童話「幽霊と踊った男」のあらすじと結末を全編解説

童話「幽霊と踊った男」

【ネタバレ有り】幽霊と踊った男 のあらすじを起承転結で紹介

さるのキモの主要登場人物

若者(わかもの)
パヴィーアという所に住んでいる若者、恋人だった娘を亡くして塞ぎ込んでいる。

娘(むすめ)
若者の恋人だったが、不慮の事故で20歳の若さでこの世を去る。

幽霊と踊った男 の簡単なあらすじ

若者は最愛の恋人を亡くして塞ぎ込んでいたが、ようやく持ち直してきた時に参加したダンスパーティーで恋人に似た女性とダンスをする。ダンスの後その女性とコーヒーを飲んだ若者だったが女性の持っていたコーヒーがドレスにかかってシミになってしまう。その後女性を送っていった若者はそこが墓地であると気がついて墓守に頼んで恋人の墓を掘り起こして貰うと、棺の中の恋人はコーヒーのシミが付いたドレスを着ていた。

幽霊と踊った男 の起承転結

【起】幽霊と踊った男 のあらすじ①

20歳の若さで

北イタリアのパヴィーアという所にある若者とその恋人である娘が住んでいました。

2人はとても愛し合っていましたが、娘は20歳という若さでこの世を去ってしまいました。

若者はたいそう塞ぎ込んでしまい、部屋にこもりきりとなってしまいました。

しかし彼の友人たちが辛抱強く彼を励まし続けると、半年という長い時間がかかりましたが、何とか若者は少しだけ元気を取り戻して部屋から出れるまでになり、友人たちが誘ってくれたダンスパーティーに参加するという約束もできるようになりました。

【承】幽霊と踊った男 のあらすじ②

恋人にそっくりな女性

ダンスパーティーに参加した若者は、そこで誰とも踊らずにぽつりと1人でいる女性を見つけて驚きました。

裾の長い白いドレスを着たその女性は、亡くした恋人にそっくりだったのです。

若者は女性に近付くとダンスに誘います。

近くで見れば見るほど亡くした恋人にそっくりだと若者は思いました。

女性が若者の誘いを受けたので、若者が手を取りますが、女性の手は氷のように冷たいものでした。

若者はまるで死人のようだと思いましたが、特に気にせずに2人で踊りを楽しみました。

【転】幽霊と踊った男 のあらすじ③

コーヒーのシミ

踊り疲れた若者は休憩をしようと女性をコーヒーに誘います。

しかしその場は同じく休憩している人達でとても混みあっていたので、誰かが女性にぶつかってしまいました。

その拍子に女性が持っていたコーヒーが零れて白いドレスに大きなシミが出来てしまいました。

若者は慌ててシミを拭きますが取れません。

若者は謝りますが女性はあなたのせいでは無いと慰め、それにもう帰るのです。

と告げました。

若者はもう少し女性と一緒に居たかったので近くまで彼女を送っていく事にしました。

外はとても寒かったのですが女性はドレス1枚で上着を持っていませんでした。

なので若者は自分の着ていたジャケットを貸し、墓地の前で別れた女性に明日また取りに行くからと約束をして家に帰りました。

【結】幽霊と踊った男 のあらすじ④

あの日の女性は

次の日、若者が女性と別れた墓地の前まで来てみると、昨日は暗くて分かりませんでしたが周りは墓地以外何も無い場所でした。

辺りを見回していた若者は墓地の入り口に昨日女性に貸した自分のジャケットが引っかかっているのを見つけると、ハッと恋人がこの墓地に眠っている事を思い出しました。

若者は墓守の男に事情を話して、恋人の棺を掘り起こしてもらいました。

棺を開けた2人はとても驚きました。

何故ならば彼女の真っ白な死装束には大きなコーヒーのシミが残っていたのでした。

幽霊と踊った男 を読んだ読書感想

イタリアの昔話なのですが、今でも現実に怪談として語り継がれそうな、それでいてラテン系のロマンティックさがこれでもかと盛り込まれた怖いながらもとても素敵な話です。

幽霊になっても愛しい人に会いたいという気持ちは年代年齢問わず万国共通で、愛や恋で身を滅ぼす話も多いですが、やはりそれらは素晴らしいものなのだなと再認識しました。

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