【ネタバレ有り】鹿の王 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:上橋菜穂子 2014年9月に角川書店から出版
鹿の王 上巻の主要登場人物
ヴァン(ゔぁん)
物語の主人公。戦士団独角の頭として大帝国東乎瑠と戦うが敗れて囚われの身となる。
ホッサル(ほっさる)
物語のもう1人の主人公。天才的な医術師。
ユナ(ゆな)
ヴァンに拾われて育てられる、元気の良い幼子。
マコウカン(まこうかん)
ホッサルの従者。ホッサルに命を救われた過去がある。
サエ(さえ)
後追い狩人の中でも素晴らしい腕を持つ、狩人の頭であるマルジの娘。
鹿の王 上巻 の簡単なあらすじ
独角の頭として大帝国東乎瑠と戦ったヴァンは捕らえられて奴隷となっていました。アカファ岩塩鉱は地獄のように環境が悪く、ヴァンは近々自分も死ぬのだと覚悟していました。そんなある日、狼に似ているがやや小さい山犬が襲ってきて騒ぎになります。ヴァンは何とか撃退しますが、奴隷も看守もほとんどが噛まれました。その後から、一人、また一人と倒れていき、やがてヴァンも苦しみ始めます。
鹿の王 上巻 生き残った者 の起承転結
【起】鹿の王 上巻 のあらすじ①
大帝国東乎瑠と戦ったヴァンは捕らえられてアカファ岩塩鉱で奴隷となっていました。
ある日、狼に似ているがやや小さい山犬が襲ってきて騒ぎになります。
ヴァンは何とか撃退しますが、奴隷も看守もほとんどが噛まれました。
その後から、一人、また一人と倒れていき、やがてヴァンも苦しみ始めます。
意識の中で走馬灯のように過去を遡っていき、死の直前までいきますがギリギリのところで踏みとどまります。
目が覚めると激しい飢えと喉の渇きを覚え、周りを見てみると視界に入る全ての人が死んでいました。
ヴァンは鎖を引きちぎり脱走します。
岩塩鉱の中だけでなく、見回りの兵士や櫓の中の人も全て死んでおり、ヴァンはとりあえず食べ物を探して腹を満たします。
その時、子供の泣き声が聞こえ、辺りを探すと幼い子どもが一人生き残っていました。
十分に休息をとり身支度を整えてから、子供を連れて逃亡し交易都市カザンへ向かうことにします。
途中、足を怪我して動けなくなっている若者と出会います。
若者の逃げてしまった飛鹿を連れ戻すと、若者はトマと名乗りヴァンに共に来て飛鹿の扱いを教えて欲しいと請います。
ヴァンも名乗り、トマの手をガッチリと握りました。
【承】鹿の王 上巻 のあらすじ②
古オタワル王国の始祖の血を引く聖なる人々の一人であり、高名な医術師を祖父に持つホッサルは天才として帝国でその名を知らぬ物はいないほどに有名でした。
従者マコウカンも過去に命を救われた一人で、闘技場で重傷を負って死にかけていたところをホッサルの奇跡の手によって助けられました。
ホッサルは、アカファ岩塩鉱の全滅事件を聞き、調査をしにやってきます。
遺体を調べると黒狼熱の可能性があると分かります。
黒狼熱はかつてオタワル王国を壊滅させた恐ろしい病でした。
ホッサルは遺体を国の研究施設へ送ってもらうよう依頼し、次に兵士たちの話を聞きます。
兵士の話では、捕虜の中に生き残りはおらず、ちぎれた鎖が1箇所残っていたということです。
トゥーリムという老人の案内で岩塩鉱の中に入り調査すると、確かに鎖が切れていましたがマコウカンでもちぎることは不可能な太い鎖でした。
記録を調べ逃げたのはヴァンという男だと判明し、ホッサルは興味を持ちます。
ヴァンを探すため、狩人に追わせようとします。
頭のマルジは年老いており、トゥーリムの勧めによりマルジの長女サエに依頼します。
また、ホッサルはマコウカンにサエと共にヴァン探しを行うよう命じます。
