【ネタバレ有り】姥捨山 のあらすじを起承転結で紹介
ごんぎつねの主要登場人物
お百姓(おひゃくしょう)
信濃国の更科でお母さんと二人で暮らしている、心優しいお百姓。
お母さん(おかあさん)
お百姓のお母さん。知恵があり、難題を次々と解決していく。
殿様(とのさま)
信濃国の殿様。お年寄りが大嫌い。
お隣の国の使い(おとなりのくにのつかい)
信濃国の隣にある国の使い。殿様に無理難題を持ってくる。
姥捨山 の簡単なあらすじ
七十になったお年寄りを姥捨山に捨てるようお触れが出ていた頃の、信濃国。その頃信濃国を滅ぼさんと隣の国が信濃国の殿様に無理難題を持ってくる。お触れに逆らったお百姓のお母さんが、無理難題を次々と解決する。
姥捨山 の起承転結
【起】姥捨山 のあらすじ①
昔々、信濃国の殿様はお年寄りが大嫌いで、信濃国では七十才になったお年寄りを姥捨山に捨てるよう、お触れを出していました。
そして、信濃国の更科という所に住む、お母さんと二人で暮らしていたお百姓も、七十才になったお母さんを背負って姥捨山に捨てに行っていました。
背負われたお母さんは、道端の木の枝を折っては道に捨てていて、お百姓が理由を聞いても黙って笑っていました。
そして奥の奥の奥山に着いてお母さんを下ろしたところ、お母さんは『道に迷わないよう、木の枝を折っておきました。
さあ、早く帰って体を大事にして働いてください。
』と言ったのです。
お百姓は『捨てられるとわかっていてこんなに優しくしてくれるとは。
お母さんを捨てるのはしのびない。
』と思い、再びお母さんを背負い山から下りていきました。
お百姓は信濃国の役人から隠すため、お母さんを床の下に掘った穴蔵にかくまう事にしました。
【承】姥捨山 のあらすじ②
それからしばらくして、信濃国の殿様の元にお隣の国の殿様から手紙が来ました。
手紙には『灰で縄をこしらえて見せよ。
それができなければ信濃国を攻めほろぼそう。
』とありました。
お隣の国はたいそう戦に強く、殿様は困り果てて、家来を集めたもの誰も灰の縄をこしらえられません。
国中に『灰の縄をこしらえた者には、たくさんの褒美をやる。
』とお触れを出しました。
それを聞いたお百姓は、お母さんに聞いてみました。
するとお母さんは笑って『そんなこと、わけないよ。
縄によく塩をぬりつけて焼けば、くずれないものだよ。
』と答えました。
お百姓は早速言われた通りにして、灰の縄をこしらえて、殿様の元へ持っていきました。
殿様はたいそうおどろき、褒美の金をたんとくれました。
とても出来ないと思っていたお隣の国の使いは、灰の縄を出されて、あわてて逃げていきました。
【転】姥捨山 のあらすじ③
しばらくして、またお隣の国の殿様から、とお隣の国の使いが信濃国の殿様へ、ひとつの石を持って来ました。
一緒にそえてあった手紙を読むと『この石に糸を通して見せよ。
それができなければ信濃国を攻めほろぼそう。
』と書いてありました。
石には小さな穴が曲がりくねってあいていましたが、殿様にも家来にも、糸を通すことは出来ませんでした。
再び国中に『曲がりくねった穴のあいた石に糸を通した者には、たくさんの褒美をやる。
』とお触れを出しました。
それを聞いたお百姓は再びお母さんに聞いてみました。
お母さんは笑って『そんなこと、わけないよ。
石の穴の片方に蜂蜜をぬっておいて、糸をゆわいつけた蟻をもう片方の穴から入れてやればいいんだよ。
』と言いました。
お百姓は殿様の元へ行き、お母さんに言われた通りにして、見事石の穴に糸を通して見せました。
お隣の国の使いは、糸の通った石を見ておどろき、あわてて逃げていきました。
【結】姥捨山 のあらすじ④
殿様は、二度も無理難題を解決して見せたお百姓の知恵に心から驚きました。
そして『お前は国一番の知恵者だ。
何でも望みのものをやろう。
』とお百姓に言いました。
しかし、お百姓は『殿様、わたくしはお金も物もいりません。
その代わり、どうか母の命をお助けください。
』と言って、これまでの難題は姥捨山に捨てるはずだったお母さんの知恵で出来たのだと残らず言いました。
殿様は感心して『二度の難題をしりぞけたのも、年寄りのお陰であった。
なるほど、年寄りというものもばかにならないものだ。
』と、お母さんを隠したお百姓を許し、これからは年寄りを姥捨山に捨てるのも、やめることにしました。
そのお触れが国中に出ると、民はとても喜びました。
お隣の国の殿様も、二度も無理難題を解かれてしまい、がっかりして信濃国を攻めるのはやめることにしました。
姥捨山 を読んだ読書感想
この話は幼い頃に読んで、難題を次々に解決するお母さんを見て爽快に思ったと同時に、お年寄りを大切にしようと思いました。
しかし、大人になってから読んでみると、『このお母さんのように、大切にされる年寄りになれるか』と自問自答をしてしまいます。
現代社会ではネットが発達して、様々な情報に触れられるようになりましたが、今も昔も『知恵』として活用する大切さを、改めて感じさせてくれます。
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