「ルーズヴェルトゲーム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|池井戸潤

「ルーズヴェルトゲーム」

【ネタバレ有り】ルーズヴェルトゲーム のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:池井戸潤 2014年4月1日発行に講談社から出版

ルーズヴェルトゲームの主要登場人物

細川 充(ほそかわ みつる)
青島製作所社長。イメージセンサーを自社の柱に育て上げ社長に抜擢。当初野球部を無くすことを考えていた。

笹井 小太郎(ささい こたろう)
青島製作所専務。細川とは対立関係にあり、長く青島製作所を支えてきた功労者。

沖原 和也(おきはら かずや)
青島製作所野球部のエース。過去に暴力事件を起こしており、しばらく野球とは疎遠になっていた。

坂東 昌彦(ばんどう まさひこ)
ミツワ電器社長。青島製作所とはライバル関係にあり、手段を問わず青島製作所を潰しにかかる非情な男。

城戸 志眞(きど しま)
キド・エステート女社長で、青島製作所の大株主。物事の本質を見る目をもっており、青島会長の誘いで野球を観戦以来その魅力に取り付かれる。

ルーズヴェルトゲーム の簡単なあらすじ

青島製作所野球部はかつては都市対抗野球本戦に出場できるような強豪でした。しかし時代の流れと共に衰退し、今では衰退の一途を辿ります。それに伴い、会社の経営自体も競合他社からの圧力や銀行からの融資難色、資金繰りの困難などに追われ倒産寸前にまで追い込まれてしまい、伝統ある野球部を負債の元凶であると判断した細川は野球部を廃部にする決意を固めるのでした。一方、ライバル会社のミツワ電器社長坂東は青島製作所の技術力を見込んで経営統合の話を持ちかけます。野球部は沖原という絶対的エースを獲得し、これからだという時期に負けたら廃部というところまで追い込まれるのです。それぞれの思惑を胸に大逆転劇なるか。

ルーズヴェルトゲーム の起承転結

【起】ルーズヴェルトゲーム のあらすじ①

青島製作所の危機

世を象徴するような不況、ライバル会社のミツワ電器からの攻勢で倒産寸前の窮地に立たされた青島製作所。

それに拍車をかけるかのように負け続きでかつての栄光のかけらも感じない青島製作所野球部は銀行からの融資に待ったをかけられるような負債でしかなかったのです。

それらを打破するために、経営陣はミツワ電器を技術で上回り、コストでもそれなりに抑えられる商品を開発し、東洋カメラに売り込む業務体制をとり、一方の野球部では新監督の大道を迎え入れ、新監督は膨大なデータを算出し、レギュラーメンバーを一新します。

都市対抗野球大会に出場し意地を見せようと奮起するのでありました。

しかし野球部には絶対的エースが存在しないのです。

ある日、青島製作所社内野球大会が行われました。

その中で製造部チームに入っていた沖原。

彼は野球なんてという話をしてたのですが、試合の展開上ピッチャーとして出場し、その剛速球ぶりに観客含めた全員が度肝を抜かされるのでした。

しかし本人は野球はもう辞めたと一点張りなのです。

いったい彼の身に何が起きたというのでしょうか?

【承】ルーズヴェルトゲーム のあらすじ②

焦る細川、ミツワ電器からの提案

何とか沖原を説得し、晴れて野球部の一員になりました。

しかしまだ野球部に対する風当たりは冷たいままであったのです。

そんな中、投手である萬田(まんだ)が肘の故障をきっかけに勝ち星から遠ざかり、肉体の限界も感じ、野球部退部を決意し、会社の部署全員の前でその旨を伝えるのでした。

そしてそこで萬田は野球部を応援して下さい。

と力強く語りかけたのです。

その頃から少しづつ野球部は風当たりが変わってきたのは間違いありません。

青島製作所社長細川は、とても太刀打ちできそうにないほど大幅コストダウンしたイメージセンサーをライバル会社であるミツワ電器にシェアをとられそうになり、窮地に陥っていました。