サエは岩塩鉱や周囲の建物を調べヴァンの動きを追っていきます。
細かな手掛かりからヴァンの行動を正確に読む能力にマコウカンは驚かされます。
同時にトゥーリムがカザンで情報を集めると、トマという遊牧民が足に怪我をしており体格の良い男が付き添っていたと分かります。
ヴァンを追っている途中、サエとマコウカンは山犬の群れに襲われます。
サエは短弓、マコウカンは剣で迎え撃ちますが、サエは獣にのしかかられて崖から転落してしまいました。
【転】鹿の王 上巻 のあらすじ③
ヴァンはトマと共にカザンにて毛皮を売り、食糧などを買い込みトマの一族が暮らす集落へと行きます。
トマの一族は貧しく、病などで働き手を失い苦しい状況でした。
トナカイは税が高い為飛鹿を飼おうとしていましたが扱いが難しく困っており、飛鹿乗りのヴァンに対する期待は大きなものがありました。
ユナと名付けた幼子はすぐに慣れ、ヴァンも新しい暮らしの中に安らぎを得ることができました。
やがて春が近づき、雌鹿の出産の時がやってきます。
ヴァンはトマとトマの従兄弟3名に飛鹿の育て方や特徴を教えこみます。
最初はヴァンに慣れない従兄弟達でしたが、ユナを介して打ち解けることができ、とても仲良くなります。
あっという間に時間が過ぎていくほど充実した日々を過ごすことができ、ヴァンにとってはこの後何年経っても心に残る一年となりました。
ホッサルとマコウカンはアカファ王が王幡侯を招いて行なわれる御前鷹ノ儀に参加していましたが、突然山犬が襲ってきます。
多くの人が噛まれ、数日後に東乎瑠人のみが病を発症します。
ホッサルは助手のミラル、祭司医の真那と共に治療にあたります。
黒狼熱の治療薬はまだ開発に着手したばかりで、助けることは出来ずに発症した者は王幡侯の長男を含め全て死亡してしまいます。
治療にあたる中で、ホッサルは自分達と祭司医の違いについて気づかされます。
真那は疲れの取れる薬湯の調合を得意とし、死者の家族を慰める事もホッサルより遥かに上手く、ホッサルは自分と祭司医とは根本から役割が異なると認識を改めます。
アカファ王の甥マザイとその息子イザム、王幡侯の次男与多瑠の妻と子にも症状が出はじめます。
リムエッルも駆けつけ、開発中の新薬を使って治療にあたります。
新薬の効き目によりなんとか命をつなぐことができました。
【結】鹿の王 上巻 のあらすじ④
トマの一族を山犬が襲ってきたため、ヴァンは飛鹿を守ろうと外に出ます。
ヴァンは体から輝きを放ちながら山犬を次々と倒していき、山犬は撤退し始めます。
その時、ユナが子供とは思えない物凄い速さで山犬の後を追って駆けて行ってしまいました。
ヴァンも慌てて追いかけ、何とかユナを捕まえます。
後日、谺主の使者アッセノミが迎えに来ます。
ヴァンはユナと共に谺主の元へと向かう事を決めます。
谺主の元へと着くと、ナッカという男が出て来て谺主は出かけたばかりなのでしばらく待つようにと告げます。
ナッカの案内で湯場へと行き、そこでサエと名乗る女性と出会います。
翌日、谺主スオッルと会い話を聞くと、谺主はワタリガラスと話ができヴァンとユナが獣と共に駆けているのをワタリガラスが見たために呼び出したと言います。
話の最中、山犬が洞窟に入り込んでき、ヴァンが迎撃している間にユナが攫われます。
ヴァンは後を追い、サエも共に来てくれますが、戦いの中受けた矢に毒が塗ってあったのか気を失います。
オタワル聖領では、ホッサルが義兄トマソルと共に深学院長の元を訪れていました。
深学院長ロトマン、奥仕えの元締めチイハナに黒狼熱の驚異や治療薬の効き目について報告し、今回の件は人為的なものではないかとホッサルは推理を述べます。
