【ネタバレ有り】注文の多い料理店 のあらすじを起承転結で紹介
よだかの星の主要登場人物
二人の若い紳士(ふたりのわかいしんし)
本作の主人公たち・東京から山奥へ狩りをしに来た。
山猫たち(やまねこたち)
料理店を装って、山奥へ迷い込んだ人を食べようと企んでいる
二匹の犬(にひきのいぬ)
主人公たちが連れている白熊のような猟犬泡を吐いて死んでしまったが最後には主人公たちを助けに来る。
専門の猟師(せんもんのりょうし)
案内をしていたが、どこかへ行ってしまった。最後には主人公たちを探しに来る。
注文の多い料理店 の簡単なあらすじ
東京から狩りに来た二人の紳士は山奥で迷い、偶然見つけた料理屋に入ります。変な注文が多く怪しむようになり自分達が食べられることを察すると、助けを求めます。すると死んだはずの犬たちが来て、救われました。
注文の多い料理店 の起承転結
【起】注文の多い料理店 のあらすじ①
東京から二人の紳士が狩りに来ました。
イギリスの兵隊のような立派な恰好をして、ぴかぴかの鉄砲を担ぎ白熊のような犬を二匹連れていました。
ところが一匹の獲物も捕れません。
しかもあまりに山奥だったせいか、専門の猟師はどこかへ行ってしまい二匹の立派な犬までも泡を吐き死んでしまいました。
寒くなり、お腹も減ってきた二人は宿に帰ろうとしましたが帰り道が分かりません。
不安になった二人が振り返ると、後ろに立派な一軒の西洋造りの家がありました。
そこには「西洋料理店 山猫軒」という札が出ており玄関の戸には「どなたもどうかお入りください。
決してご遠慮はありません」と書いてありました。
ただでご馳走になれると、二人はひどく喜び、戸を押して中に入ることにしました。
【承】注文の多い料理店 のあらすじ②
戸の裏側には「ことに肥ったお方や若いお方は、大歓迎いたします」と書いてありましたのであてはまる二人はもう大喜びです。
廊下を進みますと、水色の扉があり表には「当軒は注文の多い料理店ですから、どうかそこはご承知ください」裏には「注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々こらえてください」と書いてありました。
二人は「どうしてこんなに扉が多いのだろう」「一体どういうことなのだろう」といぶかしみますが「きっと寒さ対策のためだ」「流行っている店なのかもしれない」「注文が多くて支度に手間取るけどすみませんということだろう」と良いように解釈して進んでいきます。
次の扉には「ここで髪を整え、履物の泥を落としてください」と書いてあったので二人は、偉い人が良く来る店だから作法が厳しいのだろうと考え置いてあったブラシと鏡を使い、身なりを整えました。
ところがそのブラシは使い終わると、ぼうっと消えてしまいました。
【転】注文の多い料理店 のあらすじ③
二人は驚き、不安になってきました。
扉の裏には「鉄砲と弾丸を置いてください」と次の扉には「帽子とコートと靴をお取りください」と書いてあります。
銃を持って食事をするのはおかしいよな、よほど偉い人が来ている店なんだなと二人は話し合い、それぞれの指示に従いながら進んでいきます。
次の注文は「カフスボタン・眼鏡などの金属類・尖ったものは置いて下さい」と書いてありました。
料理に電気を使うから危ないのだろうと納得し眼鏡やカフスボタンを外し金庫の中にしまいます。
次の扉には「クリームを塗って下さい」と書かれてあります。
その牛乳のクリームを塗りたくり、扉を開けると裏側には「耳にも良く塗りましたか?」と注意書きがありましたので慌てて耳にも塗りました。
次の扉には「料理はもうすぐできます。
香水を振りかけて下さい」と書いてありました。
酢のようなにおいがする香水でしたが誰かが間違えたのだろうと頭に振りかけ、進みました。
【結】注文の多い料理店 のあらすじ④
扉の裏に「塩をもみ込んで下さい」と書いてあるのを読むと二人はぎょっとしました。
来た人を料理にして食べてやる家ということなんだ…奥の扉には「中へお入りください」と書いてあり鍵穴から青い眼玉が覗いています。
二人はついに泣き出しました。
すると中から声がしました。
「だめだ、気づいた」「書き方が悪いんだ」「来なかったらぼくたちの責任だ」「あとはあなた方を盛りつけるだけです」「サラダが嫌いなら、フライにしてあげましょうか」二人は恐怖で、顔が紙くずのようにくしゃくしゃになりました。
「泣いたらクリームが流れるじゃありませんか」「親方が舌なめずりをして待ってますよ」その時、二匹の犬が扉を突き破ってきました。
次の扉を開け、真っ暗な部屋の中に犬どもが飛び込むと「にゃあお」という声がしたのち、家が消え去りました。
猟師も来て、安心した二人でしたが東京に帰ってもお湯に入っても紙くずのような顔は元に戻りませんでした。
注文の多い料理店 を読んだ読書感想
「注文の多い料理店」は、宮沢賢治の代表作の一つです。
東京からやってきた、いけ好かない若者二人が山奥でちょっと怖い体験をするお話ですが怪しげな注文がテンポ良く繰り出されるため、最後まで楽しみながら読むことができます。
都会で培ったちっぽけなプライドなど、自然の中では何の役にも立ちません。
人智を超えたものへの敬意を決して忘れてはならない、という作者の思いが込められているようにも感じる物語です。
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