【ネタバレ有り】電波女と青春男 2 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:入間人間 2009年5月にアスキーメディアワークスから出版
電波女と青春男 2の主要登場人物
丹羽真(にわまこと)
主人公。「青春ポイント」の獲得に命をかける高校生。
藤和エリオ(とうわえりお)
真の従兄弟。高校を辞めて現在は無職。
藤和女々(とうわめめ)
真の叔母。最近40歳になったばかり。
前川(まえかわ)
真の同級生。駄菓子屋でバイト中。
御船流子(みふねりゅうこ)
真の同級生。転校初日に真と仲良くなる。
電波女と青春男 2 の簡単なあらすじ
高校を中退してしばらくはぶらぶらとしていた藤和エリオでしたが、ある日突然に社会復帰を目指します。しかしながら過去に起こした数々の奇行が災いしてか、なかなかアルバイト先が見つかりません。青春ポイントにこだわる従兄弟に美魔女な母親、個性豊かなかつての同級生たち。周りの人たちに見守られながら、エリオは少しずつ変わっていくのでした。
電波女と青春男 2 の起承転結
【起】電波女と青春男 2 のあらすじ①
丹羽真は現在叔母の藤和女々の家に居候中でしたが、彼女が40歳の誕生日を迎えたためにプレゼントを探していました。
従姉妹のエリオに相談してみると女々の好物が団子や大福であることが分かり、近所の和菓子屋さん「火星儀」へ向かいます。
このお店でアルバイトをしているのは、真のクラスメートの前川です。
購入したみたらし団子を受け取る際に、前川から最近この近所で発生している動物の行方不明事件について聞かされます。
更には前川の勤務時間中に限って、和菓子屋のすぐそばの廃校からペットボトル型のロケットが打ち上げられているようです。
一方のエリオは同い年でありかつての同級生が、学園生活も放課後のバイトも謳歌する姿を目の当たりにして心変わりをしていきます。
最近では何社か面接に行ったようでしたが、布団を巻き付けて地元を走り回る姿が有名なためどこも雇ってくれません。
ようやく採用が決まったのは、女々のコネがあるという駄菓子屋「田村商店」です。
【承】電波女と青春男 2 のあらすじ②
店主の田村は女々とは随分と長い付き合いらしく、真の父親の名前まで知っていました。
町の動物誘拐事件にも興味津々で、「キャトルミューティレーション」などと言い出す少し電波なお婆さんです。
エリオが真面目に働いているか気になる真は、学校帰りに同じクラスの「リュウシ」こと御船流子と様子を見に行きます。
慣れないながらも必死に接客するエリオに対して、流子は打ち解ける気配を見せません。
学校を去った後も、エリオの悪評判は依然として残っているのでしょう。
金曜日の昼休みに真が前川を学食で食事をしていると、家まで遊びに来ると言い出しました。
その話を聞いた流子も半ば強引についてきて、急遽お泊り会が開かれることになります。
突如として前川がペットボトルでロケットを作り始めましたが、手伝うことになった他のメンバーもすっかり夢中です。
出来上がったロケットは明日の午前中に、以前に真がエリオと自転車ごと飛び込んだ海の近くの浜辺で飛ばすことになりました。
【転】電波女と青春男 2 のあらすじ③
「火星儀」でロケットを見た前川は、バイトが終わるとかつては農林系の専門学校だったという校内に忍び込みました。
牛舎に繋がれた牛ばかりでなく、先頃町で居なくなった野良犬や捨て猫まで走り回っています。
グラウンドのど真ん中で飛ばしたペットボトルに囲まれているのは、背広を身に纏った40歳前後かと思われる男性です。
「きみのファン」と言われて戸惑う前川に、男はロケット制作のアルバイトを依頼してきました。
胡散臭さげな「ロケットさん」の話でしたが、提示された高額報酬は和菓子屋の時給とは比べものになりません。
真たちの協力もあって無事に完成した作品を持って、指定された砂浜へと辿り着きます。
ロケットさんは女々とも知り合いのようで、母親の面影を見るとちょっぴり嬉しそうです。
「俺の青春がこいつにかかっている」というロケットさんの呟きを聞いた真は、詳しい事情は分からないものの他人の青春ポイント獲得を手伝うことを決意します。
【結】電波女と青春男 2 のあらすじ④
「ロケットさん」こと安代は20年以上前にこの町に住んでいて、引っ越しするまでは女々と仲良しでした。
久しぶりに帰郷した彼は、女々の娘がおかしな格好をして町中を出歩いているという噂話を聞き付けます。
たまたま安代が目撃したのが、和菓子屋の宣伝のために三色団子のコスプレをしていた前川です。
前川を女々の娘と勘違いした安代は、宇宙に興味のあるという彼女を喜ばせるためにペットボトルロケットを打ち上げることにした次第でした。
一方の女々は、この頃店の奥で寝てばっかりの祖母・田村を心配しています。
アルバイトと称して曾孫のエリオを送り込んだのも、動物たちを一時的に連れ去ってキャトルミューティレーションを演出したのも全て彼女を励ますためです。
砂浜でロケットを打ち上げてから4日後、女々は真が運転する自転車の後ろに乗って田村商店を目指します。
店先では久しぶりに表に出てきた田村が、始まったばかりのエリオの社会復帰を見守っているのでした。
電波女と青春男 2 を読んだ読書感想
布団ぐるぐる巻き状態から脱出した、電波系美少女・藤和エリオが踏み出していく小さな一歩が微笑ましかったです。
自分を変えるためにアルバイトの面接を受けながらも、ことごとく不採用になってしまうほろ苦いシーンもありました。
ようやく見つけたバイト先が駄菓子屋で、日給500円ながらも張り切って働く様子には笑わされます。
新しく出来たお友達とのお泊り会や海辺でのロケット打ち上げをはじめとする、10代の女の子らしく青春を謳歌する姿には心温まるものがありました。
無関係なエピソードと登場人物たちが、ひとつに収斂していくラストが心地よいです。
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