「下町ロケット2 ガウディ計画」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|池井戸潤

「下町ロケット2 ガウディ計画」

【ネタバレ有り】下町ロケット2 ガウディ計画 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:池井戸潤 2015年11月に小学館から出版

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下町ロケット2 ガウディ計画の主要登場人物

佃航平(つくだこうへい)
主人公。宇宙科学開発機構の元研究員で佃製作所の社長。

財前道生(ざいぜんみちお)
帝国重工宇宙航空部開発グループ部長。

椎名直之(しいななおゆき)
NASA出身のサヤマ製作所社長。

一村隼人(いちむらはやと)
北陸医科大学の教授。人工心臓コアハートのアイデアを考えた。

桜田章(さくらだあきら)
娘の死をきっかけに一村と共に人工弁ガウディ開発に取り組んでいる株式会社サクラダの社長。

下町ロケット2 ガウディ計画 の簡単なあらすじ

日本クラインという一部上場の大手医療機器メーカーから佃製作所へあるバルブの開発依頼がきます。新規ビジネスにつながる可能性もあり、厳しい条件でも請け負うことにしますが、これが佃製作所の運命を大きく変えることに繋がっていきます。さらには、帝国重工のロケット向けとして製作していたバルブに関してもコンペになるという話が出てきて、ライバルのサヤマ製作所と争っていくことになります。

下町ロケット2 ガウディ計画 の起承転結

【起】下町ロケット2 ガウディ計画 のあらすじ①

新たな挑戦とライバルの出現

日本クラインという一部上場の大手医療機器メーカーから佃製作所へあるバルブの開発依頼がきます。

しかし、何に使われるのかが分からずコストも厳しいため、佃は営業第二部長唐木田、担当の江原と共に日本クラインを訪れますが、開発部長の久坂は決して製品を教えてくれず量産があるから何とかこの金額で受けてほしいの一点張りでした。

元佃製作所で現在大学の研究所ではたらく真野と久しぶりに会うと、真野は日本クラインと仕事で付き合いがあり製品については人工心臓だと情報をくれます。

儲かるかどうかは分からないが成功すれば佃製作所の評価は上がると聞き、佃は引き受けた以上きっちりやろうと腹をくくります。

開発は若手有望株の中里に任せることにしますが、中里は開発にとりかかってしばらくした後、設計がそもそも悪いと気づきます。

しかし佃は設計が悪いにしてもそれを証明するデータを集めてから設計変更の申し入れをすべきだと言い、中里とは意見がぶつかります。

中里には実は引き抜きの話が来ており、中里は佃への不満もあり転職を決意します。

佃は業界のパーティで帝国重工の財前に挨拶をしていると、同じ帝国重工の石坂が声を掛けてきてサヤマ製作所の椎名を紹介されます。

椎名はNASA出身のエンジニアであり、次のバルブは佃製作所とサヤマ製作所でコンペにすると言われます。

椎名はこのパーティ後、中里と会って日本クラインから依頼されたバルブの設計図を持って転職して来るように指示します。

中里を引き抜こうとしていたのはサヤマ製作所だったのです。

日本クラインから突然の設計変更の話を聞かされ、さらにコストと納期を見せられた佃は怒りこれ以上付き合えないと話を断りますが帰り際に椎名の姿を見て、サヤマ製作所に仕事を取られたのだと確信します。

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【承】下町ロケット2 ガウディ計画 のあらすじ②

ガウディ計画

真野は佃製作所への設計変更の話を聞くと、日本クラインに怒りをぶつけますが、下請けはいくらでもあると聞き流されます。

研究所の同僚からも諌められ、真野が本当にこんな組織で働いていて良いのか悩みだしたところで北陸医科大学の一村教授から電話が入ります。

真野は佃の元を訪れ設計変更の件を謝罪すると共にせっかく紹介してもらった研究所は辞めて福井へ行くことにしたと報告します。

一村教授は非常に優秀な人で、真野が務めていたアジア医科大の貴船教授の元で働いていましたが貴船に手柄を横取りされて去って行ったということです。

後日、真野から連絡があり一村と桜田を紹介されます。

桜田は一村と共に人工弁の開発に携わっていました。

この人工弁プロジェクトに参加して欲しいというのが今回の主旨ですが、製品化までの道のりは厳しくコスト的にも見合わないように感じ一旦話は断ります。

しかし、ゴッドハンドと呼ばれる一村が目を付ける開発であること、桜田が娘を心臓弁膜症で亡くし罪滅ぼしのために人工弁ガウディ開発に携わっていることを聞いて佃は開発に参加することを決意します。

