「空の中」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|有川浩

「空の中」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|有川浩

【ネタバレ有り】空の中 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:有川浩 2004年11月に角川文庫から出版

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空の中の主要登場人物

斉木 瞬(さいき しゅん)
主人公。海岸で謎の生物を拾い、「フェイク」と名付け可愛がる。

天野 佳江(あまの かえ)
瞬の幼馴染。UMAが好き。

春名 高巳(はるな たかみ)
ジェット機の製造会社に勤める。航空機事故の原因を探る。

武田 光稀(たけだ みき)
女性パイロット。春名と共に航空事故の原因を探る。

空の中 の見どころ!

舞台は200X年の日本。各地で謎の航空機事故が相次ぎます。事故の日、高校生の瞬は高知の海辺で謎のクラゲのような奇妙な生き物に遭遇します。彼はその生き物に「フェイク」と名前を付けて愛情を注ぎますが、やがてその生き物は人類にとっての脅威に変わっていくのです。

見どころ

・家族を失った主人公 瞬の心の成長

・謎の生き物と人類の攻防戦

・大人と子供、人類と人外のそれぞれの愛情と葛藤

空の中 の簡単なあらすじ

出会い

空の中 の起承転結

【起】空の中 のあらすじ①

200X年の日本。

試験飛行中のジェット機の爆発炎上事故が相次ぎます。

どれも、はっきりとした原因は不明です。

主人公・瞬は高校二年生。

母親を早くに亡くし、パイロットと働き、各地を転々としている父親とは離れ、高知で暮らしていました。

数年前までは祖父と暮らしていましたが、その祖父も病気で失い、現在は残された一軒家で一人暮らしをしています。

祖父の友人の宮じいや幼馴染の佳江など、瞬のことを気にかけてくれる人はいましたが、家族らしい家族がいない瞬は、一抹の寂しさも覚えるのでした。

しかし、パイロットという仕事に励む父のことは誇りを持っており、時折帰ってくる父と会えるのを心待ちにしているのでした。

そんなある日、海岸を歩いていた瞬は、海岸に妙なものが落ちていることに気付きます。

気になって近寄ってみると、それは両手で抱えるほどのサイズの、クラゲのような生き物でした。

興味を持って近寄ると、そのクラゲのようなものは動き、ズルズルと瞬のもとに近づいてきました。

恐怖を感じた瞬は、その場からとっさに逃げ出し、途中で出会った佳江に報告します。

佳江は無類のUMA好きでした。

佳江は臆することもなく、瞬を従えて海岸に行き、クラゲのようなものを捕獲します。

佳江の好奇心を刺激したクラゲは、結局、瞬の家に持ち帰られることになりました。

名前は「フェイク。」

友情と裏切り

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【承】空の中 のあらすじ②

瞬と佳江はフェイクの正体について議論しますが、結論は出ません。

瞬は正体不明のフェイクに恐れを抱いており、研究機関などに提出すべきだと主張しますが、佳江は研究のために解剖されたりするのが不憫だと反対します。

そうこうしていると、瞬の家に電話がかかってきて、瞬の父親が航空事故で死亡したと伝えられます。

瞬は憧れの父の突然の死に驚き、悲しみます。

父の葬儀などは淡々と進み、瞬も悲しみの底にいながらも日常を取り戻そうとしていました。

しかしある日、瞬が悲しみから父の携帯電話に電話をかけたところ、その電話が繋がったのです。

繋がった先は、父ではありませんでした。

その電話の相手は、フェイクでした。

フェイクの日本語は拙く、単語を並べただけのものでしたが、瞬と会話を重ねるに従って、驚異的なスピードで語彙や文法を習得し、円滑なコミュニケーションを図れるようになりました。

