「冷たい校舎の時は止まる」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|辻村深月

「冷たい校舎の時は止まる」

【ネタバレ有り】冷たい校舎の時は止まる のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:辻村深月 2004年6月に講談社から出版

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冷たい校舎の時は止まるの主要登場人物



鷹野博嗣(たかのひろし)
本作の主人公。県内一の進学校である青南学院高校の3年。学級委員長を務めており、学年で2人しかいない入学金が免除されるB級特待生の1人、陸上部に所属していました。

辻村深月(つじむらみづき)
作者と同姓同名の本作のヒロイン。青南学院高校3年で、鷹野とは幼馴染。小柄で線が細く体はあまり丈夫ではありません。高校3年の春〜夏頃、仲の良かった角田春子から成績のことで僻まれ、一方的に傷つけられていくうちに拒食症とうつ病を発症していた過去があります。

榊(さかき)
青南学院高校の教員であり、鷹野や深月のクラス担任。26歳と若く茶髪にホストのようなスーツを着用し、耳には金色のピアスをしています。鷹野とは従兄弟であり実家も近いことから幼い頃より仲が良いです。鷹野と幼馴染である深月のことも教員になるよりはるかに昔からよく知っています。

冷たい校舎の時は止まる の簡単なあらすじ

雪が吹雪く大学受験目前の冬の寒い日、無人の校舎に8人の学級委員仲間が閉じ込められます。秋の学園祭の時に1人の生徒が自殺したのですが、何故か誰もその名前を思い出せません。このため、その自殺した生徒が8人のうちの1人であり、閉じ込めている犯人では無いかと推測します。学園祭で自殺者が飛び降りた時刻になると1人ずつ消されていきます。残されていくメンバーが減っていくと共に犯人が絞られていき、最後に謎が解き明かされます。

冷たい校舎の時は止まる の起承転結

【起】冷たい校舎の時は止まる のあらすじ①

冷たい校舎に閉じ込められた8人

凍えるほどに寒く雪が吹雪く中、大学受験を間近に控えていることもあり、青南学院高校3年の鷹野博嗣、辻村深月、藤本昭彦、桐野景子、片瀬充、清水あやめ、菅原、佐伯梨香の8人は通常通り登校します。

しかし、学内には8人以外の教員や生徒は誰もおらず不審に思います。

もし休校であれば、生徒会副会長である景子や学級委員長である鷹野には真っ先に連絡が入るはずですがそれも来ていません。

菅原はすぐに帰ろうとしますが、出入口は全て開かなくなっていました。

手分けして学内を調べるうち、登校したばかりで9時過ぎだったはずが、時計が5時53分で止まっていることに気づきます。

学園祭の時に自殺した同じクラスの生徒が飛び降りた時刻であり、8人の共通点は学級委員であることから、学園祭時の自殺が今回の閉じ込めと関係があるのではと考えますが誰も飛び降りた生徒の名前が思い出せません。

教員室で見つけた学園祭直後に撮った写真には7人の学級委員と担任である榊が写っていました。

1人足りないことから、8人のうちの誰かが自殺者では無いかと疑い始めますが、誰が足りないのか再確認しようとしたところ写真は消えてしまっていました。

清水は海外での集団失踪事件の例を出し、精神世界の中に人が取り込まれてしまうという仮説があり、自分達も同じ状態に置かれているのではないかと話します。

もしその仮説が正しいとすると、誰か1人がこの世界に残り蓋をする役目を担う必要があります。

ただし、残った1人は現実には帰れなくなります。

仮説が本当に正しいのか、誰が自殺したのか、どうやったら帰れるのか、8人は時間の止まった凍える校舎の中でそれぞれに推理を始めます。

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【承】冷たい校舎の時は止まる のあらすじ②

消えていく仲間達

8人は学園祭の頃の記憶を辿ったり、過去の出来事を思い出しながら自殺者は誰なのか考えます。

自殺があった学園祭当日の記憶では、8人全員にアリバイとも呼べる記憶があり、半数以上は飛び降りるところをを直接見ていました。

しかし、肝心の誰なのかは思い出せないため、8人の中で自殺する動機が有りそうなのは誰なのかという所から推理をします。

最も可能性が高そうなのは深月で、過去に角田春子から嫌がらせを受けていた頃であれば確かに自殺していてもおかしくないくらいの状態でしたが、今は立ち直っており学園祭の頃には元気だったはずです。