佃は退社した中里に代わり立花と加納アキを開発担当に据えます。

貴船はガウディ開発の情報を掴むと一村に圧力をかけて手柄を奪おうとしますが、一村は今回だけは頑として譲りません。

これに怒った貴船は医療機器審査機関PMDAの滝川に一村の人工弁は採用しないようにと手を回しました。

佃製作所では一村と桜田を招きガウディが子供達の命を救う為に使われることを紹介してもらい開発を開始します。

最初の課題がPMDAとの面談で、ここでいきなり滝川に面談をぶち壊されます。

大学に戻った一村は、人工弁に関する論文の掲載も拒否され、ここまで貴船が裏で手を回していたことに苦悩します。

【転】下町ロケット2 ガウディ計画 のあらすじ③

コアハートの不具合

サヤマ製作所に転職した中里はコアハート用のバルブ改善を担当することとなります。

しかし、開発は上手くいかずそもそもの設計に問題があるのではないかと疑問を感じていると、臨床実験中のコアハートを使用した患者が死亡する事故が起きます。

貴船は全ての責任を担当医師の巻田に押し付け、コアハートには何の問題も無いと押し通そうとしますが巻田はコアハートを疑い独自に調査を始めます。

椎名はコアハートのバルブ製作を佃製作所から奪い、さらにロケット用のバルブ製作も帝国重工の石坂と富山を味方につけて奪おうとします。

一方、佃は人工弁開発のスポンサーとして帝国重工の財前に相談して帝国重工の医療機器部門に支援して貰えないかと頼みます。

財前は医療部門部長で大学の先輩でもある安東に相談するとアイデアと技術は悪くないが、出資は出来ないと断られます。

何とか説得する術はないかと考える財前ですが、逆に安東からはお前の所でロケット開発と結びつけて出資すれば良いとアドバイスされます。

しかし、財前が会議上で提案した内容はライバル石坂に阻止され結論は持ち越しとなります。

ロケットエンジン用のバルブテストでは佃製作所、サヤマ製作所共に合格しました。

ガウディ計画の方は資金面が厳しくなりPMDAの審査も貴船の手が回っているため厳しく暗礁に乗り上げます。

貴船や日本クライン、サヤマ製作所などは勝ち誇ってコアハートの開発を進めようとしますが、コアハートの不具合について記者が調査を始めていました。

記者はコアハートの設計図やバルブの試験データなど機密情報を入手しており、佃製作所に確認を依頼します。

危機感を覚えた椎名は開発部長の月島に情報が漏洩しているので犯人を調べろと指示しますが、月島が中里を問い詰めても証拠は出てきません。

中里は犯人が誰なのか気づきましたが、上司に対して不満を抱えており胸の内にしまっておきます。

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【結】下町ロケット2 ガウディ計画 のあらすじ④

医療機器開発の未来

コアハートの不具合が記事になり、関係者は大慌てで対応します。

椎名は否定の一点張りで乗り切ろうとしますが、貴船は大学内で学長他から厳しく責められ、帝国重工では採用を決めたロケット用バルブを佃製作所に変更することとなります。

ガウディ計画は2回目のPMDA面談を迎えますが、ここで滝川が再び根拠無き批判をして来ますが普段は寡黙な立花がガウディを待っている大勢の患者の為に純粋に技術評価をして欲しいと発言すると、審査長が滝川を黙らせて質疑応答が始まります。

面談後次のステップへと進むように審査長からコメントがあり、ようやくガウディ計画も軌道に乗ります。

さらに、面談後には財前から帝国重工がガウディ計画に出資することが決定したと連絡が入ります。

椎名は業務上過失致死の疑いで逮捕されますが、日本クラインは諦めが悪くバルブを佃製作所に作らせようと佃の元へとやって来ます。

佃は顧問弁護士の神谷に事前に相談しており打ち合わせに同席してもらいます。

日本クラインが提示した設計図は中里がサヤマ製作所に流出させたものであり、元は佃製作所の山崎が設計したものであるため、神谷が特許侵害で訴える準備をしていると脅すと日本クラインはすごすごと引き返していきます。

三年後、ガウディは最後の臨床試験を終えて厚労省の承認が下ります。

試験に立ち会った財前は佃にどこまで冒険を続けるのかと問いますが、佃は仕事に夢が無くてはつまらないと答えます。

桜田は亡くなった娘にガウディ計画成功を報告し、これから娘と同じ病気で苦しむ子供達をたくさん助けてみせると誓います。

こうして一村、桜田、佃製作所の努力が実り、心臓弁膜症で苦しむ多くの子供達を救うことの出来る人工弁ガウディ計画が完了しました。

下町ロケット2 ガウディ計画 を読んだ読書感想

下町ロケットシリーズの2作目で、前作で中小企業の町工場でもロケットエンジンに使われるような技術を開発するという大きな夢を成し遂げた佃製作所が本作では医療機器に挑むこととなります。

最初は人工心臓用のバルブを作ることになりますが、日本クラインの無茶な工程や安すぎる費用に加え量産ありきと言いながら試作だけでサヤマ製作所へと転注してしまうなど酷い目に合わされて諦めます。

サヤマ製作所は急成長を遂げてきたベンチャー企業ですが、社長椎名はNASAの肩書きと人脈を活かして大企業に取り入るものの、裏では他社の技術を盗んだりデータを改竄したりと悪どいことをしていました。

これが後に命に関わる事故を起こすことに繋がりますが、露見するまでは佃製作所を大いに苦しめることとなります。

最後には真面目にコツコツやってきた佃製作所が報われることとなるため、とてもスッキリと爽快な気分になれるストーリーになっています。

下請け叩きばかりする日本クラインに対しては特許侵害で訴えるぞと言い追い返すことが出来ます。

また帝国重工内では財前が石坂に苦しめられてきましたが最後には完璧にやり返すことができます。

一村や桜田が諦めそうになった時も佃は決して諦めずに何とかガウディ計画を成功させようとし、最後の最後で上手くいくので頑張ってよかったなあと心から思える作品です。

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