監督：羽住英一郎 2012年12月にTBS・wowowから配給
ダブルフェイス偽装警察編の主要登場人物
森屋純（西島秀俊）
やくざの幹部だが、警察の潜入捜査官
高山亮介（香川照之）
エリート県警幹部だが、ヤクザの潜入員
織田大成（小日向文世）
織田組組長
小野寺警視正（角野卓三）
県警の警視正。森屋に潜入捜査を命じた張本人で、小野寺しか森屋が警察だと証明できない。
ダブルフェイス偽装警察編 の簡単なあらすじ
高山亮介は神奈川県警のエリート警察官。
しかし、高山はヤクザの潜入捜査員でした。
そのことは織田組の組長・織田しか知りませんでした。
織田から、厚生労働省に強いパイプを持つ政治家の娘の万里と親しくなるよう言われます。
目的は、厚生労働省にパイプを作るためでした。
高山は万里に近づくことに成功。
高山は万里といるうちに、万里に特別な感情を抱くようになりました。
そんな折、織田から万里を薬中にするよう言われ、高山は織田を葬る計画をたてます。
織田は、織田組の潜入捜査官・森屋と接触し、織田の抹殺に成功しました。
そして、森屋をも陥れ、警察官として生きていくつもりでしたが、ヤクザの世界はそれを許してくれませんでした。
ダブルフェイス偽装警察編 の起承転結
【起】ダブルフェイス偽装警察編 のあらすじ①
高山亮介は神奈川県警のエリート警察官で、内部調査課に所属していました。
神奈川県警はヤクザである織田組の検挙を前々から狙っていました。
そのための内部情報は洩れてはいけないのに、捜査情報がよく織田組に漏れていました。
そのため、神奈川県警は高山を内部調査課に異動させ、ヤクザの潜入捜査員を探し出してほしいと上司から命じられたのです。
しかし、高山自身がヤクザの潜入捜査員でした。
そのことを知るのは織田組の組長・織田だけでした。
ある日、高山は織田から、厚生労働省に強いパイプを持つ政治家の娘の万里と親しくなるよう言われます。
目的は、薬事法を仕切る厚生労働省にパイプを作るためでした。
高山は万里が働くバーに出入りします。
そこで、万里は高山のことを警察だと言い当てます。
高山は驚きますが、以前万里が別の場所でアルバイトをしていた際、高山が銀行強盗犯を捕まえるところを偶然にも見ていたと万里は言うのです。
万里は、警察官ということに身構えますが、その帰り道、父親の秘書たちに連れ戻されそうになっているところを高山に助かられ、二人は急接近しました。
【承】ダブルフェイス偽装警察編 のあらすじ②
高山の家に転がり込んだ万里は、小説家を目指していました。
今、万里が執筆中のテーマは多重人格についてでした。
しかし万里は自分自身が多重人格だと言います。
自分は、もう一人の自分と戦っている。
自分の人生は自分で決めるものだ、と万里は言います。
そんな万里の姿をみて、高山は自分のことを重ね合わせます。
高山は、親もなく少年時代に織田に拾われました。
自分のことを父親だと思え、と織田から教わった高山は、織田に言われた通り、勉強を重ね警察官になるよう織田から言われます。
すべては織田組に有利になるためでした。
最初は織田に服従していた高山でしたが、近ごろの織田の言動に気持ちの変化が現れます。
長年警察官として尽くしてきた自分も自分であり、自分の仲間は警察の仲間なのではないかという思いも芽生えてきたのです。
さらに、織田組にいる潜入捜査官を探し出す流れで、神奈川県警の小野寺警視正が殺害されてしまいます。
高山の精神もぎりぎりでした。
そんななか、織田から、万里を薬漬けにするよう言われてしまいます。
これが決定打となり、高山は織田との決別を決心します。
【転】ダブルフェイス偽装警察編 のあらすじ③
高山は、万里と穏やかな生活を送りたいと思うようになっていました。
高山は、小野寺警視正の遺品である携帯を使って、潜入捜査官の森屋との接触を試みます。
