのお菓子を飾られて幸せいっぱいでした。

「メリークリスマス」子供も大人ももみの木の周りで踊ったりおしゃべりしたり、もみの木にとってすばらしい一日でした。

【転】もみの木 のあらすじ③

天井部屋へ

やがてクリスマスが終わり、もみの木は天井部屋へ運ばれました。

「いったいどうなっているんだろう」もみの木は不思議に思いました。

そこへネズミたちがやってきて言いました。

「もみの木さん、何かお話してよ」もみの木はネズミに声を掛けられ嬉しくなって、昨日会ったことや、自分が育った森のことをネズミたちに話して聞かせました。

最初は喜んで聞いていたネズミ達も、次第にもみの木の話に飽きてきてしまい、出て行ってしまいました。

【結】もみの木 のあらすじ④

外の世界

それからどれくらいの月日がたったことでしょう。

ある日、男の人がやってきてもみの木を庭に出してくれました。

「ああ、なんて気持ちが良い風だろう。

お日様が気持ちいい。

この世界はなんてすばらしいんだろう」もみの木はワクワクしました。

ところが、男の人は、大きなもみの木を斧で小さく割って、まきにしてしまいました。

そして、大きなかまにくべられてしまいました。

もみの木は、「もう何もかもおしまいだ。

楽しめるときにこの世界を楽しんでおけばよかった」と言い、ぱちぱちと音を立てて燃え尽きてしまいました。

もみの木 を読んだ読書感想

現状に満足できず、いつも何かに憧れをいだくもみの木は、近くにある小さな幸せを見落としています。

森の中でそよぐ気持ちいい風もきれいな花々ももみの木の目には入りませんでした。

我々人間も遠くにある手の届かない何かを掴もうとするばかり、日常にある小さな幸せをつい見落としがちになってしまいます。

もっと日常に目を向けて、この物語にでてくる太陽の言うように「今をもっと楽しみなさい」と自分に言い聞かせる良いきっかけとなる物語でした。

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