【ネタバレ有り】野の白鳥 のあらすじを起承転結で紹介
ごんぎつねの主要登場人物
エリザ(えりざ)
王女。容姿も心も美しい娘。
11人の王子(じゅういちにんのおうじ)
エリザの兄たち。白鳥の姿に変えられてしまう。
お妃(おきさき)
悪い継母。エリザを追い出し、王子たちを呪う。
妖女(ようじょ)
王子の呪いを解く方法をエリザに教える。
王さま(おうさま)
とある国の王さま。エリザを花嫁に迎える。
野の白鳥 の簡単なあらすじ
エリザの11人の兄たちは、白鳥の姿へと変えられてしまいました。呪いを解こうとするエリザですが、魔女の疑いをかけられ火あぶりの刑を言い渡されます。しかし兄たちの呪いが解けたことで、疑いは晴れたのでした。
野の白鳥 の起承転結
【起】野の白鳥 のあらすじ①
ここからはるかな遠い国に、ひとりの王さまがいました。
王さまには11人の息子とエリザという娘がおり、子供たちはいつも幸せに暮らしていました。
しかしある日悪いお妃がやってきて、エリザを田舎の百姓夫婦のもとへと追いやり、王子たちに呪いをかけ、白鳥の姿へと変えてしまいます。
月日は流れ、15歳になったエリザは城へ戻りますが、美しく成長した彼女を妬んだお妃は、エリザの体や髪を汚し、もとの面影をなくしてしまいました。
娘に会うのを楽しみにしていた王さまは、その醜い姿を見て「こんなものは娘じゃない」と言い放ちます。
エリザは泣きながら城を抜け出し、どうか兄たちに会いたいと願うのでした。
【承】野の白鳥 のあらすじ②
湖で身を清めたエリザは、森でひとりのおばあさんと出会いました。
「11羽の白鳥を見た」と言うおばあさんの案内で川にたどり着いたエリザは、11羽の白鳥が丘のほうへと飛んでくる姿を見ました。
その白鳥たちは陽が沈むと王子の姿へと変化し、エリザにはそれが自分の兄たちだとわかりました。
再会を喜んでいると、一番上の兄が「僕たちはお日さまが空に出ている間は白鳥に、沈んでいる間は人間の姿にかえる」とエリザに教えます。
「兄たちをもとの姿にかえしてあげたい」と願いながら眠ったエリザは、夢の中で妖女と出会いました。
白鳥の話をしてくれたおばあさんによく似ているその妖女は、エリザに兄たちをもとの姿に戻す方法を教えてくれました。
「イラクサで鎖帷子を11枚編み、それを11羽の白鳥に投げかければ魔法は解ける。
しかしその間、何年かかろうと口をきいてはいけない。」
そうしてエリザは、イラクサを集め鎖帷子を編みはじめました。
【転】野の白鳥 のあらすじ③
あくる日もエリザがひとりイラクサを編んでいると、山の中から笛の音が聞こえてきました。
その音は狩猟をしていたこの国の王さまたちの一団で、エリザの美しさに心奪われた王さまは、彼女を城に連れ帰り、花嫁に迎えました。
しかしこの国の大僧正はエリザを魔女に違いないと疑ってかかります。
最初は耳を貸さなかった王さまでしたが、エリザがイラクサを摘みに墓地へとでかけるところを目撃してしまい、ついには彼女を裁きにかけることを決めました。
火あぶりの刑に処されることになったエリザは、それでも暗い牢屋の中でイラクサを編み続けました。
すべての鎖帷子が完成するまで、あともう一息だったのです。
【結】野の白鳥 のあらすじ④
エリザの処刑当日、民衆は魔女を殺せとひしめき合っていました。
罪人用の馬車に乗せられたエリザの頬は青く、美しかった髪は乱れ、粗末な麻の服を着せられていましたが、その指はまだ、最後の鎖帷子のためのイラクサを編んでいました。
そのとき、11羽の白鳥が舞い降りて、馬車の上にとまりました。
エリザは急いで11枚の鎖帷子を白鳥たちに投げかけます。
すると、11人の白鳥は11人の王子へと姿を変えました。
ただ、末の兄だけは鎖帷子が完成しきらず、片腕が羽のままでした。
ようやく口をきけるようになったエリザは気を失ってしまいますが、民衆は目の前で起きた出来事を見てエリザに頭を下げます。
一番上の兄はこれまであった出来事をすべて話して聞かせ、その間、火あぶりに使うはずだった薪にはたくさんのバラが咲きました。
王さまが一輪だけ咲いた白い花をエリザの胸にのせると、エリザは目を覚ましまし、心は平和と幸福で満たされたのでした。
野の白鳥 を読んだ読書感想
「野の白鳥」はかの有名なハンス・クリスチャン・アンデルセンによる童話作品ですが、知名度はあまり高くはないかもしれません。
しかしこの作品からは、たとえ離れても、姿が変わっても、兄弟のことを想う愛が感じられると思います。
エリザの献身は自己犠牲とも言えますが、その意志の強さは私たちの心に訴えかけてくるものがありました。
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