「海辺のカフカ」のあらすじ&結末までのネタバレと感想|村上春樹

海辺のカフカ(村上春樹)

【ネタバレ有り】海辺のカフカ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:村上春樹 2002年9月に新潮社から出版

海辺のカフカの主要登場人物

田村カフカ
15歳の少年。昔母親に捨てられた傷を負う。家出をする。

ナカタさん
猫と話せる男性。知的な障害がある。

佐伯さん
香川の甲村図書館の館長。

海辺のカフカ の簡単なあらすじ

15歳の少年「田村カフカ」は、父親からかけられた呪いの言葉から脱出するために家出をし、香川に向かいます。一方、全く別のところで、猫語を話せる「ナカタさん」は人から猫探しを頼まれながら過ごしていました。その中で、「猫殺し」に出会い、ひょんなことからその男を殺してしまいます。全く別の場所で生きる2人の人生には、不思議と繋がりがあり…。

海辺のカフカ の起承転結

【起】海辺のカフカ のあらすじ①

旅のはじまり

田村カフカは、都内で父親と二人暮らしです。

昔母親から捨てられたことがずっと心の傷となっているカフカは、15歳の誕生日に父親からかけられた、「お前はいつか自分の手で父親を殺し、母と姉と交わるだろう」という言葉から脱出するために、「カラス」と呼ばれる少年からアドバイスをもらいながら、家出をします。

そして深夜バスで四国を目指します。

その中でさくらという女性と出会います。

四国に着いてしばらくは、ホテルとジムと図書館に規則正しく通っていたカフカでしたが、ある日目覚めると、自分が森の中で血だらけで倒れていたのです。

驚いたカフカは、夜行バスで出会ったさくらに連絡し、さくらの家に泊めてもらいます。

また、ナカタさんは、都からの補助を受けながら、日々つつましく生活をしている男性です。

小さい頃の事件で脳に障害が残っており、読み書きや知的な能力が弱いのです。

そのかわり、ナカタさんは猫と話すことができるため、近所の人から猫探しを頼まれながら暮らしていました。

そんなある日、猫探し中に出会った猫殺しの男を、猫を助ける代わりに殺害してしまいます。

その男性は実はカフカの父でした。

そして、トラック運転手の星野と出会い、何かに導かれるように高松へ向かいます。

ナカタさんには、「入口の石」を探すという使命があるのでした。

【承】海辺のカフカ のあらすじ②

香川へ

カフカは、さくらの家を出て、甲村図書館に向かい、そこで、司書の大島さんに泊めて欲しいとお願いをします。

すると大島さんは、館長に許可をとらなくてはいけないので自分の持つ別荘に泊まってはどうかと提案します。

そしてカフカは高知に向かうのでした。

カフカはしばらく高知でゆっくり生活をしていたが、司書の大島さんが迎えに来てくれ、図書館で生活することになります。

一方、甲村図書館の館長の佐伯さんは、幼い頃から順風満帆な生活の中で育ってきました。

そんな中、許嫁の甲村少年は東京の大学に行ってしまい、佐伯さんは音楽大学に進みました。

そして、20歳の時に許嫁は若くして亡くなってしまいます。

佐伯さんは行方不明になり、その25年後に高松に帰ってきて、図書館の責任者になりました。

カフカが寝泊まりしていたのは、亡くなった甲村少年が使っていた部屋だったのです。

そのうちに、毎晩15歳の佐伯さんの幽霊がその部屋を訪れるようになり、カフカは恋をします。

そしてふたりは関係を持ちます。

カフカはなんとなく佐伯さんが自分の母親なのではないかと思っていましたが、佐伯さんは答えてくれません。

また、大島さんは、女性の身体を持つ男性でした。

カフカに対していつも様々なことを話してくれます。

【転】海辺のカフカ のあらすじ③

図書館

ナカタさんは、「入り口の石」を探すべく、トラック運転手のホシノさんの協力を得ながら甲村図書館へとたどり着きます。

そこで佐伯さんと会って話し、佐伯さんはナカタさんに、自分がこれまで書いて来た自分の記録を消して欲しいということをお願いします。

その後、佐伯さんは机に突っ伏すように亡くなっていました。

その頃、カフカの父が殺されたことから、警察はカフカを追っていました。

それを知ったカフカは、もう一度高知の小屋へ逃げ込みます。

そしてそこで、嫌がるさくらを犯す夢を見て、カフカはなんとも言えない気持ちになります。

そしてカフカは森の中をどんどん進み、途中で荷物も全て捨ててしまいます。

すると、昔その場所で戦争の演習中に行方不明になったという、2人に会います。

2人が言うには、その場所には時間の概念がなく、入り口は少しの間しか開かないので、このままいれば戻れなく可能性があるとのことでした。

そこには15歳の佐伯さんや現在の佐伯さん、本のない図書館もありました。

現在の佐伯さんは、もう自分は死んでしまったけれど、カフカには生きていって欲しいと言い、1枚の絵を渡します。

その絵のタイトルは、「海辺のカフカ」でした。

【結】海辺のカフカ のあらすじ④

閉じる

一方、ナカタさんとホシノさんは、図書館を出た後に佐伯さんの記録を燃やします。

ナカタさんはそのあと、役目を終えたかのように、眠るように亡くなってしまいました。

遺されて「入り口の石」を閉じる役目を負ったホシノさんは、その時がくるまで、しばらくナカタさんの亡骸と一緒に過ごします。

ホシノさんはナカタさんの特徴を受け継いだようで、猫と話せるようになっていました。

そして、猫から、「邪悪なものが入り口の石を狙いに来る」と告げられます。

実際に、夜中になるとその邪悪なものが現れました。

白くて奇妙な形をしており、なかなか倒すことができませんでしたが、ホシノさんはなんとかそれを殺し、それを袋に詰めて焼きました。

その後、ナカタさんのことを警察に通報します。

カフカは森を出て、高知の小屋へ戻りました。

するとそこには大島さんの兄がいました。

そして一緒に図書館へ向かい、大島さんに挨拶をします。

図書館は大島さんが継ぐということでした。

カフカは全てを終えた気持ちで東京に戻り、もう一度学校に行こうと決意したのでした。

海辺のカフカ を読んだ読書感想

全体的にとても抽象的な話で、人によってはわかりにくいと感じるかもしれません。

しかし、登場人物の台詞には言いたいことをそのままわかりやすく言っている部分がたくさんあり、きっと誰しもが、自分にとって大切であろう一言に出会うことができます。

自分にとっての入り口の石はなんなのか、自分にとってのホシノさんは誰なのか、当てはめながら読んでも面白いかもしれません。

これは少年の成長の物語であり、その成長の裏にはたくさんの人の支えがあります。

そして、周りの家族はそれぞれが役目を果たすと人生を終えていくという、この世界の縮図のような物語でした。

コメント

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