森見登美彦「太陽の塔」のあらすじ&ネタバレと結末

太陽の塔

【ネタバレ有り】太陽の塔 のあらすじを起承転結で解説!

著者:森見登美彦 2003年12月に新潮社から出版

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太陽の塔 の簡単なあらすじ

京都大学農学部の5回生で現在休学中の主人公の毎日の日課は元恋人で自分の事をフった『水尾さん』の日常の観察、研究(ストーカー)でした。
主人公は水尾さんの観察、研究をしながら、なぜ彼女が私の事をフったのか考えていたのです。

ある時主人公はいつものように水尾さんのストーカーをしていると、同じ大学の遠藤という男に『こんなことはやめろ、彼女に近づくな』と責められてしまいます。
主人公が遠藤の事を調べると、遠藤も主人公と同様に水尾さんをストーカーしていることが判明しました。

それから遠藤と私は互いに足を引っ張り合う関係になります。
そんなある日、京大生狩りにあった主人公は遠藤に窮地を救われます、このことをきっかけに二人の間に友情のようなものが生まれるのでした。

時は流れ12月、主人公は個性的な友人らと共にクリスマスイヴを滅茶苦茶にするために『ええじゃないか騒動』を計画します。
計画といっても、クリスマスイヴ当日人混みの中で『ええじゃないか』とかける、たったそれだけの内容です。
ところが主人公たちが実際にやってみたところ5分もしないうちに『ええじゃないか』という声が町中ひろがっていくのでした。

太陽の塔 の起承転結ネタバレ

【起】太陽の塔 のあらすじ①

彼女との別れ

大学5回生の華がない生活を送っている「私。」

そんな私だが3回生の頃に恋人を作ってしまったのである。

彼女の名前は水尾さんという。

知的で可愛く、奇想天外で、支離死滅で、猫そっくりな、じつに魅力的な人間だった。

しかし彼女は私の事を振ったのだ。

私は潔く身を引き、私達は紳士的に握手をして別れたのである。

しかし私は「彼女はなぜ私のような完璧な人間を拒否したのか」という疑問の解明に向けて水尾さんの観察・研究と称し毎日ストーカーをしている。

ある日いつものように水尾さんのストーキングしているとある男に咎められ、『彼女に頼まれた。

これ以上彼女に付きまとったら、警察を呼ぶ』と脅迫される。

男の正体を調べ、男は遠藤という名で、映画サークルに所属していて水尾さんと同じ法学部だ。

遠藤も映画製作の中で水尾さんの事を崇拝しており、彼もまた水尾さんのストーカーだった。

遠藤と私は互いに足を引っ張りあい、相手を誹謗するような手紙や、ゴキブリが入った箱を送り合うようになる。

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【承】太陽の塔 のあらすじ②

四天王との日常

私には個性的な友人が3人いる。

飾磨は私と同じクラブに入った時からの付き合いである。

彼は恐ろしく緻密な頭脳を持っている法学部生である。

しかしデートの際、彼女と観覧車に乗ろうとし、続いて一緒に乗ろうとする彼女に「これは俺のゴンドラ」と押しとどめ一人で観覧車を乗り戻ると彼女は居なくなっていた。

というエピソードを持っている。

高薮は怪物のような巨体に繊細な心を持っている。

井戸は世間のものすべてに怨念をもっている男だ。

この3人に私を含めた4人で四天王と名乗っていてる。

四天王は日々「鴨川等間隔の法則」を崩すために等間隔に座るカップルの間に無理やり座ったり、聖ヴァレンタインを罵倒したり、祇園祭で浴衣姿でさんざめく男女に殴り込んだりしてきた。

