「本日は大安なり」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|辻村深月

本日は大安なり

著者:辻村深月 2011年2月に角川書店から出版

本日は大安なりの主要登場人物

山井多香子(やまいたかこ)
主人公。出版社の経理を辞めてウェディングプランナーに転職する。

加賀山妃美佳(かがやみか)
金属会社の事務職。双子の姉・鞠香がいる。

大崎玲奈(おおさきれいな)
多香子が担当する新婦。クレームが多い。

白須真空(しらすまそら)
7歳。薬剤師をしている叔母のりえからリングボーイを頼まれる。

鈴木睦雄(すずきむつお)
会社員。妻の貴和子とはうまくいっていない。仕事で知り合った三田あすかから結婚を迫られる。

本日は大安なり の簡単なあらすじ

ホテル・アールマティでは4組の結婚式が行われていて、加賀山妃美佳は双子の姉に協力してもらって新郎の愛を確かめます。

白須真空は母親の妹が毒殺されると勘違いしていましたが、結婚式の余興と分かってひと安心です。

鈴木睦雄は浮気相手との結婚式を中止にするために放火をするつもりでしたが、本当の火事が起きて助かります。

2年後に睦雄は妻の貴和子とアールマティの模擬披露宴に参加して、チーフプランナーの山井多香子にごく内輪でのパーティーをお願いするのでした。

本日は大安なり の起承転結

【起】本日は大安なり のあらすじ①

双子姉妹のたくらみとクレーマー新婦

11月22日の日曜日は大安で、ホテル・アールマティのウェディングサロンでは4組の結婚式が行われていました。

11時30分から式を挙げる加賀山妃美佳には、双子の姉・鞠香がいます。

顔は同じでしたが子供の頃から鞠香は活発で友達が多く、妃美佳の方は引っ込み思案で目立たない性格です。

妃美佳は大学を卒業した後に貴金属会社の総務部に就職して、同僚の相馬映一と付き合い始めてまもなく結婚が決まります。

妃美佳は大学を卒業した後に勤め先の同僚・相馬映一と婚約しますが、彼が鞠香ではなく自分を選んだことが信じられません。

鞠香に式当日に花嫁と入れ替わってもらい、式が終わるまでに見抜けなければ映一と別れるつもりです。

12時30分からは大崎玲奈の結婚式が始まりますが、今日までに彼女を受け持ってきた山井多香子は不安でいっぱいでした。

打ち合わせ日程が玲奈の意に沿えなかったり、招待客リストの名前に誤字脱字があったり。

結婚式が行われる朝はチャペルのベルを鳴らすのが恒例で、多香子は今日1日が無事に終わるように祈りながらロープを引っ張ります。

【承】本日は大安なり のあらすじ②

姫を守る小さな勇者と火遊び男

13時30分からは白須真空の母親の妹・りえが花嫁になりますが、何としてでも阻止するつもりです。

相手は同じ薬局で働いている東誠でしたが、彼が職場の駐車場で見知らぬ女性と怪しげな話をしている場面に真空は出くわしています。

「リンゴの中に入れてりえに食べさせる」というふたりの声を聞いて、真空はりえと一緒に見た映画「白雪姫」に出てくる毒リンゴのことだと確信しました。

りえのお気に入りのカチューシャを隠したり頼まれていたリングボーイの役目でわざと転んだりしてみましたが、いずれも裏目に出てしまいます。

17時30分から鈴木睦雄は三田あすかと挙式することになっていますが、彼にはすでに貴和子という妻がいました。

取引先の会社で働いていたあすかと不適切な関係を続けるようになって2年がたちましたが、いまだに睦雄が既婚者だとはバレていません。

睦雄が持ってきたカバンの中には灯油をつめたペットボトルが入っていて、式場に火を放てばイブニングの式は中止になるでしょう。

【転】本日は大安なり のあらすじ③

煙が立ち込める中での夫婦の誓い

玲奈の式が行われている最中に、会場が暗くなって片隅で待機していた多香子にスポットライトが当てられました。

今日までわがままな要求やむちゃな相談に乗ってくれた多香子に、玲奈は感謝の言葉と花束を送ります。

りえはお色直しの時に白雪姫のドレスで戻ってきて、いつか真空が薬局の駐車場で見た女性は魔女の格好です。

リンゴをひねるように動かすとたちまち真ん中からふたつに割れて、宝箱に入った婚約指輪が出てきました。

東がリンゴを手にしてうれしそうに白雪姫に近づいていくのを見て、真空は心の中で「りえちゃんを、どうかよろしく。」

とつぶやきます。

トイレの個室に隠れながら睦夫が火をつけるチャンスを伺っていると、厨房のオーブンから出火してけたたましく防災ベルが鳴り響きました。

加賀山家と相馬家の式は終盤に差し掛かっていましたが、列席者たちが一目散に出口へと雪崩れ込んだためにパニック状態です。

映一は鞠香になりすましていた妃美佳のすぐ前に手を差し出して、はっきりと「妃美佳」と呼び掛けます。

朝から姉妹の入れ替わりに気が付いていたという映一の言葉を聞いて、ようやく妃美佳はこの人と結婚する覚悟を決めました。

【結】本日は大安なり のあらすじ④

遅れてきた大安

ホテル・アールマティの火事は当初はマスコミに騒がれ、当初は客足が遠のきました。

状況が思わぬ形で好転したのは、地元ニュースで玲奈のインタビューが取り上げられてからです。

結婚式の費用が無料になったこと、ホテルのスタッフが誠心誠意に対応してくれたこと、みんなの記憶に残る式になったこと。

アールマティの評判は口コミで広がっていき、若いカップルたちがウェディング・フェアに足を運んでくれます。

2年後にチーフプランナーに昇格した多香子が、模擬披露宴の参加者リストの中に見つけたのは鈴木睦雄の名前です。

新婦の欄には鈴木貴和子と書いてあって、2年前の三田あすかの名前ではありません。

ふたりはすでに結婚して数年がたって子供も授かっているようで、ごく簡単な食事会と親しい人たちを招いてのパーティーを考えています。

睦雄たちの担当になった多香子はスケジュール確認のために、「日程は、大安をご希望ですか」と笑顔で問いかけるのでした。

本日は大安なり を読んだ読書感想

年齢から職種までバラバラな4組のカップルの、結婚式当日の様子が慌ただしく進行していく展開に引き込まれました。

美しき双子の妃美佳と鞠香が、結婚相手に仕掛けた究極のサプライズにはハラハラされます。

普段からひそかに思いを寄せていたおばさんを助けるために、小さな体で広々としたホテルの中を奔走する白須真空もかわいらしかったです。

がいながらいつの間にや浮気相手との結婚式を迎えることになり、揚げ句の果てには放火を思いつく鈴木睦夫の身勝手さにはあきれてしまいます。

多くのトラブルやクレーマーに悩まされながらも、幸せを請け負うプランナーとして成長していく山井多香子に励まされました。

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