童話「きつねとつる」のあらすじと結末を全編解説

きつねとつる

【ネタバレ有り】きつねとつる のあらすじを起承転結で紹介

ごんぎつねの主要登場人物

きつねくん
つるくんと仲良し。つるくんにスープを作る。

つるくん
きつねくんと仲良し。きつねくんにお肉を焼く。

きつねとつる の簡単なあらすじ

仲良しの友達、きつねくんとつるくん。お互いの家に招待し手料理を振る舞いますが、ちょっと困ったことに。お互いの違いに気付けるでしょうか?

きつねとつる の起承転結

【起】きつねとつる のあらすじ①

「スープはいかが?」

昔あるところに、きつねくんとつるくんがいました。

二人は仲良しの友達でした。

ある日、きつねくんは、つるくんを家に招待しました。

「スープはいかが?」きつねくんがたずねると、つるくんは「いただくよ、ありがとう。」

と言いました。

きつねくんは出来たてのスープを平なお皿によそい、「さあ、どうぞ」と差し出しました。

しかし、つるくんは平なお皿からスープを飲む事が出来ません。

くちばしがつかえて、口元までスープを運べなかったのです。

スープを残して味の感想を言わずに帰ったつるくんを、きつねくんは不思議に思いました。

「つるくんは、ぼくのスープが嫌いだったのかなぁ?」

【承】きつねとつる のあらすじ②

「お肉はいかが?」

何日か経ったある日、今度ははつるくんがきつねくんを自宅に招きました。

「お肉はいかが?」つるくんがたずねると、きつねくんは「いただくよ、ありがとう。」

と言いました。

つるくんは、焼き立てのお肉を長いツボに入れて、「さぁ、どうぞ」と差し出しました。

しかし、きつねくんは長いツボからお肉を食べる事が出来ません。

口がツボの中のお肉に届かなかったのです。

きつねくんはつるくんの焼いたお肉を一口も食べることが出来ずに家に帰りました。

【転】きつねとつる のあらすじ③

分かったぞ!

二人はお互いに、相手の作った料理を食べる事が出来ませんでした。

なぜでしょう。

きつねくんは考えました。

「分かったぞ!ぼくはスープを平なお皿で出したけど、くちばしの長いつるくんは、長いツボでないと口までスープが届かなかったんだ。」

きつねくんは、何も言わずに帰って行ったつるくんの事を思い出しました。

自分もつるくんの用意してくれた長いツボでは、口が届かずお肉を食べる事が出来なかったからです。

きつねくんは、もう一度つるくんに自分の作ったスープを飲んで欲しいと思いました。

【結】きつねとつる のあらすじ④

もう一度、「スープはいかが?」

きつねくんはもう一度スープを作って、つるくんを家に招待しました。

「スープはいかが?」きつねくんは、つるくんにたずねました。

つるくんは、「ありがとう。」

と言いました。

今度は、きつねくんはつるくんに合わせて長いツボにスープをよそいました。

「わぁ!君の作ったスープは美味しいね。」

つるくんは喜びました。

きつねくんは、つるくんにスープを飲んでもらえて嬉しく思いました。

「僕も君が焼いてくれたお肉が食べたかったな。」

きつねくんが言うと、つるくんは「今度は平なお皿にのせるね。」

と言いました。

二人は互いの違いに気付き、相手の事を思いやれるようになりました。

そして以前よりももっと仲良しになりました。

きつねとつる を読んだ読書感想

きつねくんとつるくん。

二人は仲良しですが、全然違う容姿をしています。

「自分にとっては当たり前の事が、相手によっては困難な事もある」そのような事態は、大人になれば容易に想像できることかもしれません。

それは、受験や就職などいくつもの競争を潜り抜けて、自然に人と自分を比べる経験を積んだからかもしれません。

子ども達はどうなのでしょう。

どの子も自分に自信を持って、生き生きとしている時代があるように思います。

優劣でなく個性としての違い。

この「きつねとつる」では、そのような違いを学び、相手をおもいやる大切さが描かれているように思います。

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