「猫物語 黒」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|西尾維新

「猫物語 黒」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|西尾維新

【ネタバレ有り】猫物語 黒 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:西尾維新 2010年7月に講談社から出版

猫物語 黒の主要登場人物

阿良々木暦(あららぎこよみ)
本作の主人公。翼に恋心を抱き彼女を救おうとする

羽川翼(はねかわつばさ)
本作のヒロイン。障り猫に魅入られてしまう

忍野メメ(おしのめめ)
怪異の専門家。暦に協力する

忍野忍(おしのしのぶ)
吸血鬼の搾りかす。暦とは眷属関係

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猫物語 黒 の簡単なあらすじ

かくも恐ろしい春休みの事件を乗り越えた阿良々木暦は、唯一の友人である羽川翼の存在が異性として気になりだす。だが突如として、翼の中に怪異が目覚める。それには羽川家の複雑な家庭事情も相まっており、暦は2つの意味で彼女を助けるべく行動に出るのであった。

猫物語 黒 の起承転結

【起】猫物語 黒 のあらすじ①

異形の少女

春休みの事件から1ヶ月以上が経過し、ゴールデンウイーク初日の昼下がりを過ごしていた阿良々木暦だが、事件以来羽川翼の事が気になって仕方なくなっていました。

そのことについて、小さい方の妹阿良々木月火に相談を持ち掛けます。

あたかも自分の事ではないと念を押して話す暦でしたが、暦に友達がいない事を知っていた月火は、この相談は暦自身のものだと分かり、親身に話しを聞きます。

「ずばりそれは恋だよ」と言う月火に対して、恋愛経験の少ない暦は屁理屈を言い、これが恋だと認識できません。

同じことを大きい方の妹、阿良々木火憐にも相談しますが同じような事を言われます。

釈然としない暦は、翼とあいこの気持ちを確かめるべく「スカートをめくらせてくれ」と珍妙な事を言いますが、翼に諭されやめます。

いつものように気丈に振舞う翼でしたが、不意に家族の話になるとバツが悪そうにします。

誰にも話さない事を条件に、彼女の家族関係について語る翼でしたが、それを聞いた暦は言い知れぬ恐怖を感じました。

翼と現在の彼女の両親は血がつながっていません。

翼も気を使い家族3人仲良くしようと努めますが、彼女の笑顔を気味悪がった父親は翼に暴力をふるいます。

そんな両親さえも庇ってしまう翼に対して、暦は「友人として気味が悪い、完璧な少女だからこそ何かが欠けている」と感じました。

その後、ひとまず吸血鬼の力を使って彼女の傷を治し別れる暦でしたが、釈然とせず彼女の為に出来る事を考えていました。

【承】猫物語 黒 のあらすじ②

怪異の正体

その後、吸血鬼の搾りかすとなった忍野忍に合う為に暦は学習塾跡に向かいました。

そこには相も変わらず憮然とした表情で座り込んでいる忍がいました。

暦は忍野メメへの差し入れと称してドーナツを持ってきていたのですが、忍が思いのほかドーナツに食いつきその姿を見た暦は、「なんだか吸血鬼の威厳がまるでないな」と軽くショックを受けました。

そこにメメが現れ、なんと彼の方から翼の身を案じる言葉が発せられました。

どうやら翼は死んだ猫を埋葬しており、その際に「障り猫」に取りつかれた可能性を示唆します。

それを確認すべく、再び彼女の元を訪ねる暦でしたが時すでに遅く、ストレスが爆発した翼の体には障り猫が発症しており両親に手を掛けていました。

何とか翼の両親は救う事が出来た暦でしたが、ブラック羽川(障り猫)の期限を損ねてしまい片腕を切り落とされてしまいます。

命からがら逃げてきた暦は学習塾跡で忍の力を借り回復に努めました。

目が覚めた暦は、メメから「エナジードレイン」を使う彼女との相性は最悪だと聞き頭を悩ませます。

【転】猫物語 黒 のあらすじ③

誤算

その後、こっそりと羽川の住む家に侵入する暦でしたが、違和感を感じました。

全ての部屋を確認し終えると、なんと彼女の部屋が存在していません。

その事実に気持ち悪さと同時に恐ろしさを感じた暦は何もできずに帰ってしまいます。

家に帰った暦でしたが、月火にもたれかかる位にまいっていました。

どうやらファイヤーシスターズの耳にも、ブラック羽川の噂は届いていたらしく心配する彼女たちでしたが、暦は妹たちを巻き込まない様計らいます。

そんな最中、メメはブラック羽川と戦っていたようですが、なんと20戦全敗でした。

ボロボロにされたメメは、通常の障り猫ならここまで手こずらないと言います。

「彼女は何でもしっている」彼女の賢さが仇となって障り猫の力を強めているのだといいます。

メメ曰く「ストレスが全部なくなれば消えてなくなるだろう」という事ですが、夜な夜な下着姿でストレス解消をしている彼女を止めないわけにはいきません。

そこで暦は、忍に助けを求めます。

彼女は体内から長刀を取りだし暦に託します。

同時刻、翼の家庭環境を調査していたメメは、父親が翼を殴った真相を突き止め改めて、翼の異形さを語ります。

親友を悪く言われた暦は「僕はただ下着姿の彼女に欲情しているだけだ」といい彼女を救うべく奮起します。

【結】猫物語 黒 のあらすじ④

初恋の終わり

忍から受け取った刀は怪異のみを切ることが出来る刀であり、上手くいけば翼と障り猫を分離できると踏んだ暦は嘘のメールを翼の携帯に送り呼び出します。

しかし、そこに現れたのは翼でした。

どうやら怪異の力を使って暴れていたのは障り猫の意思ではなく翼自身の意思で行っていたようです。

怪異すらも利用してしまう翼の異形さを再認識する暦でしたが「それがお前なんだよ、羽川」と説得します。

暦の言葉に反発する翼は、暦が自分の思い通りの姿になってくれない事に失望しついには襲い掛かります。

暦は真っ二つにされ勝負は決したに見えましたが、翼も苦しんでいます。

実は暦は、忍からもらった刀を体内に仕込んでおり、襲われることを見越していたのです。

しかし、障り猫と同化し過ぎた翼は、分離できずに苦しみます。

自分の判断が間違っていたと後悔する暦でしたが体が動かず意識も遠のいていきます。

そこに暦を罵倒する声と共に忍が現れます。

彼女は自分の血を暦に分け与え彼を助け、見本を見せるかとごとく障り猫に襲い掛かり退治に成功しました。

事件も解決し、「委員長ちゃんと結婚すればよかったじゃない」というメメに対して暦は「僕は彼女に恋してはいないよ」と言い放ち暦の初恋の様なものは彼の心の中にしまっておきました。

猫物語 黒 を読んだ読書感想

これまでのストーリーでは決して語られることのなかった羽川翼の闇の部分に焦点を当てた作品となっており、完璧な人間など存在しない・完璧だからこそ何かが欠けているのだと感じました。

人前では決してわがままを言わずに自分を押し殺してきた彼女の積もり積もったストレスが今回の事件の原因だと感じ、いい子ちゃんではいつか決壊してしまうのだと思いました。

本当は暦も翼もお互いの事が好きで両思いだったはずなのに、なぜか意地になってしまい結局つきあわなかったとう決断を見て、ひたぎではなく翼と付き合っていたなら暦は今後どうなっていたのかと、気になりました。

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