そんな折、ミツワ電器社長坂東から青島製作所が助かる道はうちと経営統合するしかないと持ちかけてきます。

さらに青島製作所専務の笹井までもが、坂東社長から統合した暁には社長の座を用意すると言われ、経営統合賛成の意思をにおわせていました。

一刻も早く野球部を廃部にして負債を減らし、総務部長三上は大規模なリストラも行い、何とか銀行に融資をしてもらうことを進めていきます。

野球部を廃部にしたくない三上の健闘むなしく、ついに伝統ある野球部は今度の大会で負けたら廃部というところまで追い込まれていくのでした。

【転】ルーズヴェルトゲーム のあらすじ③

笹井専務の思い

負けたら廃部の事実を野球部員達は聞かされ、一念発起します。

これまでの負け癖が嘘のように勝ち続けるのでした。

そして都市対抗野球予選決勝にてついにライバルのミツワ電器との一戦を迎えるのでした。

しかし、経営難に陥っている青島製作所にとってもはや野球部はどうあがいても続けていくメリットがなく、勝とうが負けようが廃部が決まってしまうのでした。

一方、会社経営陣は大方の者が経営統合には反対で、何とかそれを回避しようとしていました。

しかし、ミツワ電器社長坂東に、経営統合すれば大量のキャピタルゲインが入るとそそのかされた大株主の竹原により、株主含めた経営陣幹部全員で株主総会を執り行い、そこで採決をとるよう申し出るのでした。

株主総会が請求されればそれは逃れることはできません。

もし採決をとった時に経営統合賛成派が多数だった場合、問答無用で青島製作所はミツワ電器と経営統合という形になってしまいます。

細川はそれを阻止すべく全てのカギを握る青島製作所大株主の一人であるキド・エステート女社長の城戸志眞(きどしま)に会いに行くのでした。

彼女は物事の本質を見る目をもっており、必ずや青島製作所を救ってくれるとそう信じていました。

そしてついに迎えた株主総会当日、大方の予想通り竹原含めた数人が経営統合に賛成という結果になりました。

全ては城戸志眞の1票に委ねられたのです。

竹原は城戸に賛成か反対かを促し、城戸は長く青島製作所を支えてきた笹井に意見を問うのでした。

それに対し笹井は自分は社長の器ではない、楽しく愉快な自由気ままで技術力のある青島製作所を誇りに思っている、ミツワ電器社長になるより青島製作所の一兵卒でありたいと伝えるのでした。

そして採決の時、城戸志眞は経営統合反対で否決となり、この窮地を乗り切ったのでした。

【結】ルーズヴェルトゲーム のあらすじ④

ルーズヴェルトゲーム

株主総会を乗り切った経営陣達ですが、現状が変わったわけではありませんでした。

ミツワ電器は大幅コストダウンしたイメージセンサーを武器に顧客である東洋カメラに売り込んでいたのです。

それに対抗すべく高スペックなイメージセンサーを開発すべく技術開発部は動いていました。

そして、期日までにその試作品が完成したと細川のところに連絡が入ります。

そのスペックを競合他社のイメージセンサーを搭載したカメラの画像で比較、その差は歴然でハイスペックなイメージセンサー開発に心震えます。

その副産物として技術力の高い青島製作所だからこそできたダウンサイジングしたイメージセンサーをスマートホンのあるジャパニクスに売り込んでみようと提案します。

これは大きなビジネスになると。

野球部はミツワ電器との決戦に臨んでいました。

勝っても負けても廃部ということは事前に部長の三上から聞かされていましたが選手達は全力で闘い、激戦の末8対7でミツワ電器を破ったのです。

東洋カメラは高性能のイメージセンサーを求めていたため、青島製作所のイメージセンサーを取り入れることになりました。

ミツワ電器社長坂東は食い下がりますが、2枚の写真を見せられます。

その差が歴然であったことに言葉が出ません。

東洋カメラ担当者は武士の情けでどちらが御社のものかはあえて申し上げませんがと付け加えられたのです。

副産物のダウンサイジングされたイメージセンサーをジャパニクスに売り込んだ結果こちらも大きなビジネスとなって経営は大きく右肩上がりで銀行側にも素晴らしいと言わしめたのでした。

一方廃部が決定した野球部でしたが、都市対抗野球を青島会長と観戦に行った際、野球の魅力に取り付かれた城戸志眞により青島製作所野球部はキド・エステート野球部としてまた活躍の場が設けられたのでした。

ルーズヴェルトゲーム を読んだ読書感想

とにかく池井戸先生の作品は勧善懲悪で読んでいてとてもスッキリとします。

笹井専務が株主総会での発言、自由気ままで愉快な技術力の高い青島製作所に対し、ノルマでがんじがらめなミツワ電器。

この対比が実に見事で、ミツワ電器により窮地に追い込まれた青島製作所が、経営面でも野球部面でもミツワ電器を下すところにカタルシスを得ました。

野球がわからなくても経営陣の奮闘なども事細かに描かれているので、万人が楽しめる作品であると思います。

努力すれば報われる、今何かに頑張りたい、これから頑張っていきたい、そう思っている人はぜひ読んでみて下さい。

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