童話「鳥」のあらすじと結末を全編解説

童話「鳥」 かもめ ひみつ

【ネタバレ有り】鳥 のあらすじを起承転結で紹介

安房直子 著 教科書掲載

さるのキモの主要登場人物

耳のお医者さん(みみのおいしゃさん)
とても腕のいいお医者さん。小さな診療所を開いており、待合室はいつも満員。毎日忙しいので少し疲れ気味。

少女(しょうじょ)
耳のお医者さんを訪ねてきた少女。大好きな人の「ひみつ」を知ってしまい、それを取り除いてほしいとお医者さんにお願いする。一人ぼっちで貸しボート小屋で働いている。

少年(しょうねん)
少女が大好きな人。不思議な灰色の目を持つ少年で、浜の貧しい小屋に住む海女の息子だという。

海女
歳をとった海女。海に潜るのをやめて貝や魚を売りさばいている。魔法が使える。

鳥 の簡単なあらすじ

耳のお医者さんのところに、少女が訪ねてきて、自分の大好きな人がカモメであるという「ひみつ」を耳から取り出してほしいと言う。日没までにそれができないとその人はカモメに戻ってしまうのだ。しかし耳のお医者さんはその「ひみつ」を取り出せず、少女は諦めて帰ってしまう。お医者さんは少女が座っていたイスに羽が落ちているのをみて、少女も本当はカモメだということに気が付き、その「ひみつ」を少女に伝えようと走り出す。

鳥 の起承転結

【起】鳥 のあらすじ①

 

「ひみつ」を取り出してほしい少女

ある町に耳のお医者さんがいました。

そのお医者さんはとても腕がいいと評判でした。

遠くからもかかりに来る人がいて、小さな診療所の待合室は毎日いっぱいになりました。

そのためいつも忙しく、最近は疲れ気味でした。

ある日仕事が一段落したときに、少女が急ぎで耳を見てほしいと言って訪ねてきました。

話を聞くと、少女は耳の中に「ひみつ」が入ってしまったので取り出してほしいと言うのです。

不思議に思ったお医者さんは詳しく話を聞くことにしました。

【承】鳥 のあらすじ②

 

少女と少年の出会い

ひとりぼっちの少女はボート小屋で働いて生活していました。

少女はある日不思議な灰色の目をした少年と出会います。

少年と少女は次第に仲良くなりました。

少年はボートに乗って遠くに行きたいと思っていますが、母親である年老いた海女がそれを許してくれません。

母親は魔法を使う恐ろしい人なのです。

少年はある日、母親にばれないようにして遠くに逃げようと少女と約束します。

明日の夕方に、岩陰に隠したボートで逃げようというのです。

【転】鳥 のあらすじ③

 

少年の「ひみつ」

次の日の夕方、約束の場所に行くと、そこには少年ではなく海女がいました。

海女は少女に少年の「ひみつ」を話し始めました。

実は、少年は人ではなくカモメだったのです。

海女がカモメに魔法をかけて、自分の息子にしてしまったのです。

そしてこの「ひみつ」を誰か一人でも知ってしまったら、その日の日没に魔法が解けて少年はカモメに戻ってしまうというのです。

海女は少年が少女とどこかに逃げるくらいならカモメに戻して海に追い払ってやるほうがいいと考えたのでした。

【結】鳥 のあらすじ④

 

少女の「ひみつ」

少女の話を聞いた耳のお医者さんは、少女の願いを叶えてやりたくて、耳の中をのぞきました。

するとそこに「ひみつ」の姿を見つけます。

それを捕まえようとしますが、お医者さんは日々の疲れのせいもあり、「ひみつ」に逃げられてしまいます。

お医者さんが少女にそのことを話すと、少女は諦めて帰っていきました。

お医者さんが少女のいたイスを見るとそこには羽が落ちていました。

その時、お医者さんは少女も海女の魔法にかかったカモメであることを悟りました。

そしてその「ひみつ」を少女に教えるために走り出しました。

鳥 を読んだ読書感想

私は安房直子の作品が大好きです。

安房直子は幻想的な作風で知られており、この「鳥」にもそれが顕著に現れています。

とても幻想的で優しい文章は読んでいると、いつの間にか夢の中に入ってしまったような錯覚を起こします。

お医者さんが少女の耳から「ひみつ」を取り出そうとする描写が特に幻想的で、うっとりします。

ぜひいろいろな方に読んでほしいと思う作品です。

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