トマソルは今回の件に火馬の民が関わっている可能性が高いと報告します。
山犬と狼を掛け合わせた半仔はキンマの犬と呼ばれ極めて優秀な猟犬であり、単に狼や山犬を介して病が広まるならもっと前から広い範囲で発生していてもおかしくないためです。
火馬の民は東乎瑠に強い恨みを持っており、動機も十分にあります。
チイハナの命令でホッサルが調査することとなります。
しかし、マコウカンの故郷でもある火馬の民の族都へ近づくとホッサルとマコウカンは襲われ捕らえられてしまいました。
鹿の王 上巻 を読んだ読書感想
飛鹿や火馬などの空想生物とトナカイや狼など現実にもいる生物が入り交じり独特な不思議な世界観となっています。
食べ物や人種、歴史、宗教など非常に細かく世界観を考えられており、読むほどにその世界の中に入り込んでいけるためとてもスラスラと読めます。
ホッサルの側では、発生した病に対して感染を防ぐにはどうするか、発症するまでにどんな症状が出るのかを調べていきます。
薬を開発するまでの過程がリアルに描かれており、病に対する抵抗力の強さが人によって差があり、その原因は何なのかを様々な視点から調べていきます。
効果のある薬が出来るまでには多くの犠牲が出てしまうのも残念ですが、現実的だなと感じました。
下巻では、ユナを追うヴァンと、黒狼熱の原因を追うホッサルが同じところに行き着きそうなので、二人が出会い話がどう展開していくのか楽しみです。
鹿の王 下巻の主要登場人物
ヴァン(ゔぁん)
物語の主人公。囚われていたが逃亡しユナを拾い育てる。元独角の頭で優秀な飛鹿乗り。
ホッサル(ほっさる)
物語のもう1人の主人公。天才的な医術師。
ユナ(ゆな)
ヴァンに拾われて育てられる、元気の良い幼子。
マコウカン(まこうかん)
ホッサルの従者。オタワル奥仕えの一族の出身だが家出した過去がある。
サエ(さえ)
後追い狩人の中でも素晴らしい腕を持つ、狩人の頭であるマルジの娘。
鹿の王 下巻 の簡単なあらすじ
意識を失っていたヴァンは目が覚めると目の前にはサエがいました。サエはアカファ王の狩人でありヴァンを追うよう命じられていたと言いますが、ヴァンが意識を失っていた間には何もしておらず、そのまま立ち去ります。サエはあえて足跡を残しながら先を行ったようで、ヴァンは労せずしてユナを攫った者の後を追うことができました。やがていくつもの天幕が張られている場所に着くと、男が出て来てヴァンを待っていたと話しかけてきます。
鹿の王 下巻 還って行く者 の起承転結
【起】鹿の王 下巻 のあらすじ①
意識を失っていたヴァンは目が覚めると目の前にはサエがいました。
サエはアカファ王の狩人でありヴァンを追うよう命じられていたと言いますが、ヴァンが意識を失っていた間には何もしておらず、ヴァンが理由を尋ねると複雑な事情があるとだけ答えそのまま立ち去ります。
サエはあえて足跡を残しながら先を行ったようで、ヴァンは労せずしてユナを攫った者の後を追うことができました。
やがていくつもの天幕が張られている場所に着くと、男が出て来てヴァンを待っていたと話しかけてきます。
天幕の中に招き入れられるとヴァンは老戦士を抑え込み相手の中の族長に対して怒りをぶつけます。
族長はオーファンと名乗り、このような事をしたのは復讐の為だと話します。
東乎瑠に征服され故郷を追われたものの、キンマの犬を手に入れました。
キンマの犬は毒の牙により東乎瑠人のみを殺すことの出来る力を持っているというのです。
このキンマの犬を使って東乎瑠人を皆殺しにして故郷を取り戻すのがオーファンの成すべきことでしたが、ヴァンは賛同出来ませんでした。
確かに故郷を追われはしたものの、東乎瑠人も人であり誰かれ構わずに殺すと言うほど憎しみを覚えませんでした。