瞬はフェイクと会話を交わすことに夢中になります。

次々にいなくなる自分の家族とは違って、フェイクはずっと家にいて、いなくなるということがありません。

これぞ瞬が求めていた家族だったのです。

次第に瞬は父親の死を悼むこともなくなり、フェイクと過ごす時間ばかりが増えていきました。

その様子を見た佳江と宮じいは心配して、フェイクを愛することは現実逃避に過ぎないと忠告をしますが、瞬は聞く耳を持ちませんでした。

調査開始と真実

【転】空の中 のあらすじ③

相次ぐ航空事故の原因を究明するために、ジェット機の製造元会社に勤める春名は、事故調査委員のメンバーに任命され、事故が起きた岐阜基地に赴きます。

春名は航空事故の生き残りである光稀とタッグを組み、調査を始めることになりました。

春名は女性パイロットとして懸命に使命を果たす光稀に惹かれていきますが、男勝りな光稀は全く春名にはなびいてくれません。

二人はまず、事故が起こった現場を再現しようと光稀が操縦するジェット機で上空を目指します。

すると、上空に不自然な気圧が測定される部分がありました。

不審に思っていると、突然ジェット機の電波がジャックされ、ラジオの音声のようなものが流れ込んできました。

その声に応じるうちに、二人は上空内に巨大で透明なクラゲのようなものが浮かんでいることに気付きます。

ラジオの音声のようなものは、春名と光稀が返事をするうちに、どんどん流暢な日本語に近づいてきました。

会話を交わすうちに、二人は、このクラゲ状のものが航空事故の原因であると気付きます。

事故が起きたジェット機のパイロットは、透明なこのクラゲ状のものに気付かずに激突、爆発炎上したのでしょう。

ジェット機のエンジンが少なくなってきたために二人はクラゲ状のものに別れを告げ、自衛隊本部に上空で見てきたものを報告しますが、本部は半信半疑です。

しかし、その後、クラゲ状のものが陸地から見える範囲まで降りてきたのです。

「春名と光稀ともっと話したい」というメッセージと共に。

日本国民はこのクラゲ状のものが落ちてきたら大惨事になると大騒ぎです。

巨大なクラゲ状の生き物が航空事故の原因であったと知った瞬は、ひどくショックを受けます。

自分が家族同然に愛していたフェイクの仲間が、自分の父親の死のきっかけになったからです。

瞬はフェイクに怒りをぶつけ、家から追い出します。

フェイクは佳江が引き取ることになりました。

日本政府は上空に現れた巨大なクラゲ状のものに「白鯨」または「ディック」という名前をつけました。

世論は白鯨を爆破する方向に傾いていましたが、白鯨が死んだ際の影響や、万一白鯨が生き物でなく他国が送り込んできた兵器であった場合の報復を恐れ、行動に移せませんでした。

しかしある日、米国が白鯨にミサイルを撃ち込み、白鯨は何万個にも分裂します。

バラバラになった白鯨は、それぞれが違う意思を持っていました。

しかし、人間に傷つけられたという認識は共通していました。

無数の白鯨からの反撃が始まります。

散らばった白鯨は、瞬の暮らす高知にもやってきました。

それを知らずに外出してしまった佳江を助けようと瞬はフェイクを呼び出し、「佳江を守れ」と命令します。

瞬からの愛情を取り戻したいフェイクは無数の白鯨を食べ、佳江や高知の市民は無事でした。

瞬は、フェイクに仲間である白鯨を殺させたことに罪悪感を覚えますが、瞬に喜んでほしい一心のフェイクはひたすらに白鯨を食べ続けるのでした。

共存計画

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【結】空の中 のあらすじ④

フェイクは白鯨を食べ続け、どんどん巨大化していきました。

フェイクは瞬の言うことを聞いているので、人間に危害を及ぼすことはありませんでしたが、それでも危険な存在であるということには変わりなく、フェイクに頼りきりで白鯨を亡ぼすという計画に対する疑問視も多数寄せられました。

春名や光稀、自衛隊もできることはしようと白鯨側と交渉を続けていました。

白鯨の中で最も大きいものを「ディック」と呼び、通信機器を使って人間を襲わないように交渉を始めました。

白鯨たちは、自分の仲間であるフェイクが自分たちのことを食べることを不安に思っていました。

フェイクには過去の記憶がなく、白鯨たちが自分の仲間だという認識がありませんでした。

ただ、瞬の命令だから白鯨たちを食べていたのです。

白鯨たちはフェイクに食べないでくれと呼びかけますが、その声はフェイクには届きません。

春名はディックと交渉の上で、まず白鯨たちを統合させることに成功します。

無数の白鯨とディックが一つになり、上空の謎の生物はディックとフェイクだけになりました。

フェイクがディックも襲おうとしたとき、フェイクは過去の記憶を取り戻します。

フェイクは自分の行った行為が共食いであることに気付き、絶望します。

しかし、瞬を裏切ることができないフェイクはどうしていいかわかりませんでした。

自分ひとりではこの出来事をどうにもできないと思った瞬は、春名たちと協力体制をとっていました。

その中で、瞬はフェイクを今後も操っていくことは不可能だと感じ、フェイクを解放することを決意します。

その気持ちをフェイクに伝え、フェイクとディックは無事に捕食関係ではなく、一つに統合するという道を選びました。

その後、ディックは人間と離れて暮らすことを決め、再び上空へと帰っていきます。

人類には再び平和が訪れました。

壮大なファンタジーですが、有川作品特有の自衛隊の知識がたくさん散りばめられていて、リアリティーがありました。

登場人物たちの恋愛模様も良いエッセンスになっていて、とても読みやすかったです。

人類の危機を描く作品ではありますが、不気味な生き物ですら愛嬌たっぷりに描かれていて、深刻になりすぎないところに好感を持ちました。

空の中 を読んだ読書感想

主人公は仕事に女に金にと強欲で、あまり好きになれるタイプではありませんが、ドタバタと次々に発生する問題にハラハラさせられる一冊です。

主人公が成敗されていく様はとても爽快なのですが、キーパーソンである女占い師の長峰がとても不気味で、最後まで良い人なのか悪い人なのかわかりませんでした。

また、人間の二面性もうまく描いていて、陰と陽の使い方が絶妙です。

ページ数は多いですが気楽に読めるのでおすすめです。

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