「鬼物語」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|西尾維新

「鬼物語」

【ネタバレ有り】鬼物語 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:西尾維新 2011年9月に講談社から出版

鬼物語の主要登場人物

阿良々木暦(あららぎこよみ)
本作の主人公。「くらやみ」から真宵を守ろうとする。

八九寺真宵(はちくじまよい)
本作のヒロイン。成仏していなかったことを理由に狙われる。

忍野忍(おしのしのぶ)
吸血鬼。過去に「くらやみ」と対峙したことがある。

臥円伊豆湖(がえんいずこ)
専門的の元締めでなんでも知ってるお姉さん。

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鬼物語 の簡単なあらすじ

一夏の大冒険を終えた阿良々木暦は、学校をさぼり蝸牛の少女、八九寺真宵と戯れていた。そんな2人の前に、突如として「くらやみ」が現れる。襲い掛かってくる謎の「くらやみ」から逃れるもその正体は不明のまま。「くらやみ」が現れて目的とは!?

鬼物語 の起承転結

【起】鬼物語 のあらすじ①

「くらやみ」

過去から戻ってきたばかりの暦は、宿題を終えてない事もあり始業式をサボりました。

家に帰る道中、真宵と出会い以前彼女が阿良々木家に遊びに来た際リュックサックを忘れていった事を思い出し、一緒に家へと向かいます。

そして昼食を取る算段を取っていたところに、どこからともなく真っ黒い物が現れました。

なんと呼んでいいのか分からないが、そこには「くらやみ」と言えるものがありました。

直感的にヤバいと感じた暦は、真宵を自転車の後部に乗せ全速力で逃げ出します。

逃げてる最中、「くらやみ」に襲われはだけてしまった真宵の姿は、まるで暦に乱暴されたと見紛おうばかりで、別の意味でもヤバいと焦る暦でしたが、いよいよもって「くらやみ」に先回りされ絶体絶命となります。

そこに突如として、余接が現れ彼女の「例外の方が多い規則(アンミリテッド・ルールブック)」を使って戦線を離脱し学習塾跡に移動しました。

吸血鬼化した暦はともかく、一介の少女である真宵は、その衝撃に耐えきれず気を失ってしまいます。

【承】鬼物語 のあらすじ②

忍の過去

辛くも逃げ切った暦は、真宵が気絶をしている事をいいことに襲おうとします。

さすがに看過できなかった忍が影の中から出てきて、吸血鬼パンチを見舞い事なきを得ます。

そして忍は今まで決して口に出さなかった過去の事、初代の眷属、ひいては「くらやみ」の存在について語りだしました。

400年前、忍のちょっとした遊び心が、日照りに悩む村を助けた一件から神として崇められます。

そこで怪異の退治を生業としていた、男と出会います。

人間の名前など毛ほどにも思っていなかった忍は彼の名前を覚えていなかった為、便宜上「初代怪異殺し」と呼ぶことにします。

本来、忍が一か所にとどまってしまうと「よくない物」が集まってくるはずなのですが、今回は集まらず、代わりに村人たちが消えていきました。

とうとう、忍と怪異殺しの2人だけとなったところに「くらやみ」が現れました。

完全に油断していた忍は体の1/4を奪われ、怪異殺しは手首だけを残して呑み込まれます。

全力を使い、何とか逃げた忍は自身の吸血鬼の力を用いて彼を自分の眷属とします。

しかし、吸血鬼として生きていく事を受け入れられなかった彼は太陽の日差しの下に身を投げ自殺しました。

自分の知らない忍の過去を知った暦は、何とも言い難い気持ちに襲われました。

【転】鬼物語 のあらすじ③

「くらやみ」の狙い

忍の話も終り、所用から余接も戻ると、真宵が目を覚まします。

するとすぐさま、「くらやみ」が現れます。

とっさの判断を下した一行は、余接に抱き着き離脱を図ろうとします。

こんな時ですら冗談を挟んでくる余接でしたが、暦に急かされアンミリテッド・ルールブックを使います。

かくして、逃げ切った先は人知れぬ山中でした。

さらに悪い事に、離脱の衝撃で忍と暦のペアリングが切れてしましいます。

ひとまず、山を下り町へ向かう事を決めた一行ですが、真宵の様子がどうもおかしいのです。

暦が冗談を言い、いつもの様な返答が帰ってくると期待していましたが、どうも歯切れが悪く感じます。

そして疲れて眠ってしまった真宵を背負いながら下っているとようやく民家が見えてきました。

そこで休ませてもらおうと中に入るとそこには、専門的の元締め臥円伊豆湖がいました。

何でも知ってるお姉さんである臥円は、全ての真相を語ります。

「『くらやみ』が今回狙っているのは、そこで寝ているお嬢ちゃんだよ。

つまり八九寺真宵さ」と言います。

【結】鬼物語 のあらすじ④

別れ

今思えば、「くらやみ」は明らかに真宵を狙っており標的が彼女なのは明白でしたが、それでも暦はあっけにとられます。

「『くらやみ』は怪異の道を外れた怪異を狙いこの世から排除する事を目的としているんだよ。

かつて忍ちゃんが襲われたのも神様を演じてしまったから。

自身が吸血鬼であると名乗らなかったから。

誤りを訂正しないのは認めてるのと同じことだよ」と臥円は言います。

しかし暦は真宵の「偽り」が何なのか分かりません。

そんな暦達に対して臥円は「本当はもうとっくの昔に成仏してるんだろう?」と言います。

迷い牛の一件で成仏していたはずの彼女が生きている、そんな状況を「くらやみ」が許すはずもないのです。

倒す倒さないといった次元の話ではないにも関わらず、暦は諦めきれませんでした。

しかし真宵は成仏する決心をし、思いの丈を伝えます。

「死んでしまった事、幽霊になってしまった事は不幸せです。

だけど阿良々木さん、あなたと出会えたことは幸せでしたよ。」

と伝えます。

そして、「最後にあれやりましょ、いつものやつ。

噛みましたから始まる一連の流れを」といい、振り返った暦に対しキスをします。

「失礼噛みました」と大粒の涙を流しながら言い最後に「大好きでしたよ阿良々木さん」といって成仏していきました。

鬼物語 を読んだ読書感想

ただ阿良々木さんと一緒に話していたい、別れたくない、その為だけに現世にとどまった真宵の思いが語られ、ラストのシーンは思わず泣かされてしまいました。

心のどこかでは無理な事だと分かっていても、何とかして真宵を助けたいと思う暦と、成仏を受け入れる真宵との会話には切なさを感じ仕方のない事とはいえやるせなさを感じさせられました。

また、今まで語られることのなかった、というよりかは忍が語ろうとしてこなかった彼女の過去についてもようやく少し触れられており、物語も終盤へと向かう事が予測されました。

忍が語らなかった理由が、暦に嫉妬させたくないからと可愛い一面も見られました。

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