「天空の城ラピュタ」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|宮崎駿

映画 天空の城ラピュタ

監督:宮崎駿 1986年8月に東映洋画から配給

天空の城ラピュタの主要登場人物

パズー (田中真弓)
本作の主人公。炭鉱で働く、逞しく勇気溢れる少年。冒険家である父の意思を継ぎ、ラピュタに憧れを抱いている。

シータ(横沢啓子)
本作のヒロイン。心優しいが度胸はある。ラピュタゆかりの飛行石を、先祖代々受け継いできた謎の少女。

ドーラ(初井言榮)
空中海賊ドーラ一家の頭領。強欲で飛行石を付け狙う。しかし一方で面倒見がよく、パズーとシータのよき「おばさん」となる。

ムスカ(寺田農)
政府特務機関の大佐。冷酷無慈悲な性格。ラピュタの科学力を利用して、地上の王になることを画策している。

天空の城ラピュタ の簡単なあらすじ

宮崎駿監督、スタジオジブリ制作の第一作目です。

少年パズーが、不思議な少女シータと出会い、空にあるという伝説の城「ラピュタ」を巡る陰謀に巻き込まれていきます。

キャッチコピー「ある日、少女が空から降ってきた……」の通り、ボーイミーツガールの決定版といえましょう。

公開から30年以上経つ今なお人気が根強く、テレビ放送のたびに滅びの呪文「バルス」がSNSで話題となります。

天空の城ラピュタ の起承転結

【起】天空の城ラピュタ のあらすじ①

パズーは不思議な少女シータと出会う

はるか上空、少女シータは政府特務機関の飛行船の中にいました。

飛行船は突如、空中海賊のドーラ一家に襲撃されます。

逃れようとしたシータは転落し、空へと放り出されました。

成す術なくシータは気を失いますが、首から下げていたペンダントが青い光を放ちました。

するとシータの落下は止まり、ゆるやかに下降を始めました。

シータを保護したのは、炭鉱で働く少年パズーでした。

パズーは、空からやってきたシータに強い関心を抱きました。

かつてパズーの父は飛行機乗りで、空にあるという伝説の島「ラピュタ」を発見していたのです。

そんな2人のもとに、怪しげな集団が近付きます。

シータのペンダントを狙うドーラ一家だと気付き、2人は逃亡します。

街を抜け、鉄橋を走り、しかしドーラ一家のしつこい追跡に、谷底へと落ちてしまいます。

2人を助けたのは、やはりシータのペンダントでした。

空中遊泳の末に、炭鉱跡地のトンネルへ無事に着地します。

そこには炭鉱夫たちの間では有名な「ポム爺さん」がいました。

ポム爺さんは、シータのペンダントがラピュタの飛行石であることを見抜きます。

【承】天空の城ラピュタ のあらすじ②

パズーはドーラ一家と手を組み、囚われのシータを救出する

炭鉱跡のトンネルを抜けたパズーとシータは、待ち構えていたムスカたち特務機関に捕まってしまいます。

ムスカはシータに、特務機関への協力を条件にパズーを解放することを約束します。

僅かな金貨を握らされ、パズーは家路につきました。

そこで待ち構えていたのは、ドーラ一家でした。

ドーラ一家に焚きつけられ、パズーはシータを救い出すことを決心します。

シータは特務機関の塔に軟禁されていました。

ふと小さい頃に聞いたおまじないを思い出し、口ずさみます。

すると飛行石から強烈な光が溢れ出しました。

その光は塔の地下で眠っていた、ラピュタ由来のロボット兵を呼び覚まします。

ロボット兵はシータに辿り着こうと、塔を焼き払っていきます。

特務機関も応戦し、周囲はたちまち火の海と化します。

逃げ場を失ったシータの前に現れたのは、ドーラ一家とパズーでした。

パズーは見事に、炎の中からシータを助け出します。

ロボット兵は特務機関に破壊されます。

焼け跡から、ムスカはシータの落とした飛行石を見つけ出しました。

飛行石は一筋の光を放ち、ラピュタへの道筋を示していました。

 

