【ネタバレ有り】ペンギンハイウェイ のあらすじを起承転結でネタバレ解説!
著者:森見登美彦 2010年5月に角川書店から出版
ペンギンハイウェイの主要登場人物
アオヤマくん
聡明な小学4年生。よく本を読み、さまざまな研究をしてはノートに記している。
歯科医院のお姉さん
アオヤマくんと仲良し。おっぱいが大きい。
ウチダくん
アオヤマくんと仲良しのクラスメイト。一緒に研究をする仲。
ハマモトさん
クラスメイト。お父さんは研究員。
ペンギンハイウェイ の簡単なあらすじ
アオヤマくんは、聡明な小学4年生。研究好きで、研究ノートをいつも持ち歩いています。そんなある日、アオヤマくんの住む町で、どこからともなくペンギンが大量発生する事件が。アオヤマくんは、その事件について研究することを決めます。研究しているうちに、近所の歯医者さんの歯科助手のお姉さんが、その事件に関係しているのではと思い出したアオヤマくんは…。
ペンギンハイウェイ の起承転結
【起】ペンギンハイウェイ のあらすじ①
小学4年生のアオヤマくんは、研究熱心で自分のノートを持っています。
アオヤマくんは、たくさん本を読んでは、毎日自分の研究についてノートを書いています。
大人になるまでには3888日かかるらしいけれど、その頃には自分は賢くなりすぎて、たくさんの女の人が結婚を申し込んでくるかもしれない、しかし自分には心に決めた人がいる…アオヤマくんはそんなことを考えています。
そんなある日、アオヤマくんの住む町でペンギンが大量発生する事件が起こります。
しかもそのペンギンたちは、トラックで運ばれる途中に消えてしまったと言います。
そしてアオヤマくんは、この謎を解明するために、「ペンギンハイウェイ」という研究を始めることにしました。
【承】ペンギンハイウェイ のあらすじ②
ある日、アオヤマくんと仲良しのウチダくんは、ふたりで行なっている研究「プロジェクトアマゾン」のために、学校の裏の用水路を散策していました。
すると、いじめっ子のスズキくんと仲間たちに出くわしてしまったのです。
アオヤマくんは運悪く逃げ遅れ、自動販売機に縛り付けられてしまいます。
そんな時、アオヤマくんが密かに恋心を抱いている歯科医院のお姉さんが、アオヤマくんを助けてくれました。
アオヤマくんとお姉さんは仲良しで、海辺のカフェでよく一緒にチェスをします。
そんなお姉さんは、自動販売機の前でコーラをひょいっと投げると、それに空中で羽が生えてペンギンに変わりました。
そう、お姉さんはペンギンを出せるらしいのです。
その出来事から、アオヤマくんは、お姉さんのことも研究しようと決めます。
【転】ペンギンハイウェイ のあらすじ③
ふと、クラスメイトのハマモトさんが、自分の研究を手伝って欲しいとアオヤマくんにお願いをしてきました。
ハマモトさんに連れられて学校の裏の森に行ってみると、そこには、宙に浮かぶ謎の球体がありました。
ハマモトさんが「海」と名付けたそれは、伸び縮みし、たまに「プロミネンス」を起こして分裂し、丸いゼリーのような小さな海を生み出します。
その後、アオヤマくんたちは、「海」に関する実験をたくさん行いました。
その結果、お姉さんがつくりだしたペンギンは「海」を壊すこと、また、お姉さんはペンギンだけでなく「ジャバウォック」という、シロナガスクジラの赤ちゃんにコウモリの羽根と人間の手足がついた不思議な生き物も作り出せることなどがわかりました。
【結】ペンギンハイウェイ のあらすじ④
ある日、いじめっこのスズキくんが「ジャバウォック」を1匹捕まえ、そこから町中に「海」の存在を知られてしまいました。
研究員の人がいっぱい来て、普通の人は裏山に入れなくなりました。
そんな中、研究員が疾走するという事件が起こります。
その中にはハマモトさんのお父さんも含まれていました。
みんなが学校に避難する中、アオヤマくんはそれを逃れて海辺のカフェにたどりつきます。
すると、そこにはいつも通りお姉さんがいました。
アオヤマくんとお姉さんは、裏山へ向かいます。
その最中、お姉さんの周りにはどんどんペンギンが増えて、最後には大群になっていました。
「海」にたどりつくと、ペンギンは「海」を壊し、研究員は元に戻れました。
そして2人は海辺のカフェで最後のコーヒーを飲みます。
アオヤマくんが「海」や「お姉さん」に対して立てていた仮説は、どうやら正しかったようでした。
お姉さんは「そろそろサヨナラね」と席を立ち、二度と戻ってくることはありませんでした。
しかし、アオヤマくんは泣きませんでした。
ペンギンハイウェイ を読んだ読書感想
アオヤマくんのような、聡明でやさしい少年がこの世界のどこかにいるのかも…と考えてみただけで、まだまだこの世の中も捨てたもんじゃないなと思えました。
子どもの好奇心、好きなものを追い求める力は本当にきれいで真っ直ぐで、しかし、私たちは大人になっていく過程でその想いを表に出すことをよしとされなかったり、自然と周囲からおさえつけられたりします。
そうやって少しずつ、輝きを失ってしまうのかもしれません。
自分はこれからひとりの大人として、アオヤマくんのような子どもの無限大の可能性を大切にしてあげたいです。
私たち大人は自分たちの力が子どもよりつよいと思いがちですが、子どものきれいで純粋な力こそが、人の想いを動かしたり、世界をちょっといい方向にもっていってくれるのではないかと思います。
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