また、ヴァンは妻と子供を病で亡くしているため、病を用いて人を殺すということに強い抵抗がありました。
夜、ヴァンは夢の中で犬の王ケノイと話し、跡を継げるのはヴァンだけだと言われます。
ケノイと心で繋がりその寂しさに共感すると涙が止まらなくなるヴァンでしたが、天幕に入ってくる人の気配に目を覚ますとそこには義兄ザッカがいました。
【承】鹿の王 下巻 のあらすじ②
目を覚ましたマコウカンは、自分の実家に縛られており、姉から事情を聞かされます。
今は何も知らない木偶のふりをし、ホッサルと自分の命を救えるように動けと命じます。
ホッサルは丁重に扱われており、何故か助手のミラルもやってきたところでアカファ王の懐刀トゥーリムが現れます。
トゥーリムは今までの経緯を説明し、火馬の民はキンマの犬を使ってこの地をアカファ人しか住めない土地だと認識させ、東乎瑠人を追い出そうと画策していると話します。
これを止めることの出来るのはホッサルしかいないため、何とか協力して欲しいと懇願されます。
新たな病人を見つけホッサルとミラルは手当にあたりますが、マコウカンは見たくない気持ちがあり外をウロウロしているとユナと出会います。
ヴァンの故郷ガンサ氏族は故郷を追われた火馬の民を受け入れ協力関係にありました。
ガンサは独角を失ってから西のムコニアからの侵略に苦労しており、火馬の民の戦力はとても頼りになりました。
次のムコニアの襲来時にケノイは魂の存在となりヴァンと同化し、ムコニアをキンマの犬で襲います。
さらに犬が東乎瑠人まで襲おうとした際、ヴァンは抵抗し頭が弾けるような痛みを感じた所でケノイとの同化が解けます。
気がつくと、生身のケノイが矢を受け倒れていました。
矢を射た女が捕らえられオーファンは処刑を命じますがヴァンは女を助け飛鹿に乗って逃亡します。
ムコニアの服を纏っていた女はサエであり、事情を聞くとアカファ王は当初火馬の民に協力的でしたが、黒狼熱はアカファ人にとっても脅威だと分かるとこれ以上の協力は危険だと判断したそうです。
ヴァンは引き続きユナを探すため、サエに協力して欲しいと頼みます。
火馬の民はアカファ王の後ろ盾を失い、オーファンはザッカにこれまでの礼をするとガンサ氏族の元を離れ最後の戦いに挑むと宣言します。
【転】鹿の王 下巻 のあらすじ③
ユナ、ホッサル、マコウカン、ミラルは火馬の民と沼地の民によって岩牢に入れられます。
また、トゥーリムも捕らえられますが、ヴァンとサエはちょうどその場面を目撃し、沼地の民の中にユナを攫ったナッカがいるのを発見します。
ユナはナッカの従妹の娘であり、ナッカは従妹とその娘を憐れみ気が進まないながらも火馬の民に協力していました。
岩牢ではミラルがダニに噛まれ黒狼熱を発症しかけており、そこへユナの様子を見に来たナッカが現れたため、ホッサルはナッカに薬を持ってくるよう頼みます。
ナッカが薬を取りに行く途中、ヴァンが暗闇から現れユナの居場所を聞きだそうとします。
ナッカは殺されないように必死に事情を話し、ヴァンは沼地の民に扮してナッカと共に岩牢へと向かいます。
岩牢に入るとそれまでスヤスヤ寝ていたユナが飛び起き、泣きながらヴァンに抱きついてきます。
ホッサルは薬を受け取るとミラルの処置を済ませます。
落ち着いてナッカと共に入ってきた男を観察すると明らかに沼地の民では無く、誰なのかと不思議に思います。
ホッサルとヴァンが少し言葉を交わしていた所で、外で騒ぎが起こりマコウカンの姉達が助けに来ます。
岩牢から抜け出した後、ヴァンは再びホッサルと話をします。
ホッサルは自分に敬語を使わないことを尋ねますが、ヴァンは年上にしか使わないのがガンサ氏族では普通であり、最も敬うのは鹿の王だと答えます。