クリスマスが近づき四天王は「ええじゃないか騒動」を計画する。

ある時夜道で京大生狩りに合い遠藤に救われ、遠藤の部屋である映像を見せられる。

それは彼女が電車に乗って太陽の塔に向かってふわふわ歩いている映像だった。

遠藤は「なぜ彼女が太陽の塔に執着するのか教えてほしい」と言った。

私は知らないと何も応えなかった。

【転】太陽の塔 のあらすじ③

彼女と太陽の塔

私が幼かった頃私の家族は万博公園から歩いてすぐのところに住んでて、毎日太陽の塔を見て育った。

幼き頃の私には太陽の塔はあまりにも巨大で、恐ろしく、偉大だった。

彼女と付き合っていた時に私にとって世界で最も愛する場所に連れていこうと思い、彼女と太陽の塔を見に行く。

彼女は太陽の塔を見て感動し「これは宇宙遺産に登録すべき」といい太陽の塔に関する本を読み漁り、その情熱は瞬く間に私のそれを上回った。

太陽の塔は偉大である。

その偉大さを把握し、讃える彼女を尊敬したのだった。

私は悪夢で目が覚め夜の町を散歩していると廃墟ビルの向こうにここにあるはずがない叡山電車が見えたのだ。

私は走り、電車に飛び乗る。

不思議な電車は無人駅に止まり私は降り日光を浴び太陽の塔を目指す。

足元に彼女にプレゼントしたモダンな招き猫が置いてあった。

またプレゼントした本棚もあった。

ここは彼女の夢の中だった。

彼女はよく眠る猫のような人だった。

と思い出す。

私が知らない間に、眠りこける彼女は叡山電車に揺られ太陽の塔に会いに行っていたのだろう。

夢の中の彼女を探し出すことができなかった。

しかし遠藤がいた。

遠藤も廃ビルの叡山電車に気づいてここにきていたのである。

私は情に流され遠藤に「彼女と正しくと付き合わないとダメだ」と恋の助言をしてしまう。

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【結】太陽の塔 のあらすじ④

彼女と私

しばらくして私は遠藤に助言した事を後悔し、もう情には流されんぞと決意する。

遠藤がイヴに彼女をデートに誘った事を知り嫉妬した私は待ち合わせ場所の四条河原町に、ええじゃないか騒動を起こすことにする。

クリスマスイヴ当日、四天王と共に四条河原町に集まり通行人の1人に「ええじゃないか」と小さい声で言った。

相手は「ええじゃないか」と応えた。

面白がった相手は違う通行人に「ええじゃないか」といい、どんどん「ええじゃないか」が広がっていく。

「ええじゃないか」がどんどん広がり祭りの中にいるようだった。

「ええじゃないか」が町中に蔓延しクリスマスイヴを吹き飛ばしたのだ。

騒動はどんどん大きくなり、ええじゃないかの波に飲まれながら水尾さんの姿を見つけるが、人々の波に彼女も飲まれていって消えた。

騒動から逃れた私はひとり彼女の事を思い出す。

彼女と喧嘩したこと、夜の下鴨神社を歩く、明るい万博公園を歩く、彼女は笑い、泣き、怒り、そして猫のように眠る。

傍らに私を置いて、太陽の塔の夢を見る。

私は騒動から逃れ叡山電車を降り明るい野原を歩く。

太陽の塔の横で背伸びしている彼女を目指して一歩一歩、歩く。

太陽の塔 を読んだ読書感想

物語の始まりは”何かしらの点で、彼らは間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ。”という一文から始まります。

主人公の「私」は失恋を受け入れることができず、元恋人をストーカーしてなぜ振られたのか理由を探します。これは自分が間違っているはずがないという思いからの行動です。

頭の中でばかり考えてプライドが高い主人公は実際に行動することができないのです。

彼女に未練はないと口では言いながらも、付き合っていた時の彼女を思い出し温もりを懐かしみ、愛しく思います。

彼女に対する未練を感じます。

未練があるからこそ一度は情に流されてアドバイスしますが、のちに嫉妬して彼女と遠藤のデートをぶち壊すことになります。

登場する友人達が個性的でモテない男たちが集まって不毛な事をして、暴走していくのが笑えました。

彼女の夢の中の叡山電車に乗って太陽の塔に向かうシーンが幻的的で美しいです。

最後のシーンでイヴの作戦で彼女を見つけた時に「ええわけがない」といい彼女を追いかけ、太陽の塔の横にいる彼女を目指します。

”何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。そして、まあ、おそらく私も間違っている。”という一文で終わります。

恋の終わりを切なくほろ苦く描いています。

主人公は失恋を受け入れ乗り越えたのでしょう。

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