監督:三宅喜重 2011年4月に東宝から配給
阪急電車 片道15分の奇跡の主要登場人物
高瀬翔子(中谷美紀)
優秀な仕事ぶりを見せるOL。結婚を控えていたものの、直前で別れることになった。
森岡ミサ(戸田恵梨香)
兵庫県内の大学に通う女子大生。
萩原時江(宮本信子)
元教師の経歴を持つ年配の女性。
阪急電車 片道15分の奇跡 の簡単なあらすじ
大阪から兵庫県内を繋ぐ阪急電車は、毎日幅広い年齢層の乗客を乗せています。
その中でも、兵庫県内を中心に走る今津線には、往復15分という短い道のりながら、様々な背景を抱えた乗客たちがいます。
元婚約者の結婚式に参加したOLの翔子、恋人との関係性に悩んでいる女子大生のミサ、孫とともに電車を利用している時江たちは、同じ電車に乗り合わせてささやかな交流を始めるのでした。
阪急電車 片道15分の奇跡 の起承転結
【起】阪急電車 片道15分の奇跡 のあらすじ①
OLの翔子は、社内でも評判になるほどの優秀な仕事ぶりを見せながら、同僚で入社1年目から交際していた恋人と結婚を控えて結婚式の準備に追われる毎日を送っていました。
しかし、結婚が近づく中で喧嘩が増えていた状況に、翔子と友人であり同僚でもある女性がつけこみ、翔子の恋人との間に子どもをもうけたため、翔子は恋人と別れることになってしまいます。
女性の行動も恋人の浅はかさも許せない翔子は、婚約不履行で訴訟を起こさない代わりに2人の結婚式に自分を招待することを条件に提示します。
それから、ウェディングドレスのような白いドレスを着用して結婚式に参加した翔子は、結婚式の帰りに阪急電車の今津線に乗り込みます。
元恋人と結婚できなかった辛さを抱えながら電車に揺られていた翔子は、近くにいた乗客の年配の女性・萩原時江から何があったのかと話し掛けられます。
翔子が、元恋人の結婚式に参加したことを包み隠さず話すと、時江は翔子の行動に賛同しつつ、今後の人生について励ましの言葉を送るのでした。
【承】阪急電車 片道15分の奇跡 のあらすじ②
兵庫県内の大学に通う女子大生の森岡ミサは、時江と同じ電車に乗り合わせていました。
一緒にいた恋人のカツヤと、偶然目撃した翔子のウェディングドレスをきっかけに話し始めた結婚式のマナーに関する話題で、ミサはカツヤの怒りを買ってしまい、カツヤに暴力を振るわれた上、カツヤが電車を降りて帰ってしまいます。
そんなミサを見ていた時江は、ミサにカツヤと別れた方が良いのではないかと言葉を掛けます。
ミサは、これまでカツヤを愛しているがゆえに、暴力を振るわれても我慢して過ごしていましたが、時江の言葉で冷静になり、カツヤが自分に対して横暴な振る舞いばかりしていることを思い返し、別れようと決めます。
しかし、長期間交際していることもあり、カツヤと本当に別れて良いのか迷い始めてしまいます。
そんな中、再び乗った電車で、女子高生の門田悦子が年上の恋人に関して友人と会話している光景を目撃し、カツヤの未熟さに改めて気づき、別れる決意を固めるのでした。
【転】阪急電車 片道15分の奇跡 のあらすじ③
大学1年生の小坂圭一は、大学入学を機に広島県から兵庫県にやって来て、1人暮らしをしつつ大学生活を送っていました。
しかし、友人はできたものの恋愛には無縁の日々を送っていました。
そんな中、大学の帰りに今津線を利用した圭一は、同じ大学に通っている大学1年生の権田原美帆と出会います。
美帆が、車窓から何かを熱心に眺めている姿を見て、圭一は思わず声を掛け、美帆は圭一が同じ大学に通っていることを知り会話を始めます。
好奇心旺盛で、女子大生っぽさはないものの、飾らない可愛らしさを持つ美帆に、圭一は魅力を感じます。
それから、美帆が降りる駅に到着したものの、圭一はもう少し美帆との距離を縮めたいと思い、美帆と一緒に最寄り駅を歩きつつ会話を楽しみます。
さらに、圭一は思い切って美帆の連絡先を聞き、会話の流れでそのまま恋人として付き合い始めることになります。
そして、2人は最寄り駅にあるショッピングセンターで初めてのデートを楽しむのでした。
【結】阪急電車 片道15分の奇跡 のあらすじ④
高校3年生の悦子は、大学受験を控え友人たちと懸命に受験勉強に励む毎日を送っていました。
通学に利用する今津線で友人たちと会話をして受験勉強の疲れを癒していました。
さらに、街中で偶然出会い交際に発展した、社会人の恋人・遠山竜太からも励ましてもらい幸せを感じていました。
しかし、悦子の学力では志望校に合格できないと担任教師から厳しい現実を突きつけられます。
その後、悦子は竜太とドライブをしながら久しぶりのデートを楽しみます。
竜太は悦子に優しい言葉を掛けますが、悦子の気持ちは晴れずどうすべきか分からなくなります。
それから、悦子は竜太に対してラブホテルに向かおうと提案します。
竜太は驚きつつも、悦子の気迫に負ける形でラブホテルに行きます。
しかし、竜太は悦子がやけになっていることを見抜き、ラブホテルの部屋で悦子の話を聞こうとします。
悦子は、涙ながらに担任教師からの言葉にショックを受けたことを打ち明け、受験勉強に向き合う決意を新たにして竜太とともにラブホテルを出るのでした。
阪急電車 片道15分の奇跡 を観た感想
「阪急電車 片道15分の奇跡」を観て、「繋がっていく縁」と「踏み出す勇気」が特に魅力的だと思いました。
まず、繋がっていく縁についてです。
同じ電車を利用していること以外は共通点がない登場人物たちが、短い会話をきっかけに仲を深めたり、友人のような関係性になったりしていくところに微笑ましさを感じながら観ていました。
次に、踏み出す勇気についてです。
登場人物たちは、他の乗客たちとの会話や偶然耳にした言葉をきっかけに、それぞれの現状を変えようと行動を起こしていきます。
登場人物たちが、ささやかに見えるけれど大きな一歩を踏み出すことを決めていくところに、元気をもらいながら観ていました。
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