映画「グッドフェローズ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|マーティン・スコセッシ

グッドフェローズ

監督:マーティン・スコセッシ 日本公開1990年10月13日にワーナー・ブラザースから配給

グッドフェローズの主要登場人物

ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)
幼い頃からギャングの世界に足を踏み入れる、本作の主人公。順調にギャングの世界を進んでいくが、ある日を境に次第に追い込まれていく。

ジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)
ヘンリーの先輩で伝説のギャング。強奪が得意でキレると手に負えない人物。

トミー・デヴィート(ジョー・ペシ)
ヘンリーと同様、子供の頃からギャングの世界へ足を踏み入れる。恐ろしく短気で、暴力で物事を解決する危険な人物。

カレン・ヒル(ロレイン・ブラッコ)
ヘンリーの妻。ヘンリーと共に次第に犯罪行為を犯していく。

ポール・“ポーリー”・シセロ(ポール・ソルヴィノ)
ヘンリー達のボス。幼い頃からヘンリーの面倒を見ている。

グッドフェローズ の簡単なあらすじ

1955年、ヘンリー・ヒルは11歳にしてギャングの世界へ強い憧れを抱きます。

使いっ走りを経て一人前のギャングに成長した彼は、伝説のギャングのジミーや凶暴なトミー達と共に、様々な犯罪を犯して成功させますが、次第に人生の歯車が狂い始めます。

マーティン・スコセッシ監督による実在した人物を基に製作されたギャング映画です。

グッドフェローズ の起承転結

【起】グッドフェローズ のあらすじ①

ギャング・スターに憧れる少年

アイルランド系の父とシチリア系の母を持つヘンリー・ヒルは、幼い頃からギャングになることを夢見ていました。

彼は、汗水垂らしながら堅実に働くことをバカらしいことだと捉えており、ギャングになって一攫千金を狙い何不自由ない生活を送ることを理想としており、11歳の頃からその道に足を踏み入れます。

ヘンリーは、彼の地元の有力なギャング、ポール・シセロが運営するタクシー配車センターでギャング達の使い走りとなり、大人顔負けなほどのお金を稼ぎます。

そして、トラック強奪を得意とするジミー・コンウェイ、体格は小柄ながら殺人も躊躇なく行う血の気の多いトミー・デヴィートと運命的な出会いを果たします。

ある日、ヘンリーは闇煙草や偽装クレジットカードなど、不当な売買で警察に捕まり裁判にかけられてしまいますが、決して口を割らなかったため、ポールを始めとした仲間達から一目置かれるようになり、ヘンリーもこの頃には、「決して口を割らない」「仲間を決して売らない」というギャングの世界での掟を忠実に守るまでに成長します。

【承】グッドフェローズ のあらすじ②

華々しくも愉快なギャングの世界

大人になったヘンリーは、子供の頃のような使いっ走りではなく、一人前のギャングに成長していました。

身につけるものは全て高級品で、高級車を乗り回し何処に行ってもギャングということで優遇されます。

ケチな犯罪より強奪が得意なジミーやトミーと組んで、1968年にジョン・F・ケネディ国際空港にてエア・フランス現金強奪事件を成功させるなど、実行する犯罪の規模も少年時代とは比べ物になりません。

連日ナイトクラブで豪遊したり、仲間達にも気前よくチップを配り金に糸目を付けず豪華な生活する彼らは、ギャングの世界を謳歌していました。

そんな人生の絶頂を満喫するヘンリーの前に、カレンという女性が現れ、恋に落ちた二人は結婚します。

ヘンリーは当初、カレンには自身がギャングであることを黙っていましたが、彼と共に過ごしている内にカタギの人物でないことを徐々に察知し、次第に彼女もカタギの世界では味わうことが出来ない、何でもアリなギャングの世界にどっぷりハマっていきます。

【転】グッドフェローズ のあらすじ③

絶頂からの転落

ここまでギャング・スターとして、順調な人生を歩んできたヘンリーと仲間達ですが、徐々にその輝かしい人生に陰りが生じ始めます。

ある日のことヘンリー達3人は、幹部クラスのギャングであるビリー・バッツとヘンリーのお店で鉢合わせになり、ビリーがトミーを執拗に侮辱したことが原因で殺害します。

殺害後は車で山奥まで運び、遺体を埋めましたが彼の仲間は犯人を躍起になって探し始めます。

また、ヘンリーとジミーがフロリダにて暴行事件を起こし、10年間刑務所へ収監されます。

ムショの中では刑務官達を買収していたため、およそ囚人らしい生活とは程遠い毎日で、ヘンリーは組織の人間の監視から逃れられたことを良いことに、ご法度とされている薬物の売買を行い始めます。

妻のカレンを運び屋として利用し、塀の中からでも莫大なお金を稼いでいたヘンリーでしたが、ポーリーには筒抜けでした。

一度目の売買であったため許してもらえましたが、「もう二度とするな。

」と強く釘を刺されます。

しかし、味をしめたヘンリーは売買から手を引くことなく、今度はジミーとトミーも仲間に引き込み、手広く儲けようとします。

【結】グッドフェローズ のあらすじ④

追い詰められたヘンリーが取った選択

ヘンリー達は、1978年にはルフトハンザ航空現金強奪事件を起こし、600万ドル強奪に成功しますが、この事件をキッカケにFBIから本腰をいれて狙われます。

ジミーやトミーも、この事件に関わった人物を次々と口封じのために殺害していくため、FBIも事件の証人探しに難航していましたが、ヘンリーに目をつけます。

ヘンリーは事件に直接かかわってはいませんが、同じ組織の人間のため事件の計画など詳細な情報を知っていると判断されたためです。

また、トミーもビリー・バッツ殺しの件がバレて殺害され、ヘンリーも遂に麻薬所持の現行犯で逮捕されてしまいます。

保釈されましたがポーリーは彼に対して怒っており、怒鳴ることもなく静かにヘンリーに破門を言い渡し、僅かな退職金を渡して見捨てられます。

ジミーからも口封じのために命を狙われていることを悟ったヘンリーは、警察の保護下に入って自らの命を守ってもらう代わりに、裁判でかつての仲間が犯した罪を証言する選択を取ります。

その結果、ジミーもポールも逮捕され、身の安全が確保されますがそれまでのギャングの世界からかけ離れた地味な生活が待っているのでした。

グッドフェローズ を観た感想

ギャング映画である本作ですが、ヘンリー役のレイ・リオッタによるナレーションと共に軽快に物語が進んでいきますので、コメディ映画のように終始ゴキゲンな内容です。

実在する人物と事件が題材とされているのに、重苦しさも一切なく寧ろ劇中のギャングの世界に華々しさすら感じます。

これはレイ・リオッタやロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシなどの魅力的な主演俳優達と、マーティン・スコセッシ監督による後の「カジノ」でも流用されているナレーション形式による進行による賜物でしょう。

麻薬や殺人、犯罪行為も愉快で痛快に描かれており、絶頂から転落していくギャング達の太く短い生きざまを娯楽作品に昇華したこの作品は、他のギャング映画には無いオリジナリティーを放っています。

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