私は存在が空気(中田永一)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

私は存在が空気

【ネタバレ有り】私は存在が空気 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:中田永一 2015年12月に祥伝社から出版

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私は存在が空気の主要登場人物

鈴木伊織(すずきいおり)
本作の主人公。女子高生。存在感が圧倒的に乏しく、存在を完全に空気にできる能力をもつ。

春日部さやか(かすかべ)
伊織の友人。女子高生。過去に婦女暴行の事件にあった経験がある。上条先輩に熱をあげている。

上条(かみじょう)
バスケットボール部に所属するイケメンで評判も良い。

私は存在が空気 の簡単なあらすじ

鈴木伊織は存在感が圧倒的に乏しく、やがて存在を空気にできる能力をもつようになる。友人の春日部さやかは過去に婦女暴行事件にあっていた。その犯人が上条先輩ではないかという。伊織は存在を空気にして上条に近づき事件の真相にせまっていく。 

私は存在が空気 の起承転結

【起】私は存在が空気 のあらすじ①

存在が空気 

鈴木伊織はこれといった個性がなく、外見にも特筆すべきものがなく、そこらへんに落ちている石ころのように人畜無害でいるのかいないのかもよくわからない存在だった。

存在感が圧倒的に乏しいために、ほとんど認識されていなかったのである。

しかし、そうなってしまったのには理由があった。

伊織の父親はお酒もギャンブルもやらないが、会社での仕事を終えて家に帰ってくるなり、母や伊織に説教をし、意味もなく拳骨をとばしてきていた。

父の暴力から逃れる術を身につけなければ危険だと伊織は思うようになり、父親が家にいる間はできるだけ気配を消すように努力する。

まるで壁のシミの一部のように、気にもとめられない存在になれるように。

部屋の片隅でひざをかかえ、呼吸を落ち着かせる。

指の先から輪郭がなくなっていき、空気と自分の境界があいまいになり、体は想像のなかで部屋にとけて拡散する。

伊織の願いが神に通じたのか、やがて伊織は存在を完全に消し、空気のような存在になれる能力をみにつける。

 

【承】私は存在が空気 のあらすじ②

上条先輩 

ある日、春日部さやかは上条先輩のことを話題にする。

「格好いいよねえ。

きれいな顔というのは、ああいう人のことを言うんだねえ」とうっとりした表情で話すさやか。

そんなさやかは上条先輩の写真をとって欲しいとお願いする。

伊織なら気付かれずにすぐそばまで行けるからと。

さやかにiPhoneを渡された伊織はしぶしぶ、試合が行われている最中のバスケットコートへと入っていく。

はしりまわっている選手に衝突しないよう気を付けながら撮影するさやか。

十一月末のこと。

さやかが事件にあってしまう。

伊織が事情を聞いたのは、翌日のこと。

その夜、さやかは人のあまり通らない雑木林にはさまれた道を歩いていた。

その時、茂みから誰かが飛び出し、地面に押し倒され、組み敷かれてしまう。

その人物は覆面をかぶっており、目と口だけが開いている黒色の布製の覆面だった。

その目と口が上条先輩に似ているとさやかは伊織にとってもらった写真を見て気付く。

 

【転】私は存在が空気 のあらすじ③

追跡する伊織 

上条先輩の在籍する三年一組でもホームルームが終わる。

存在を消した伊織はさっそく上条先輩の背中を追いかけ始める。

ストーキングという行動は存在感のない伊織が、もっとも得意とするものだった。

上条先輩は伊織に気付いている様子はない。

駅前の商店街まで行くと橋本先輩と岩城先輩が加わり、カラオケに行くことになる。

カラオケを楽しんだ上条先輩は友人と別れ、電車に乗り、帰宅する。

伊織は上条宅に侵入し、上条先輩のあとについて部屋までいく。

上条先輩が犯罪者であることを示すような手がかりがないか部屋をあさる伊織。

物音をたてないように細心の注意をはらいながら室内の調査を続ける。

だが、それらしい証拠は見つけられずにいた。

見つかったのはメールアドレスとパスワードが記されているメモ用紙。

と、その時、電子音が鳴る。

上条先輩のiPhoneに着信があったのだ。

相手は鮎川という人物。

通話を終えた上条先輩は服を取り出して着替え始め、電気を消して部屋を出ていく。

 

【結】私は存在が空気 のあらすじ④

事件の行方 

上条先輩は自転車にまたがり、駅とは反対方向にこいでいく。

伊織は上条先輩が覆面を所持していたのを目撃する。

その覆面は暴行犯のかぶっていたものと同じような黒色で目と口が開いているタイプのものだった。

被害者がでる前に先輩を取り押さえなければと伊織は上条宅を出ていき、十二月のつめたい外気の中を全力疾走する。

伊織は走りながら、さやかに電話をかけ、上条先輩の机の引き出しから入手したメモのメールアドレスとパスワードを伝える。

さやかはパソコンを操作し、端末の位置情報を調べるサービスをつかって上条のいる場所を特定。

それは公園だった。

さやかからその公園の方角と距離を教えてもらった伊織は現場に急行し、公園に到着する。

遊歩道を歩く伊織。

突如、悲鳴があがる。

二人の男が女の子を押さえつけていたのである。

伊織は存在を消して大きな石を男の頭に振り下ろす。

無事、女の子を救助した伊織は最後まで見届けず、公園を出ていく。

上条先輩とバスケ部OBの鮎川は現行犯で逮捕される。

 

私は存在が空気 を読んだ読書感想

中田永一作の小説。

テーマはエスパー×恋となっており、本作の主人公は存在を消せるという特殊能力をもっている。

存在感が薄く、やがて存在そのものを消せるようになったという設定。

それだけでもユニークでおもしろいのだが、中田永一氏はストーリーもおもしろい。

事件に解決にその能力をからませ、最後までどうなるんだろうと興味をひっぱってくれる。

そして最後はちょっぴり切ない終わり方となっている。

恋とは無縁そうな伊織が恋に気付くのだ。

本作は「私は存在が空気」の他にも短編があるので読んでみてほしい。

どれもおもしろく満足できるはずだ。

 

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