豆の上で眠る(湊かなえ)の1分でわかるあらすじ&結末までのネタバレと感想

豆の上で眠る

【ネタバレ有り】豆の上で眠る のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:湊かなえ 2017年6月に新潮社から出版

豆の上で眠るの主要登場人物

安西結衣子(あんざいゆいこ)
大学二年生。病気の母親の見舞いの為に、夏休みを利用して帰省した。

安西万佑子(あんざいまゆこ)
結衣子の姉。小学3年生の時、妹の結衣子と遊んだ帰り道で誘拐される。

遥(はるか)
結衣子の友人。昔、万佑子にあった額の傷が、遥にもある。

豆の上で眠る の簡単なあらすじ

14年前、2つ上の姉が誘拐された。2年後、発見された姉は姿は似ていたが全くの別人だった。それに気づいたのは妹の結衣子だけだった。周りの大人には信じて貰えなかった。そして現在、姉の友人の遙に出会い、当時の胸騒ぎが蘇る。

豆の上で眠る の起承転結

【起】豆の上で眠る のあらすじ①

夏休み

大学二年生になる結衣子は地元を出てから、あまり実家に帰っていなかった。

夏休みを前に父親から、母親の病気がよくないと連絡があり、結衣子は夏休みを利用して実家に帰ることにした。

新神戸から新幹線に乗って三豊へ2時間かかる。

その道中、結衣子はいつも「豆の上で眠る」という童話をおもいだす。

地元に着いた結衣子はバス停で姉の万佑子に合う。

万佑子の隣には女性が立っていた。

万佑子の友人で遥という。

遥の額には豆粒のような小さな傷があった。

その傷を見た結衣子は胸騒ぎした。

母の見舞いを済ませ実家に帰った結衣子は、押し入れから段ボールを取り出した。

そこには14年前に起きた姉の誘拐事件について母親が集めた資料が入っていた。

【承】豆の上で眠る のあらすじ②

誘拐事件

当時小学1年生の結衣子は2つ上の姉、万佑子とよく遊んでいた。

ローラースケートに載れない万佑子の手を引っぱる結衣子は手を放してしまい、転んだ万佑子は額に豆粒ほどの傷を作ってしまう。

ある日、結衣子と万佑子は2人で遊んでした。

夕方になり、帰ろうと言う万佑子に結衣子はまだ遊びたいと言い、万佑子は結衣子を置いて先に帰った。

その帰り道、万佑子は何者かに誘拐されてしまった。

警察に通報し、万佑子の捜索を行ったが見つからず、捜索は打ち切りになってしまった。

結衣子は、万佑子を一人で帰らせた自分を責めた。

しかし、一番ショックを受けていたのは2人の母親であった。

警察の捜査が終わった後でも、「うちの猫がいなくなったから探させてほしい」と犯人と疑う家に結衣子を行かせた。

犯人かもしれない人の家に自分の娘を行かせるのである。

見つからず2年が過ぎたある日、万佑子は突然発見された。

【転】豆の上で眠る のあらすじ③

違和感

発見された万佑子はとても痩せていた。

その姿を見た結衣子は「この子は万佑子ちゃんじゃない。

額に傷がない」という。

発見された少女はとても万佑子に似ていた。

また、DNA検査は何も問題なく、この少女は間違いなく万佑子であった。

しかし、結衣子は違和感を感じていた。

また、結衣子の祖母も万佑子じゃないと言うが、母親は「この子は私の娘の万佑子です。」

と強く言うので、祖母は何も言えず信じるしかなかった。

それでも、結衣子は違和感を拭えず、万佑子に2人しか知らないことを聞くが問題なく答えられてしまった。

違和感は残りつつも、結衣子はこの少女を万佑子と認めざるを得なかった。

そして現在、バス停で万佑子の友人の遥と出会い、あの日の違和感がまた蘇ったのだ。

そして、結衣子は父親に頼み、万佑子と遥呼び出し、真相を確かめる。

【結】豆の上で眠る のあらすじ④

真相

14年前の誘拐事件で見つかった少女は、8年間結衣子と過ごした姉の万佑子ではなかった。

8年間結衣子と過ごしたのは遥で、遙が誘拐されたのであった。

しかし、何故発見されたときDNAが一致したかというと、本当の結衣子の姉は、誘拐事件の2年後に発見された少女で、今の万祐子なのだ。

当時の誘拐犯は遙の実の母親の姉・弘恵であった。

弘恵は当時看護師をしていた。

遙の実の母親である弘恵の妹は生まれつき身体が弱く、生まれてくる子供も病弱だと可哀想だと思い、顔が似ていた万祐子と入れ替えたのであった。

顔が似ていたからか両親は気付かず、数年が経った時、弘恵は結衣子と再会し、結衣子は実の母親に会いたいと自ら誘拐されたのであった。

万祐子と遙が成長し、小学校など問題が出てきて、初めて弘恵たちは結衣子の両親に事情を打ち明け、互いに実の親の元に帰ったのであった。

なので、現在の万祐子が結衣子の血の繋がった本当の姉で間違いないのだが、結衣子は8年間一緒に過ごした遙との違和感が消えなかったのだった。

結衣子が必ず思い出す『えんどうまめの上にねたおひめさま』という童話があった。

それは、結婚相手を探している王子様がシーツの下に小さなえんどう豆を隠したベッドに女性を寝かせて、それに気づいた女性がお姫様で、王子とめでたく結婚するという話であった。

結衣子はずっと、シーツの下に隠された豆の上で眠っていたのだ。

豆の上で眠る を読んだ読書感想

一番最初に思ったのは、自分の兄弟のために、赤ん坊を取り替えてしまえるかでした。

生まれてすぐだから、少し顔が似ていれば気づかないかもしれないけど、病弱では可哀想だと思っても他人の子と交換するという発想、私には思いもしませんでした。

また、誘拐事件から2年後、互いに実の親の元に帰ることになりましたが、それまでの8年間、育ての親や妹の結衣子のことは何も思わなかったのでだろうかと、わたしは残された家族のことを考えてしまいます。

会いたくなったり。

ただ、流石湊かなえさん。

最後まで物語の真相がわからりませんでした。

ミステリーなのか、ホラーなのか読んでいると分からなくなってくる湊かなえさんの作品がとても好きです。

コメント