「余物語」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|西尾維新

「余物語」

【ネタバレ有り】余物語 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:西尾維新 2019年4月に講談社から出版

余物語の主要登場人物

阿良々木暦(あららぎこよみ)
本作の主人公。児童虐待の専門家として事件解決に挑む。

斧乃木余接(おののきよつぎ)
本作のヒロインで式神童女。しぶしぶ暦に力を貸す。

家住羽衣(いえすみはごろも)
暦の依頼主。自分の娘をかわいく思えなくなったと相談。

余物語 の簡単なあらすじ

大学生となった阿良々木暦はひょんなことから「児童虐待」の専門家として祭り上げられ、家住准教授の相談にのる。異質な相談であったが、暦は引き受けてしまう。彼女の家に向かいそこで暦が見たものは、ナイフで背中から刺されている人形の姿であった。その後家住は、姿をくらます。事件の真相はいかに。

余物語 の起承転結

【起】余物語 のあらすじ①

謎の依頼

大学生活にも馴染んできたある日、暦はスイス語担当である家住准教授から呼び出しを受けます。

呼び出される理由が分からなかった暦ですが、きっとレポートかテストの事だろうと考え向かいます。

しかし、事はそう単純な話ではありませんでした。

 「3歳になるたった一人の娘の事を虐待してしまった」と家住は言います。

正確には虐待しそうになってしまった、急に可愛く思えなくなってしまったと補足しますが、異様な相談に変わりありません。

生徒と先生という関係でしかなかった自分に、どうしてこんな相談を持ち掛けてくるのか疑問に思う暦でしたが、どうやら暦の友人、老倉育が一枚噛んでいたようです。

育から「児童虐待の専門家」という不名誉な形で紹介を受けていたようです。

差しさわりのない回答をしたつもりでしたが、「さすが専門家の言う事は違う」と気に入られてしまいます。

認められてしまった為に、彼女から更なる依頼を頼まれてしまいます。

「娘を籠の中に閉じ込めていたのだが、ここ3日程忙しくて家に帰れていない。

娘の様子を見てきてほしい」と、頼まれ鍵を渡された暦は渋々と向かうのでした。

【承】余物語 のあらすじ②

不気味な部屋

家住の家まで車で向かう事になった暦だが、ふと後部座席を見るといつもよりも派手な服を着た式神童女「斧乃木余接」の姿が有りました。

どうやら暦の妹、月火の魔手から避難してきたようで「あいつ、頭がおかしいよ」とぼやきます。

くだらないやり取りをしながらも家に着いた暦は、最悪の場合死臭(腐臭)が漂ってくると構えてましたが幸いなことにその様な事態にはなっていませんでした。

娘の部屋を探していると、一つだけ鍵のかかった部屋が有りここが子供部屋だと察します。

家住から子供部屋の鍵はもらっていなかった暦はどうしようかと悩みましたが、余接がいとも容易くぶち破りました。

中に入り問題の籠の中を確認すると、その中には人形が入っていました。

それを見た暦は一安心しました。

これにより家住の異常さは更に際立ったが、もう専門的なカウンセラーに任せるのがいい、手を引くべきだと思わされました。

しかしふと人形を見ると、背中からナイフで刺されており固定されてました。

カギを返すついでにもう一度家住と話をしようと考える暦でしたが、家住は行方をくらましました。

【転】余物語 のあらすじ③

証拠隠滅

これからどうするべきかと悩んでいる暦の元に神原の親友、日傘星雨からなんとも読みにくいメールが送られてきました。

女子会という甘言に釣られた暦は愛車に乗って神原家に向かいます。

着くとそこに、神原の姿は無く代わりに、忍野扇(男ver)がいました。

どうやら留守番を頼まれたらしく、彼女たちが戻ってくるまで、監禁事件について話す事になりました。

そこで、家住の旦那の可能性に思いつくと同時に、家のドアを破壊したままにしてたことを思い出します。

急いでホームセンターに向かい、材料を買い強盗の如くこっそりと家住家に入りました。

子供部屋のドアを直そうとした暦はふと、人形の閉じ込められていた籠を見ます。

籠の鍵は複雑に破壊されており、中にいたはずの人形が家主同様姿を消していたのでした。

どこに逃げたのかと思考を巡らせる暦でしたが、よくよく考えるとまだこの家にいる可能性が高いと気が付きます。

警戒しながら探そうとする暦でしたが、恐ろしいスピードで成長していた怪異に拘束され、今度は自分が籠の中に閉じ込められてしまいました。

持ってきた工具を使いやっとのことで抜け出した暦でしたが、追跡手段の車をパンクさせられており、途方にくれます。

【結】余物語 のあらすじ④

依頼の真実

もう自分の手に負えないと思った暦は、余接の力を借りる事にします。

呼び出し方に難があり、怒りを露わにする余接でしたが、2人の友情もあるという事で5000円で引き受けてくれました。

再び家住家を訪れた2人は別々に捜索していると、突如として襲われます。

それは先刻暦が受けた襲撃と同じでした。

辛くも勝利した暦とは裏腹に圧勝の余接でしたが、階上に穴をあけたらしく、操作は打ち止めとなります。

一旦マンションから離れ再び捜索をしていると、大学の家住の個室にて置手紙が残されていました。

多数の言語が用いられており、簡単には読めなさそうでしたが暦の友人の力を借りて解析に成功します。

手紙によると彼女自身も幼いころから虐待を受けており、その反動が今になって表れてきていたようです。

そして自ら死を選ぼうとしていたようですが間一髪のところで暦たちが間に合い、事なきを得ます。

その後、たまたま日本に戻ってきていた翼に事の顛末を話し腑に落ちない点について納得する暦でした。

余物語 を読んだ読書感想

大学生になっても相変わらず不憫というか、事件に巻き込まれる体質の暦を中心としたシリアスな推理物の様相を見せつつも、いつもと変わらないギャグ要素も込められていて非常にバランスが良かったと感じました。

感情の無い余接を怒らせるほどに、月火の存在は彼女にとって脅威なのだと知りなんだか意外でした。

ところどころに暦の性癖も見せつつも、なんだかんだ言って友達に恵まれている暦なんだなと思わされました。

毎度のごとく今回もオチには驚かされ、よくこんなストーリーが思いつくなと感心させられます。

突飛なトリックを考えさせたら、この人が日本一といっても間違いないと思います。

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