ビアンカ・オーバースタディ(筒井康隆)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

ビアンカ・オーバースタディ

【ネタバレ有り】ビアンカ・オーバースタディ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:筒井康隆 2012年8月に講談社から出版

ビアンカ・オーバースタディの主要登場人物

ビアンカ北町(びあんかきたまち)
高校2年生。クラブ活動で生物学の実験に熱中。

千原信忠(ちはらのぶただ)
高校3年生。ビアンカと同じく生物研究部に所属する

塩崎哲也(しおざきてつや)
高校1年生。文芸部所属

沼田耀子(ぬまたようこ)
高校2年生。塩崎のガールフレンド。

ビアンカ・オーバースタディ の簡単なあらすじ

美しき女子高校生のビアンカ北町は生物研究部で生殖の秘密を研究していましたが、研究対象がウニから人間へと移り変わっていくのにはそれ程時間はかかりません。遂には禁断の実験に没頭するうちに、時空を超えた冒険に巻き込まれていくのでした。

ビアンカ・オーバースタディ の起承転結

【起】ビアンカ・オーバースタディ のあらすじ①

放課後の危ない実験

ビアンカ北町は学園中の男子生徒を虜にしてしまうほどの美少女でしたが、彼女は目下異性とのお付き合いよりも生物学の実験の方に夢中になっていました。

顧問の先生から与えられた課題は、バフンウニの卵の構造を解明することです。

研究には人間の精子が不可欠なために、1年年下の塩崎哲也に提供してもらいます。

たまたまその現場を塩崎の彼女・沼田耀子に目撃されてしまいましたが、純粋な科学的好奇心として何とか理解してもらいました。

自らの卵子を摘出して受精卵として掛け合わせることを思い付きましたが、倫理的な観点からは許されません。

ビアンカが次に考え出した実験テーマは、塩崎から摘出した精子と他の男子のものを戦わせることです。

【承】ビアンカ・オーバースタディ のあらすじ②

千原先輩に纏わる疑惑

ビアンカと塩崎の異様な関係を察知した生徒たちから、2人は校内でからかいの対象になっていました。

そんな時には中学時代に暴走族に所属していたという耀子が一喝すると、たちまち噂は消し飛んでしまいます。

いつものようにビアンカが独りで利用していた実験室に現れたのは、3年生の生物研究員・千原信忠です。

文学青年の塩崎とは一味違ったスポーツマンタイプの千原に、恐る恐る精子の提供をお願いします。

快く提供して貰ったものを観察していたビアンカの胸の内に、ある疑惑が湧いてきました。

今の時代にはまだ開発されていないはずの実験器具、1時間足らずで入手してきた希少動物、現代人と比べて著しく脆弱な生殖能力。

これらの3つのヒントから、ビアンカは千原が未来から来た高校生であることを見抜きました。

【転】ビアンカ・オーバースタディ のあらすじ③

巨大カマキリの脅威

未来の世界では環境破壊から産まれた巨大なカマキリが暴れ回っていて、人類滅亡の危機を回避するためにはこの時代にしか生息しないアフリカツメガエルが必要不可欠です。

ビアンカと千原は現代人の強力な精子とカエルの卵をミックスさせて、実験室の水槽を借りてコッソリと育てていきます。

驚くほどのスピードでオタマジャクシから成長したカエルは、ある日の朝に脱走してしまいたちまち登校時間の学校はパニックへと包まれました。

事態を収集するためには千原の乗ってきたタイムマシンで、これまでの時間の経過を巻き戻すしかありません。

騒ぎが発生する前の実験室にタイムスリップしたビアンカたちは、いよいよ未来での巨大カマキリとの最終決戦に備えるのでした。

【結】ビアンカ・オーバースタディ のあらすじ④

未来を変えるための戦い

ビアンカたちが辿り着いたのは、未来人とカマキリが激しい戦いを繰り広げている草原です。

戦闘司令室で待機していると体長50センチほどのカマキリが、次々と押し寄せてきました。

司令室のカタパルトからは、今や1メートルを越えるほどになった巨大なカエルが飛び出していきます。

あと一歩のところで敵を殲滅できそうな時に、一向はタイムパトロール隊に逮捕されてしまいました。

歴史の改変は犯罪行為になりますが、未来での出来事を秘密厳守することを誓わされてようやく放免になります。

ビアンカが千原と別れ際に交わした約束は、最悪の未来を変えるために現代で政治家になることです。

全てが元に戻って平凡な日々が続いていたある日のこと、千原がいつかのように生物実験室の扉を開けて「今度は大ネズミが現れた」と叫ぶのでした。

ビアンカ・オーバースタディ を読んだ読書感想

荒唐無稽なストーリー展開の中にも、時折現実の世界の社会問題を捉えていて考えさせられました。

生殖能力が弱体化した未来人や人類に牙を剥く巨大なカマキリが登場する場面には、環境破壊への痛烈な批判やメッセージが込められています。

生物研究部の部室を独りで占領して気の赴くままに実験を繰り返していた少女が、何時しか人類の未来を守るために立ち上がっていく様子が感動的です。

科学者を目指していたはずのヒロイン・ビアンカが、クライマックスでは政治家への道のりに心惹かれていくシーンが皮肉な味わいになります。

未来を切り開くためには科学技術でもなく政治家の権力でもなく、若い世代のエネルギーと好奇心が必要なのかもしれません。

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