ヴァンは自分の身体に起きている変化についてホッサルに説明を求めます。
話をしていくうちにホッサルとミラルはある程度黒狼熱に対する抵抗力の原因と薬の素となりそうなものに目星がつきます。
ヴァンとホッサルは再会を約束して別れ、ヴァンはサエと共にユナを連れてトマ達の元へと帰る旅に出ます。
【結】鹿の王 下巻 のあらすじ④
ヴァンは以前話の途中で終わっていたため、谺主と話の続きをする為にスオッルを訪ねます。
谺主は、黒狼熱を心配しておりヴァンに魂になっている時に病の元を見ていないか尋ねます。
しかしヴァンはケノイが死んだためもう心配は要らないと答えますが、谺主はケノイ死後も黒狼熱に罹る患者を見ていました。
ヴァンはカザンにてトマ達と再会し喜びあった後、同じくカザンへ来ていたホッサルの元を訪れます。
ホッサルの義兄トマソルの助手シカンは火馬の民であり、ヴァンはシカンの座っていた椅子からキンマの犬の臭いをかぎとります。
ヴァンはマコウカンとサエと共にシカンを追います。
シカンはオーファンと合流し火弾を準備していた事までは突き止めます。
翌日、飛鹿乗り競技の最中にオーファンが火弾を手に乱入してきます。
ヴァンが飛鹿で囮になっている間にサエの矢により頭を射抜かれオーファンは死亡、火弾が爆発した衝撃でヴァンは意識を失います。
意識を取り戻した後でもシカンはまだ見つかっておらず、ヴァンはある事を閃きます。
しかし、シカンの作戦を阻止するには鹿の王のように自分が犠牲になるしか無く、ユナを託すことのできるトマ達と出会えたことに感謝し覚悟を決めます。
ホッサルはヴァンから話を聞くとシカンとキンマの犬を東に逃がしたのはリムエッルだと判断し、祖父リムエッルを問い詰めます。
リムエッルはオタワルの未来を考え、祭司医長交代が憂慮されるためにキンマの犬を利用することにしたと話します。
シカンは東乎瑠人を襲うと見せかけてアカファ王の狩人モルファを襲います。
しかし、モルファが危うくなった所でヴァンが現れキンマの犬を引き連れ遠くへと去って行きました。
モルファの手当をするホッサルの元へ、ユナに案内されたトマ達が現れヴァンを追いかけると告げます。
サエもモルファを抜け共に行くことを決め、トマ達は森の奥へと入っていきました。
鹿の王 下巻 を読んだ読書感想
病との戦い、侵略してくるムコニアの脅威、東乎瑠人との調和と共生、古オタワル王国と奥など、アカファ王国にとっては様々な問題が山のようにあります。
その中で、アカファ王は故郷を追われた者たちが復讐しようと考える気持ちもよく分かる上、アカファだけのアカファ王国をもう一度取り戻したいと夢見てしまい今回の事件が起きてしまいます。
ヴァンは完全に巻き込まれた形ですが、ホッサル、アカファ王、火馬の民など多方面から追われ、ユナと共にトマの一族と暮らした束の間の幸せな時間も奪われてしまい物語の核心に関わっていきます。
最後は鹿の王のように自らが犠牲となり、多くの者を助けようとしてキンマの犬と共に姿を消しますが、独角であった頃とは違いユナやトマ達と家族になれたことに感謝します。
またトマ達も他人であったヴァンとユナを一族で迎え入れてから、飛鹿の乗り方や育て方を教わりながら何年も共に過ごし本当の家族のように感じていました。
ヴァンが遠くへ行ってしまってもユナなら必ずヴァンを見つけ、またトマ達と共に生活できるようになるのだろうなと思います。
ヴァンには新たな家族と暮らして幸せになって欲しいと強く思えるような主人公でした。
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