童話「おしいれのぼうけん」のあらすじと結末を全編解説

童話「おしいれのぼうけん」

【ネタバレ有り】おしいれのぼうけん のあらすじを起承転結で紹介

イワンのおばけたいじの主要登場人物

さとし(さとし)
本作の主人公。やんちゃで気が強い。

あきら(あきら)
さとしの友達。素直で気が弱い。

みずの先生(みずのせんせい)
保育園の先生。責任感が強い。子供たちを厳しくしつける。

ねずみばあさん(ねずみばあさん)
先生達が演じる人形劇の登場人物の魔女。子供たちに恐れられている。

おしいれのぼうけん の簡単なあらすじ

子供たちが通うさくら保育園には、怖い物が2つあります。それは、「おしいれ」と「ねずみばあさん」です。ある日、けんかをしたさとしとあきらが、おしいれの中に閉じ込められます。みずの先生になかなか謝らないので、出してもらえません。とうとう、2人はおしいれの中の、空想の世界へと冒険に出ます。そこで、たくさんのねずみを従えた、ねずみばあさんが襲ってきます。さとしとあきらは、力を合わせて立ち向かいます。

おしいれのぼうけん の起承転結

【起】おしいれのぼうけん のあらすじ①

おしいれとねずみばあさん

さくら保育園の子供たちには、怖い物が2つあります。

1つ目は「おしいれ」です。

給食やお昼寝の時に静かにしない子は、みずの先生から、おしいれの中に閉じ込められます。

「せんせい、ごめんなさい。」

と、泣いて謝るまで出してくれないので、みんな、みずの先生が嫌いになります。

2つ目は「ねずみばあさん」です。

先生たちの人形劇に出てくるねずみばあさんは、猫をにらんて動けなくして、食べてしまうので、子供たちはとても怖がっています。

いつも、人形劇をしてくれるみずの先生の事が、子供たちは大好きです。

ある日、昼寝の時間に、あきらが見つけた赤いミニカーをさとしが横取りしたことで、けんかが始まりました。

「やめなさい」と注意をしているみずの先生の言葉は耳に入りません。

二人が、友達を蹴ったりふんずけたりしながら、ミニカーの取り合いをしていると、かんかんに怒ったみずの先生から、おしいれの上の段と下の段に、閉じ込められてしまいます。

【承】おしいれのぼうけん のあらすじ②

あやまらない二人

みずの先生は「おしいれの中でしっかり考えなさい!」といいます。

さとしは「おしいれの外で考える」といっても聞いてもらえません。

あきらは不安になって泣き始めます。

さとしがおしいれの穴を見つけてあきらを誘います。

二人で外の様子をのぞいていると、あきらはだんだん面白くなってきて、すっかり泣き止みました。

すぐに、みずの先生ときむら先生にみつかって、穴をガムテープでふさがれて真っ暗になってしまうと、さとしとあきらはおしいれの中で蹴ったり暴れたりします。

先生達が必死でおしいれを抑えていると、暴れていた二人がだんだん静かになりました。

これで二人が謝ってくれると、ほっとしたみずの先生ですが、待っていてもあやまる気配はありません。

おしいれの中では、「あーくんがんばれ」とさとしはあきらを励ましながら手を握り合っていました。

みずの先生は謝る気配のない2人のことが、だんだんと心配になってきました。

【転】おしいれのぼうけん のあらすじ③

おしいれのぼうけん

「あーくんさっきはごめんね」さとしは横取りしていた赤いミニカーを返すと、あきらはポケットからミニ蒸気機関車のデコイチを出してさとしに渡しました。

おしいれの上と下でそれぞれが遊んでいると、突然「そこにいるのはだれだい?私はねずみばあさんだ」と声がして壁のしみが動き出しました。

たちまち、あきらは、ねずみばあさんとねずみたちに囲まれてしまいました。

「あーくん、手だ、手をつなごう!」さとしの差し出した手につかまると体が宙に浮かびました。

2人は森のトンネルを走り抜けると、車が一台もない高速道路に着きました。

「ふっふっふっ、わしはここでまっているぞ」とビルの上に座るねずみばあさんが居ました。

高速を駆け降りると、下水道に落ちてしまいます。

しばらく、まるたんぼうにつかまっていましたが、二人は疲れてねむくなってしまいます。

とうとうねずみたちに捕まって、ねずみばあさんの前に連れていかれました。

ねずみばあさんは二人に「謝るなら食べないし、地下の世界から出してやる」と言いました。

限界のさとしは謝りそうになりましたが、あきらが「ぼくたち、なにも悪くないもん、ごめんなさいなんて言うもんか」と大きな声で叫びました。

それでさとしもはっとします。

ねずみばあさんか怒って、「それならおまえたちをわしのねずみにしてやろう」といいねずみ達が襲いかかろうとしたとき、汽笛とともにデコイチとミニカーがあらわれ二人は飛び乗ります。

ねずみばあさんとねずみたちは、蒸気の煙とライトに蹴散らされて、逃げ出しました。

【結】おしいれのぼうけん のあらすじ④

ごめんなさい

疲れ果てたさとしとあきらは、眠くなって、うとうとしていました。

すると、ずっと心配していたみずの先生ときむら先生が、おしいれの戸を開けて2人を外にだしました。

みずの先生は、「ごめんね、外で考えてもらえばよかったね。」

と、おしいれの中に閉じ込めたことを反省して謝ります。

さとしとあきらも、素直にみずの先生に「ごめんなさい」と謝りました。

そして蹴ったり踏んだりした友達にも謝ります。

それ以来、みずの先生は、子供たちをおしいれの中に閉じ込める事をやめました。

2人は、おしいれの中の夢のような冒険を、友達に話しました。

こうして、子供たちが通うさくら保育園に、たのしい物が、2つ増えました。

それは「おしいれ」と「ねずみばあさん」です。

おしいれのぼうけん を読んだ読書感想

1974年に出版され累計部数230万部以上のロングセラー長編童話です。

子供はもちろん大人でも、おしいれの中の真っ暗な空間は、想像するだけでも怖いです。

どこの家にもあるおしいれの中の話はリアルに怖さが想像できます。

子供たちを、おしいれの中に閉じ込める、みずの先生とねずみばあさんが重なって見えます。

やんちゃなさとしと気の弱いあきらですが、おしいれの中でずっとあきらを助けていたさとしを、さいごはあきらが助けたところに感動しました。

2人で困難を乗り越えて、強い絆が生まれたと思います。

集団の子供たちの心理や先生の教育への姿勢、そして友達との絆、協力して困難に立ち向かう力、 長編ですが、夢中になって一気に最後まで読めます。

我が家の子供たちの大切な思い出の1冊です。

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