下巻 の簡単なあらすじ
突如として現れた謎の女により、暦の妹「月火」は木っ端みじんにされてしまう。それを目撃した暦は激高するがなぜか月火には傷一つついていない。妹である月火の正体とは、女たちの正体と目的はいかに!シスコンな暦が見せる本意とは
偽物語 下巻 の起承転結
【起】偽物語 下巻 のあらすじ①
前回の詐欺師の事件以降、阿良々木暦と大きい方の妹阿良々木火憐はちょっとだけ仲良くなっていました。
暦と神原駿河が仲がいいと聞きつけた火憐は、暦の部屋を訪れて、神原を紹介してほしいと頼み込みます。
あまり気のりしない暦は火憐に対して勝負を挑み見事に火憐が勝ったならば紹介すると約束します。
勝負の内容は暦が火憐の歯を磨きそれを5分間耐えるという物でした。
楽勝だという火憐でしたが、その歯磨きが思いのほか気持ち良かったようで喘ぎ声を漏らしてしまいます。
それに罪悪感を覚える暦でしたが、一度決めた勝負事なので続けます。
火憐の喘ぎも絶頂に至ろうとしたとき、小さい方の妹である阿良々木月火が現れ「なにして、おるんどす?」と京ことば且つ冷たい眼差しで見つめておりました。
それに驚いた2人を、千枚通しで刺そうとする月火でしたが必死の説得で事なきをえます。
勝負に水を差された二人は「どうする?」と言って、結局2回戦3回戦目に突入する、懲りない2人でした。
【承】偽物語 下巻 のあらすじ②
そんなこんなで結局、神原家に行くことになった暦と火憐は道中でもくだらないやり取りを繰り広げていました。
火憐がじゃんけんには必勝法があると言って、姑息な手を使って暦に勝とうとします。
ずるをしたことの罰として火憐は暦を肩車して神原家に向かう事になりました。
暦の股間が当たり気になるからといって「ちょん切ってもいいか」という火憐でしたが、抱えやすくするために自分のポニーテールを何のためらいもなく切ってしまいました。
あっけにとられる暦に対して、「にっしっし」と笑う火憐でした。
その道中、ポストの上に乗っている謎の女性と出会います。
影縫余弦と名乗る女は叡考塾の場所を訪ねてきました。
その場所を知らなかった暦は羽川翼に電話して聞くと、そこはいつもの学習塾跡でした。
それを伝えると余弦は礼をいい、塀の上を歩いていきました。
不審に思う暦とは裏腹に、彼女は強い、私の師匠でも勝てるか分からないとつぶやく火憐でした。
なんやかんやで神原家についた暦は、神原のセクハラまがいの発言もスルーし1人帰るのでした。
【転】偽物語 下巻 のあらすじ③
帰り道、八九寺真宵を見つけいつものセクハラまがいの挨拶をしようとしますが、影からでてきた忍野忍に止められます。
不満げにしながら歩いていると、ドールの様な衣装をまとった少女に道を聞かれます。
彼女は斧乃木余接といい、先程の女性同様に叡考塾の居場所を聞いてきました。
彼女の連れだと思った暦は快く場所を教え帰路につきました。
家に帰ると忍はドーナツ百円セールのチラシを見つけ暦にねだります。
仕方なくも、連れていく事にした暦ですが出かけ頭に月火にまた出ていくのかと話されると、ふと彼女が昔飛び降りた際に出来た傷がきれいさっぱり消えていることに気が付きます。
不思議に思いつつも自然と治るものかと納得させた暦は、ドーナツ屋に向かいます。
そこにはなんと、貝木がおり急遽3人でテーブルを囲むことになります。
暦は気になっていた余弦たちの話をすると、貝木とも面識がある様で、不死身の怪異ばかりを専門に退治する輩だと聞きました。
情報料として金を巻き上げられた暦がしぶしぶ家に帰ると、阿良々木家のインターホンを執拗に鳴らす、余接と余弦がいました。
近所迷惑ともいえるほどの連打っぷりに怒りを露わにした月火が怒鳴り込んできました。
彼女が出てくるや否や余接は門ごと月火を爆砕しました。
【結】偽物語 下巻 のあらすじ④
妹が殺されたと思った暦は激情し、余弦たちに襲い掛かります。
しかし、いとも簡単に組み伏せられ「よく見ろ」と言われ爆砕地をみると、衣服は破けているものの無傷な月火の姿が有りました。
余弦の話によると、月火は「しでの鳥」という不死身の怪異で彼女たちはそれを退治しに来たのです。
月火が本当の妹ではないと知った暦でしたが、そんなのは関係ない、月火ちゃんは僕の大事な妹だと言い放ち決着をつける事にしました。
その後、神原家から帰ってきた火憐は自宅のありさまに驚きます。
そんな火憐に暦は、「お前は僕たち兄弟の為に死ねるか?」と問いかけ、それに火憐は迷いなく「死ねるよ」と答えます。
それに対して「だよな」と答える暦は、門の見張りおよび月火の見張りを火憐に任せ、決戦の為に準備をします。
限界まで吸血鬼性を上げいざ、余弦たちと対峙します。
戦いは、暦vs余弦、忍vs余接となり、火ぶたが切られますが、暴力陰陽師も異名を持つ余弦に全く歯が立たず、フルボッコにされます。
反対に余接は忍にフルボッコにされ、勝者同士の戦闘が始まるりかけましたが、暦は諦めきれず自身の妹に対する思いを話をします。
それを受けて余弦は、かつて貝木が言った「偽物が本物になろうとする意志がある、本物より価値がある」という言葉の意味を理解し、お互い興がそがれ、和解する事になりました。
かくして妹を救う事に成功した暦でした。
偽物語 下巻 を読んだ読書感想
前作同様に兄妹愛が語られる作品で、前回よりも重い内容となっていました。
今まで一緒に暮らしてきた妹が実は不死身の怪異だったと聞かされれば普通は、動揺しすぐには決断できないと思うのですが、暦は違い、「偽物であることが悪というなら、それは僕が背負います。
偽ることが悪いことなら、僕は悪いやつでいいんです。
お兄ちゃん!あいつがそう読んでくれるなら、僕はそういう人間でいい…!」と即座に言えるほどシスコンで妹思いな主人公なのです。
そんな彼の考え方、生きざまは非常にかっこいいと思いました。
暦だけでなく、月火の為なら死ねると即座に行った火憐ともども、喧嘩はすれども本当にいい兄妹なのだなと感動しました。
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