【転】天空の城ラピュタ のあらすじ③

ドーラ一家と空の冒険の果て、遂に天空の城ラピュタへ

パズーとシータは、ドーラ一家と共にラピュタを目指すことになります。

パズーは船員の1人として雑用をこなし、シータは炊事を任されます。

夜間飛行中、パズーが見張り台で不寝番をしているとシータがやってきました。

2人は静かに、素直な本音を語り合います。

しかし雲間から、特務機関の大型戦艦が現れます。

ドーラの指示のもと切り離し操作を行うと、見張り台はグライダーになりました。

そしてドーラ一家の飛行船は雲の中へ逃げ込みますが、そこでは乱気流が発生していました。

たまらず雲から出たところに一斉放火を浴び、飛行船は破壊されてしまいます。

そして飛行船と繋がっていたケーブルが切断され、パズーたちのグライダーは単独飛行を余儀なくされます。

その先に待ち構えていたのは、「竜の巣」と呼ばれる積乱雲でした。

「竜の巣の中にラピュタがある」父の言葉を信じてパズーは積乱雲に飛び込みます。

激しい風と雷の中、パズーの目に映ったのは消息を絶った父の姿でした。

いつしかパズーとシータは気を失っていました。

しかし雲は晴れ、青々とした草木の上に横たわっていました。

目を覚ました2人は、自分たちが雲の上にいることに気がつきます。

遂にラピュタへと到達していたのです。

【結】天空の城ラピュタ のあらすじ④

ラピュタと運命を共にする覚悟を決めるパズーとシータ

特務機関もまた、別ルートでラピュタへと到達していました。

ドーラ一家が捕縛されているのを見つけ、パズーとシータは助けに向かいます。

しかしパズーがムスカ達に見つかり、庇ったシータは捕らえられてしまいます。

ムスカがシータを連れて行ったのは、ラピュタの中枢である巨大飛行石でした。

ムスカの目的はラピュタを掌握し、その科学力で地上を支配することでした。

手始めに大量のロボット兵を起動させ、歯向かった特務機関を滅ぼしていきます。

シータは一瞬の隙をついて、ムスカから飛行石のペンダントを取り返します。

一方でパズーはドーラ一家を解放し、シータたちを追っていました。

パズーはシータを見つけますが、その背後にはムスカが迫っていました。

ムスカは飛行石のペンダントを奪い、2人を始末しようとしていたのです。

パズーはラピュタをムスカには渡せない、と覚悟を語ります。

そしてシータも頷きました。

2人は手を取り、滅びの呪文「バルス」を唱えます。

すると巨大飛行石が反応し、ラピュタは自壊を始めます。

ドーラ一家はかろうじて脱出に成功していました。

パズーとシータの決断を悟り、涙にくれます。

すると、ラピュタの崩壊が止まります。

そしてパズーとシータが、グライダーに乗って脱出してきました。

ラピュタに張り巡らされていた木の根が崩壊を食い止め、2人を救っていたのです。

2人はドーラ一家との再会を喜びます。

そしてラピュタは、人の手の届かない上空へと姿を消していきました。

天空の城ラピュタ を読んだ読書感想

前半のテンポのよさに、まずは引き込まれます。

特にドーラ一家との鉄橋上での追いかけっこは見どころです。

崩れていく鉄橋の描写の細やかさと緊張感、そしてどこか憎めない愉快な悪党ドーラ一家、宮崎駿監督の醍醐味と言えるでしょう。

そして後半、ラピュタがいよいよ出現するシーンは何回見ても鳥肌が立ちます。

色彩、演出、音響、どれを取ってもまさにパーフェクトです。

ラピュタ到達からは、作品全体の重厚なテーマが顔を出します。

荒廃する文明と、繁栄する自然の対比には哀愁を感じます。

パズーたちがドーラ一家とお別れし、ラピュタが上昇していくラストシーンは、旅の終わりを感じていつも切なくなります。

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