【ネタバレ有り】偽物語 上下巻 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:西尾維新 2008年9月に講談社から出版
偽物語 の主要登場人物
阿良々木暦(あららぎこよみ)
本作の主人公。シスコンである。
阿良々木火憐(あららぎかれん)
暦の妹で、正義感にあふれている。
貝木泥舟(かいきでいしゅう)
詐欺師。過去にひたぎと因縁アリ。
戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはらひたぎ)
暦の彼女。
偽物語 上巻 の簡単なあらすじ
大学受験という目標が出来た暦は、受験勉強に明け暮れている。息抜きも兼ね神原駿河の家を片づけに行った帰り道、詐欺師と名乗る貝木と出会う。戦場ヶ原ひたぎや神原と縁のある貝木は、この町に噂を蔓延させるために来たようだ。彼の目的とは、肥田木との因縁とは?
偽物語 上巻 の起承転結
【起】偽物語 上巻 のあらすじ①
文化祭も終え、一層受験勉強に励む阿良々木暦は戦場ヶ原ひたぎと羽川翼に交互に勉強を見てもらっていました。
翼の急用の為、急遽暇になった暦は千石撫子の家に遊びに行くという約束を思い出しました。
電話を受けた撫子もそれを受諾し、遊ぶこととなりました。
撫子は暦にひそかに恋心を寄せており、それを意識した格好で出迎え、ツイスターゲームなどを提案し行うが、鈍感な暦は気が付きません。
そこに、撫子の両親が思いのほか早く帰ってきてしまったため暦はすぐさま追い返されます。
またしても手持無沙汰になってしまった暦は、後輩である神原駿河の部屋を掃除するという約束を思い出します。
連絡を取り彼女の家に向かっていると、大きい方の妹である阿良々木火憐ト度会いました。
暦は予てから思っていた、妹たちの活動「ファイヤーシスターズ」の活動についてやめる様に促しますが、火憐は耳を貸しません。
ひとまず折れた暦は、妹と別れ神原家へと向かうのでした。
【承】偽物語 上巻 のあらすじ②
いざ神原の部屋を見るとそこは、大量の本で溢れかえっていました。
ここまで酷いとは思っていなかった暦でしたが、渋々と片づけを行いそれは夜遅くまでかかりました。
夕飯を食べていくようにと勧める神原を尻目に、そこまでしてもらうわけにはいかないと言い最後の仕上げに掛かりました。
やっとのことで終え、帰ろうとすると玄関先に黒いコートを着た怪しげな男が立っていました。
彼は貝木と名乗り、「お前はこの家の関係者か」と尋ねますが、暦は「違う」といい自身も名乗ります。
どうやら貝木は暦の存在は知っていたらしく、知ったような素振りを見せました。
今日は帰ると言って去っていく貝木を見て、こっそりと後をつけようと目論見る暦でしたが、何か嫌な予感がして追いかけるのを諦めました。
そこにひたぎから電話がかかってきたのですが、サボっていたのではないかと疑うひたぎは暦に対して冷たい素振りを見せます。
必死に弁明する暦でしたが、最後に貝木と名乗る怪しげな男が神原の家の前にいたんだよと話すと、急に目の前が暗くなり意識を失ってしまいました。
【転】偽物語 上巻 のあらすじ③
目を覚ますと暦は手錠で繋がれ椅子に座らせられた状態で監禁されていました。
監禁した相手は、暦の彼女であるひたぎでした。
事情を説明するように求める暦に対してひたぎは、「彼は私の両親を離婚させ、あまつさえ私さえも騙そうとした非情な男。
彼は危険すぎるから、こうして監禁して守ることにしたのよ」と平然とした口調で言いました。
ひたぎの言わんとしている事は分かりましたが、それでも拘束を解くようにと告げる暦でした。
不意に携帯にメールが届いたため、ひたぎに確認させてくれと言いました。
これにはひたぎも応じ、メールの画面を見せると、暦は吸血鬼の力で拘束を破りました。
妹からの助けてほしいとのメールでした。
それでも引き留めるひたぎに対して暦は、「大事な家族の窮地に何もせずじっとしている男をすきになれるのか」といい、その言葉に「ヤダ、かっこいい」と惚れ直すひたぎでした。
かくしてひたぎの拘束から解放された暦は、急いで自宅へと戻り、火憐の様子を按じました。
【結】偽物語 上巻 のあらすじ④
自宅に帰ると、高熱にうなされる火憐とそれを看病する月火と翼の姿が有りました。
火憐は開口一番に「わたしは悪くねぇ」と言いますが状況が呑み込めません。
翼から、「実はこの町に悪い噂を流した詐欺師をとっちめるべく、私も力を貸したんだけど、火憐ちゃんが単独で貝木と接触しちゃって、、」との話を聞くことで理解しました。
監禁されていう事もあり、ひとまず風呂に入る事にした暦は、そこで忍野忍から話を聞き火憐の症状を和らげる方法を教えてもらいました。
キスをすることで症状を肩代わりできるらしく、二人きりの際にこっそりと行った。
翌日、ひたぎの家に行き貝木と決着をつけるべきだという結論に至った暦はひとまず家に帰ります。
そうすると月火が泣きながら、「火憐ちゃんがいなくなった」と叫びます。
どうやら肩代わりしたせいで、動けるようになってしまったようです。
後を追いかけ説得する暦でしたが応じてもらえず、結局は吸血鬼の力を借りて、戦う事で何とか納得してもらい、火憐は「あとは任せたお兄ちゃん」といい託すのでした。
いざ貝木と直面した暦とひたぎは彼にこの町から出ていくようにと言います。
それに対して、貝木は思いのほかにあっさりと引きさがりました。
その裏には、ひたぎの家族に関する真実が隠されていましたが、それについて、ひたぎが知ることはありませんでした。
偽物語 上巻 を読んだ読書感想
正しい物が正義なのかと考えさせられる作品でした。
物語冒頭でいきなり監禁されている暦でしたが、それがどういった理由からなのかを、くだらない日常シーンと共に描かれていました。
ひたぎと翼の力関係などもコミカルに描かれており、シリアスさの中にも笑いが有りました。
若さゆえに我武者羅に突っ込むファイヤーシスターズに対して、正しい事が正義と限らない、等と言った理想と現実の違いを言いながらも、妹たちの正しさも認めてあげる暦の兄貴っぷりに感動しました。
最初の印象では、貝木は悪い奴というイメージしかありませんでしたが、面に出さない一面もある実はいいやつなのだと分かりました。
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