しかし、鷹野は学園祭当日の記憶を辿ると、自殺があった時刻の少し前に深月が必死に自分を探していると言われたことを思い出し、自殺したのは深月では無いかと考えます。

また昭彦も同様に考えますが、深月は自殺するほどの状態からは脱していたはずと鷹野を励まします。

その後、皆疲労の色が濃くなり休息を取りますが、眠れない充はシャワーを浴びに行きます。

そこで充は恐ろしい目に合うと共に自殺者を思い出しますが姿を消しマネキンにされてしまいます。

残されたメンバーはマネキンになることがこの世界から帰ったという事だと理解します。

各メンバーの回想が随所に描かれ、それぞれ自殺する程ではないものの、実は辛い思いを抱きながら生きていることが分かります。

次の5時53分には昭彦が、さらにその次は清水がマネキンにされ現実へ帰ります。

これで残されたのは鷹野、深月、菅原、景子、梨香の5人となります。

【転】冷たい校舎の時は止まる のあらすじ③

残される2人

景子は梨香と幼馴染で家庭の事情もよく知ることから、梨香が自殺者では無いかと疑います。

梨香は確かに死にたいほどの思いを抱えていた時期もありましたが、榊との出会いをきっかけに立ち直っていました。

そして次にマネキンとなって消えてしまいます。

これまでの間に深月は様々な形でこの世界のホストから痛めつけられていましたが、ここにきて左腕にリストカットの傷が現れ出血が止まらなくなります。

菅原はホストは深月であると読み、深月と最も深い関係にある鷹野と深月こそが最後に残されると鷹野にと告げ、1人その時が来るのを待ちます。

菅原は5時53分になるとこれまで登ることが出来なかった3階より上に行けることに気づき、必ず自分がこの世界のホストを救うと覚悟を決めて階段を登ります。

その先には極寒の世界が待っており、割れた窓ガラスを受け菅原は傷つき倒れかけます。

一方、景子もまた1人教室で5時53分を待ち受け、現れた化け物と対峙します。

景子に瓜二つの化け物は景子に対し、3階より上にも行けるが玄関も開くようになったので帰ることもできる、どちらを選ぶかと尋ねます。

迷うことなく景子は帰ることを選び、校舎の玄関から出ていきます。

これで菅原の言った通りに残されたのは鷹野と深月だけになります。

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【結】冷たい校舎の時は止まる のあらすじ④

解決編

深月はこのタイミングで生理が来たことに愕然とします。

拒食症になって以降、半年以上も生理が来なくなっていたためです。

鷹野は深月を落ち着けるために睡眠薬で眠らせ、1人次の5時53分を迎えます。

その時が来ると、鷹野は学園祭当日に戻り再び自殺を目撃させられた後、気がつくと校舎の4階に移動していました。

そこには榊がおり、ホストは深月であり自殺者は角田春子だということを聞かされます。

角田春子の自殺の一因に深月が関わっていたため、深月は自身を責め自殺を図り現実の世界では深月は生死の境をさ迷っているというのです。

そこに深月が現れ、榊のことを菅原と呼びます。

菅原=榊であり、榊はこの世界ではホストの深月により7人の同級生として存在させられていたと判明します。

鷹野が説得を試みますが、深月は拒絶し上へと逃げていきます。

逃げる間に記憶を取り戻したため、深月は鷹野に「みんな、忘れて」と言い屋上から飛び降り、榊が深月を助けようと続いて飛び降ります。

悲しむ鷹野は光に包まれ元の世界に戻ります。

現実の世界では、深月は榊のアパートで自殺を図ったものの榊がすぐに救急を呼び病院に運ばれます。

運ばれた先は景子の両親が経営する病院であり、また残りのメンバーも元の世界に戻った時から連絡を取り合っておりすぐに駆けつけます。

緊急手術の後、深月は一命を取り留めることができました。

卒業式後、榊は姿を消し、学級委員のメンバーはそれぞれの進路へと進みます。

2年後、榊の母親から榊からの手紙を受け取り、鷹野は本当にそこに榊がいるのか確認しに行きます。

最寄り駅に着いた時、ふと隣の車両を見ると角田春子が立っているのを見かけます。

彼女は鷹野に微笑みかけた後で消えるように姿が見えなくなりました。

冷たい校舎の時は止まる を読んだ読書感想

全体として、登場する男メンバーは全員カッコよくて優しくてモテそうな人ばかりです。

それに対して女メンバーはそれぞれ心に闇を抱えている感じです。

一人一人のキャラクターが立っていて魅力的なところが良い点だと思います。

また、ストーリー構成は面白くて読みやすく、中盤までは自殺したのは誰なのかの推理もできて楽しかったです。

大きく印象に残ったのは、角田春子と辻村深月の性格の悪さです。

角田春子は、完全な僻みから深月に対して無視や悪口などの嫌がらせを始め、だんだんと行為がエスカレートしていくと深月の方が拒食症になり食べても吐いたりしていきます。

それを見て春子はさらに被害妄想を強め、自分への当てつけだとか言いながら益々深月への当たり方が酷くなります。

さらに、それに気づいた鷹野達が深月を守るようになると、今度は深月が鷹野達に対して春子の悪口を言っていると勝手に妄想し始めるなど、完全に春子はヤバい人でした。

確かにイケメンに囲まれてる深月が羨ましくもあったのでしょうが、それにしても酷いイジメでした。

昭彦などは明らかに春子に対して嫌悪感を示していましたが、それでも深月は自分の言動に問題があるから春子はあんな態度をとるんだなどと言い続けており深月は深月でかなりヤバい性格です。

何でそこまで卑屈になるのか分からないくらいに自分を責め続けます。

元々精神的にもあまり強くない上に一方的に痛めつけられ続けることで、心が壊れてしまっていたのだと思います。

その挙句の果てが自らの精神世界に仲の良い学級委員の友達と榊を閉じ込め、春子の自殺の責任を皆にも負わせるというのですから、深月もまた相当にヤバい性格だと感じました。

ただ、途中までは深月は普通な人に見えますし、春子も最後の方では深月の精神世界に蓋をしたりまともな人になっています。

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