【ネタバレ有り】イワンのおばけたいじ のあらすじを起承転結で紹介
イワンのおばけたいじの主要登場人物
イワン
本作の主人公。元気な若者。ぞうっとするということがどんなことなのかを知りたい。
兄さん
イワンの兄さん。怖がり屋。
お坊さん
イワンをぞうっとさせようと試みるが失敗する。
お姫様
イワンと結婚するが、イワンが毎日ぞうっとしたいと言っていることに腹を立てる。
イワンのおばけたいじ の簡単なあらすじ
イワンは、こわがりな兄さんがぞうっとすると言うのを聞いて、自分もぞうっとしてみたいと考えました。しかし、化け物が襲ってきても、ぞうっとするどころか化け物を退治してしまいました。イワンは化け物を退治したことで認められ、お姫様と結婚します。それでも毎日ぞうっとしたいと言っているイワンを怒って、お姫様は池の水をかけます。イワンの背中にどじょうが入って、ぞうっとするということが初めてわかりました。
イワンのおばけたいじ の起承転結
【起】イワンのおばけたいじ のあらすじ①
イワンは元気な若者です。
ある晩、兄さんと墓場のそばを通りました。
兄さんは怖がり屋です。
あたりを見て、「ああ、ぞうっとする、ぞうっとする。」
と首をちぢめました。
鳥がぎゃあっと鳴きました。
兄さんは「それ、おばけが出た!にげろ!」と言うと夢中でかけだしました。
「ああ、ぞうっとする、ぞうっとする。」
それを聞いて、イワンは首をかしげました。
「ぞうっとするって、どんなことなんだろう。
僕もぞうっとしたいものだ。」
【承】イワンのおばけたいじ のあらすじ②
あくる日、イワンはお坊さんに尋ねました。
「ぞうっとするって、どんなことですか。」
「えっ?ぞうっとすることかい?よしよし、私が教えてあげよう。
お寺へおいで。
夜中に鐘をつくんだよ。
きっとぞうっとすることが覚えられるよ。」
イワンはお寺に行きました。
そして、お坊さんの言う通り、真夜中に鐘を鳴らしに鐘つき堂へのぼりました。
お坊さんはこっそり先にのぼって待っていました。
イワンが鐘をつこうとすると、後ろに白いものがぼうっと立ちました。
「なんだい?おまえは誰だい?」白いものは何も答えません。
ただ、ふわふわと動くだけ。
「じゃまだよ。
下へおりてくれ。」
イワンが強く押したものだから、白いものはよろけて、階段をまっさかさまに落ちました。
あくる朝、イワンは階段の下でウンウンうなっている白いものに気が付きました。
それは白い布を被ったお坊さんでした。
「ねえ、お坊さん。
僕に早くぞうっとすることを教えてくださいよ。」
「おまえは、とんでもないやつだ。」
と若いお坊さんがイワンをしかりつけました。
「あの方はえらい坊さまなのだ。
せっかくおまえをこわがらせようとなさったのに、突き落とすとはなにごとだ。
とっとと出ていけ!」イワンは追い出されて、あてもなく旅に出ました。
イワンは歩きながら、「ああ、ぞうっとしたい。
ぞうっとしたい。」
と独り言。
すると、それを聞いた人が教えてくれました。
「あの古いお城に行ってごらん。
きっとぞうっとするよ。」
【転】イワンのおばけたいじ のあらすじ③
イワンはお城へ行きました。
「ああ、ぞうっとしたい。
ぞうっとしたい。」
と独り言を言っていると、真夜中にギャーオと、ものすごい声がして、とてつもなく大きな黒猫が襲いかかってきました。
イワンは黒猫の手をつかむと「おや、おまえの爪は長いぞ。
切ってやろう。」
黒猫は爪をすっかり切られて、こそこそと暗闇に消えました。
次の晩、「ああ、ぞうっとしたい。
ぞうっとしたい。」
とイワンが独り言を言っていると、今度は骸骨が現れました。
「これはまた身軽なやつが来たもんだ。
退屈しているからボクシングでもやらないかい。」
イワンが一発パンチを打ったら、骸骨は崩れてばらばら。
続いて、見上げるほどのこわい大男が現れました。
長いひげを生やしています。
イワンは面白がって、ひげをつかんで走り回りました。
「ひゃあ、これはかなわん。
降参だ。
俺たちは化け物なんだ。
この城から出ていくから許してくれ。」
【結】イワンのおばけたいじ のあらすじ④
古い城の化け物がいなくなったので、その国の王様は大変喜びました。
「イワンお前の勇気に感心したぞ。
ぜひ、姫の婿になってくれ。」
イワンはお姫様と結婚して若い王様になりました。
それでもイワンは相変わらず「ああ、ぞうっとしたい。
ぞうっとしたい。」
と独り言。
ある晩、お姫様はとうとう腹を立て、池の水を汲んできて、イワンの頭からザブン。
水の中にはドジョウも入っていたものだから、イワンはびしょぬれ、背中やお腹にドジョウが飛び込んでピチピチ。
イワンはびっくり。
「ひゃあ、つめたい!ぞうっとする。
ぞうっとする。
いやぁ、これがぞうっとするということか。
今やっとわかったよ。」
と言いました。
イワンのおばけたいじ を読んだ読書感想
グリム童話のイワンのおばけたいじという話です。
あまり有名ではないかもしれませんが、小さい頃に読んで心に残っている作品です。
怖がることを知るために旅に出たイワンが、どんなに怖い目にあっても、まったくぞうっとすることができないのに、最終的には思わぬところでぞうっとするということが分かったというところが、意外で面白い話だと思います。
コメント