森屋と接触した高山は、小野寺警視正の仇を取りたいと協力を仰ぎます。
協力すれば警察官としての身分を戻すと森屋に約束しました。
森屋は高山に協力することを決心しました。
森屋は、恋愛感情を持っている西田という精神科医に会いに行きます。
森屋は、過去に西田にカウンセリングを受けていて、西田に、遠回しに自分の経歴を伝えていたのです。
小野寺警視正の死によって一度は警察に戻ることを諦めていました。
今回の高山の提案は、森屋にとっても絶好のチャンスだったのです。
森屋は西田に、今度こそ警察に戻れるかもしれない、今度警察に戻ったら一緒に祝杯をあげようと約束しました。
ついに織田組の検挙当日になりました。
麻薬の取引現場に警察が現れます。
織田は急いでその場を逃げますが、高山に遂に殺されました。
高山はこれで自由になりました。
もう織田から嫌な仕事を指示されることもなく、警察官として胸を張って生きていける。
そう思っていました。
【結】ダブルフェイス偽装警察編 のあらすじ④
高山は遂に、ずっと追いかけてきた森屋と対峙します。
お互い自由になれるはずでしたが、対面した森屋に、高山は、神奈川県警にいる裏切り者を真っ先に見つけてみせると、言われてしまいます。
高山は森屋の警察官としての記録を抹消することを決意するのでした。
織田だけではなく、森屋消さなければ、自分の自由は得ることができない。
いつも恐怖と戦っていかなくてはいけないと思ったのです。
高山は、森屋から潜入捜査官の検索ができる小野寺警視正のパソコンのパスワード情報を入手します。
その作業を別部屋でやっている間、森屋はというと、高山がヤクザの潜入捜査員だということに気づいてしまいます。
高山は森屋の情報を削除し、森屋の警察官としての記録はこれで一切なくなってしまいました。
さらに織田の殺害についても、森屋に濡れ衣を着せました。
森屋は西田との別れを決心します。
そして森屋は、高山の自宅に、織田が高山に万里に接触するよう言っていた時の録音テープを送りつけます。
それを聞いた万里に、高山は別れを切り出されます。
森屋は高山を呼び出し、最後の対決をします。
森屋は高山に警察の身分を戻すよう頼みます。
しかし、そこに一人の警察が現れ、高山を話すよう説得されます。
森屋は自分が警察官だと言っても、信じてもらえません。
最終的に、森屋はその警察に銃殺されてしまいました。
これで高山は自由になった。
そう思った矢先、その警察官が、自分も織田組の潜入捜査員だと告げます。
高山は、それでも諦めません。
その警察官も殺害し、現場に到着した他の警察官たちに、その警察官が内通者だと言います。
これで高山は、やっと自由なのだ、と確信するのでした。
しかし、それでは話が終わりません。
数日後、高山の前に織田組が傘下に入った黒新会の組員たち現れます。
今度は黒新会から利用されることになるのでした。
結局高山にも自由は与えられなかったのです。
ダブルフェイス偽装警察編 を観た感想
前作の「潜入捜査編」を上回る、救いようのない話でした。
誰も幸せになれない作品。
このような作品を作ってメッセージ性はないと思うのですが、でも作品としてはすごく素晴らしいのです。
本当に悔しい。
とにかくハマってしまう。
そんな作品です。
香川照之演じる高山の、感情の変化がすごくよく分かる作品に仕上がっていました。
高山も高山で幸せになってほしい。
森屋にも明るい未来が待っていてほしい。
とにかく二人とも幸せになってもらいたい、と願うような作品でしたが、結果は二人ともが最悪な結末になってしまいました。
あまりに救いようがなさ過ぎて涙もでないほどです。
すごくモヤモヤします。
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