監督:宮崎駿 2001年7月に東宝から配給
千と千尋の神隠しの主要登場人物
千尋(柊瑠美)
10歳の少女であり今作の主人公。都会育ちで卑屈になりがちなところがある。
ハク(入野自由)
油屋で働く謎の少年。千尋とは昔にどこかで会ったようだ。
湯婆婆(夏木マリ)
油屋の女主人であり、魔女。千尋の名前を奪う代わりに雇用するという契約をした。
千と千尋の神隠し の簡単なあらすじ
引っ越しのために車に揺られ、新居に向かう家族がいました。
しかし、車はいつの間にか未知の山道に入り込んでしまい、ルートを見失います。
父と母は車から降り、奥にあったトンネルへと足を進めました。
娘である千尋は、その異様な雰囲気に怯えて「帰ろうよ!」と声をかけますが、父も母も素知らぬ顔でトンネルの中に入って行ってしまいます。
置いて行かれる恐怖に負けた千尋は両親を追いかけてトンネルをくぐりますが、その先にあったのは不可思議で誰もいない街だったのでした。
千と千尋の神隠し の起承転結
【起】千と千尋の神隠し のあらすじ①
引っ越しのために父の運転する車に乗って新居に向かう少女、千尋。
彼女は前の学校のクラスメイトに貰った花を握りしめ、退屈そうにしていました。
突然、父が驚いた声をあげます。
いつの間にか道からそれていたのか、車は見知らぬ山道に迷い込んでしまっていたのです。
木々の遮る道を無理やり抜けると、そこにはトンネルが佇んでいました。
父と母は車から降りて、トンネルへと入っていこうとします。
千尋はトンネルや周囲にある像の異様な雰囲気を感じ取り、なんとか帰ろうと両親に声をかけますが、両親は千尋の声なんか気にも留めずどんどん先へと進んでいきます。
置いて行かれる恐怖に負けた千尋が慌てて後を追い、トンネルを抜けた先には無人の街が広がっていました。
あたりを見回しても誰もいません。
しかし、父と母は温かい料理を並べている屋台を見つけて勝手にあがりこみ、あろうことかその料理を飲み食いし始めたのです。
千尋はだれもいないのに温かい料理が置いてあることを不気味に思い、料理を食べずに周囲の探索を始めました。
すると、だんだん暗くなってきて、真っ黒な人影があちらこちらに浮かび上がってくるのです。
千尋は怖くなって慌てて屋台へと戻りますが、そこで見たのは無我夢中で暴食する、両親だったはずの豚の姿でした。
【承】千と千尋の神隠し のあらすじ②
豚になってしまった両親にすっかり錯乱してしまった千尋は、泣き叫びながらどんどん増える異形のものたちから逃げまどいます。
そこに、不思議な少年ハクがやってきました。
このままだと千尋は、異形のもの…神様たちに喰われてしまうと判断したハクは、千尋を無理やり引っ張って物陰へと隠れます。
安堵と混乱で号泣する千尋に、ハクは優しくおにぎりを渡し、釜爺という人のもとへ仕事をもらいにいくよう伝えるのでした。
千尋は必死に隠れながらもなんとか釜爺のもとへたどり着きます。
しかし、釜爺はうっとうしそうに千尋を手で払うばかりで取り合ってくれません。
しかし、必死な形相の千尋を見てリンという女性に千尋を湯婆婆のもとへ連れていくように言づけるのでした。
ようやく湯婆婆のもとへたどり着きますが、湯婆婆は恐ろしい形相で千尋に出ていくように言います。
しかし、千尋が必死に喰らいつくと、湯婆婆は千尋の名前を奪って千という字だけ渡す代わりに油屋で働くよう契約します。
こうして千尋の、両親を人間に戻し、元の世界へと帰るための戦いが始まるのでした。
【転】千と千尋の神隠し のあらすじ③
千尋は懸命に油屋で働きます。
たくさんの神様のお世話をし、時には仕事を押し付けられながらも何とかやっていました。
そのとき、千尋のことを気に入ったカオナシという、神とはいえない異形のものがやってきます。
何も知らない千尋は、カオナシを客として油屋に招き入れてしまいました。
カオナシは黄金をまき散らしながら暴飲暴食をし、従業員までも食べてしまいます。
従業員が減るのは困るけど黄金は惜しい。
そんな湯婆婆はカオナシが気に入っているという千尋を差し出します。
カオナシは喜んで黄金を千尋に差し出しますが、千尋がそれを拒否すると怒り狂って暴れ始めてしまいました。
千尋は逃げまわりながらもなんとかカオナシを鎮めることに成功します。
ほっと息をついたのもつかの間、今度は本当の姿である竜となったハクが大量のヒトガタに襲われながら千尋が暮らす湯女の部屋へ突っ込んできました。
それを見た釜爺は、湯婆婆の双子の姉、銭婆に呪いをかけられているのだと言います。
銭婆の金印を盗んでくるよう、ハクは湯婆婆に差し向けられたのでした。
千尋は呪いで動けないハクの代わりに銭婆のもとへ謝罪に向かいます。
恐ろしい魔女かと思われた銭婆ですが、彼女は悪いことをしていない者には心優しい人物でした。
金印を返すと、銭婆はハクのことを快く許し、この世界に迷い込んだ千尋のことも気遣う姿勢を見せました。
【結】千と千尋の神隠し のあらすじ④
呪いがとけ、迎えに来た竜の姿をしたハクの背に乗って、千尋は油屋へと向かいます。
その途中、ハクは既視感から湯婆婆に奪われていた自分の名前を思い出しました。
彼の本当の名前は「ニギハヤミコハクヌシ。」
コハク川という今はもうない川の神様で、幼い千尋が溺れているのを助けた命の恩人でもあったのです。
二人は手を取り合って油屋へと帰りました。
油屋につくと、神々への接客対応、カオナシの鎮静化、ハクの救出などの功績が認められ、湯婆婆は最後のチャンスとして千尋に賭けをさせます。
それは、複数の豚の中から両親を見つけ出すこと。
息をのみながら周囲が見守る中で千尋は一言だけ、「この中にお父さんとお母さんはいない。」
結果は大正解。
悔しがる湯婆婆と祝福する油屋の従業員たちに見守られて千尋は元の世界へと戻るトンネルへ駆け出しました。
トンネルの前でハクと別れを惜しむ千尋。
ハクは、トンネルをくぐり終えるまで振り返ってはいけないと教えます。
千尋は振り返りたい気持ちを抑えてなんとかトンネルを潜り抜けました。
そこには、何もなかったかのように会話をする両親とトンネルをくぐる前の風景があるだけです。
あれは夢だったのか。
それを否定するかのように、貰った髪飾りがきらりと光るのでした。
千と千尋の神隠し を読んだ読書感想
銭湯という舞台と風景の端端から日本の雰囲気が感じられるのですが、やはりどこか異様で、不思議な感じがして、まさに神様の世界!という様子がとてもよかったと思います。
久石譲さんの素晴らしい音楽と相まって、作中に何度も何度も泣きました。
見終わった後の私の瞼はもうパンパンです。
今作にはさまざまな登場人物がいますが、誰もが優しく、そして意地悪な性格でも憎めない部分があるのが演出として憎いな〜と感じます。
あの湯婆婆でさえ、息子の坊にはデレデレですからね。
神様だというのにやけに人間臭いところが、八百万もいるという日本の神に対する認識に合っていて、最後まで異世界に浸ったような気分で楽しめました。
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