【ネタバレ有り】吉祥寺の朝比奈くん のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:中田永一 2009年12月に祥伝社から出版
吉祥寺の朝比奈くんの主要登場人物
朝比奈ヒナタ(あさひなひなた)
本作の主人公。元劇団員。山田真野と親しくなる。
山田真野(やまだまや)
本作のヒロイン。喫茶店の店員。朝比奈ヒナタと親しくなる。
山田遠野(やまだとおの)
山田真野の娘。三歳。
哲夫先輩(てつおせんぱい)
朝比奈ヒナタの元バイト先の先輩。現在は不動産の会社で働いている。
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吉祥寺の朝比奈くん の簡単なあらすじ
朝比奈ヒナタは吉祥寺のとある喫茶店に通い詰めていた。そこの店員であった山田真野と親しくなる。山田真野には夫と娘がいたが、朝比奈ヒナタと娘である遠野と遊びに行くようになる。ある日、山田真野は朝比奈ヒナタの家に泊まりにいく。しかし、それが原因で朝比奈ヒナタのとある嘘が彼女にバレてしまう。
吉祥寺の朝比奈くん の起承転結
【起】吉祥寺の朝比奈くん のあらすじ①
朝比奈ヒナタが吉祥寺のとある喫茶店に通いつめていたのはちょうど四月の桜の時期でした。
雑居ビルの五階にその喫茶店はありました。
そこで事件がおこります。
その日、四人がけのテーブルでヒナタが文庫本を読んでいたら、カップルが店に入ってきて少し離れた席に座ります。
そこで痴話喧嘩が始まりました。
やがてカップルの痴話喧嘩が分刻みでエスカレートしていきます。
「死ねぇ!」女の子はそう叫ぶと、椅子をぶん投げました。
次の瞬間、バウンドした木製の椅子がヒナタに直撃します。
十分経過。
革張りのソファー席で休まされているヒナタの鼻からは大量の血液があふれて止まりません。
そうじなどの作業を終えた美人店員がヒナタに声をかけます。
それが山田真野との初めての会話でした。
その後、吉祥寺駅前のサンロードという商店街があり、その入口あたりに献血ルームがありました。
そこでヒナタは山田真野に会います。
山田真野と会話を楽しんだヒナタは山田真野にメールアドレスを聞きます。
【承】吉祥寺の朝比奈くん のあらすじ②
吉祥寺駅前のハーモニカ横丁には戦後のヤミ市の姿がそのまま残っています。
立ち飲み屋が何軒か連なっており、朝比奈ヒナタはそこで哲夫先輩と飲むことになりました。
哲夫先輩は、ヒナタが上京した初期のころにしりあった友人で、バイト先の先輩でした。
現在、三十歳の哲夫先輩は、不動産の会社に就職し、中央線で新宿に通勤しています。
この数年は音信不通でしたが、少し前からまたいっしょにお酒を飲むようになりました。
山田真野の娘、遠野は母親に似て美人でした。
井の頭公園にヒナタと山田真野と遠野はいっしょに遊びに来ていました。
事前にメールを使って交流していたのです。
遊歩道の途中にある、ガラス張りの半オープンテラスの喫茶店に入り、ヒナタと真野はガレットを食べます。
喫茶店を出たヒナタたちは、井の頭自然文化園という動物園みたいなところに入場料をはらって入ります。
そこで遊ぶと、ヒナタたちは井の頭自然文化園をでて駅にむかって歩きました。
ヒナタはそこで真野の夫婦関係がうまくいっていないことを知ります。
【転】吉祥寺の朝比奈くん のあらすじ③
喫茶店のバイトに行く前か、バイトがおわって保育園まで遠野をむかえに行くまでの短い時間に、ヒナタと真野は吉祥寺駅界隈で会いました。
二日つづけての日もあれば、何日も合わない日もありました。
その日はふたりでミートショップ・サトウという店で売られている松坂牛メンチカツを購入するため行列にならび、芝居を観にいく約束をします。
翌日、ヒナタは風邪をひいてしまいます。
病院にいくお金をケチっていたら、風邪をずるずると長引かせてしまい、土曜日になりました。
吉祥寺シアターに芝居を真野と観に行ったヒナタでしたが、まだ風邪が完治していなかったせいで、たまに悪寒が身体をつらぬいていました。
夕食はいっしょにとらず、駅にむかってゆっくりと歩き出すヒナタと真野。
会話はありません。
真野のいる喫茶店に行ってみるべきかどうか迷っているうちに一週間が過ぎました。
メールしても返事はなく、真野は電話にもでませんでした。
しかし、連絡が途絶えて二週間後の土曜日の夜、真野から電話がありました。
【結】吉祥寺の朝比奈くん のあらすじ④
バイトが終わって自宅に戻ろうとしていたら、着信が鳴りました。
液晶画面に表示されたのは山田真野の名前でした。
二十二時を過ぎていました。
マクドナルド地下一階のテーブル席に真野と遠野がならんで座っていました。
それからヒナタの家に泊まるため三人はヒナタの家にいきます。
真野は旦那と喧嘩したのだといいます。
深夜のバラエティ番組を見ながら、ヒナタと真野は焼酎を飲みました。
二時半を過ぎたころ、深夜番組にあきた二人は、映画のビデオを再生することにし、「ランボー」を見ます。
それから朝になり、遠野といっしょに「プリキュア」「となりのトトロ」「あたしンち」を見ていると、真野は帰宅しようとします。
ヒナタはアパート裏から真野と遠野をだして、スターバックスへと向かいました。
そこにあらわれたのは哲夫先輩でした。
実は哲夫先輩は真野の旦那であり、哲夫先輩は真野と離婚を成立させるためにヒナタに真野を近づけさせていたのです。
全ては哲夫先輩の計画であり、ヒナタは哲夫先輩のだす報酬目的に真野に近づいていました。
全てを告白したヒナタは結局、真野に許しをもらいます。
真野と遠野は実家の四国に出発するためタクシーに乗り込みます。
ヒナタはそれを見送りました。
吉祥寺の朝比奈くん を読んだ読書感想
中田永一作の恋愛小説。
この作品は2011年に映画化されています。
情景描写や心理描写が美しく、読んでいてとても落ち着きますね。
ほのぼのとした恋愛小説かと思いきや、最後はまさかの展開となっております。
まさかそんな裏があったとは……。
さすが中田永一さんです。
この作品を読んで思ったのは、一人の人間をずっと愛するというのは難しいのだろうか?ということです。
お互いこの人だと思って結婚したのに、結局、不倫をして離婚してしまう。
ずっと一人の人を愛しつづけるというのはそれだけ大変なのです。
結婚と愛は本当に難しいものです。
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