「妙な話」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|芥川龍之介

「妙な話」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|芥川龍之介

著者:芥川龍之介 1993年12月に筑摩書房から出版

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妙な話の主要登場人物

私(わたし)
この作品の主人公。朝鮮に暮らしているが、一時的に日本に帰ってきて村上と銀座を訪れる。

村上(むらかみ)
東京に住む私の旧友。遠慮のない性格であり、妹・千枝子から聞いたとして妙な話を語ってくれる。

千枝子(ちえこ)
佐世保に住む村上の妹。元は明るい性格だが、軍人の夫が海外へ派遣されている間に神経衰弱を抱えて感情が不安定になってしまう。

赤帽(あかぼう)
謎の人物。停車場で乗客に代わり荷運びを行う赤帽の格好をしているが、千枝子とその夫しかその姿を見るのも声を聞くのもできない。そのうえ、二人ともその顔をぼんやりとしか思い出せない。

妙な話 の簡単なあらすじ

ある冬の夜、私は旧友の村上から村上の妹・千枝子から聞いたという妙な話を聞かされました。

千枝子は結婚したばかりの夫が海外に派遣されてしまったうえ楽しみにしていた手紙が来なくなったせいか、神経衰弱を抱えてしまいました。

そして、鎌倉平行と中央停車場に行ったとき、夫について尋ねてくる一人の怪しい赤帽と出会います。

そして、千枝子は帰ってきた夫から妙な話を聞かされるのでした。

妙な話 の起承転結

【起】妙な話 のあらすじ①

夫の手紙

ある冬の夜、私は旧友の村上と一緒に、銀座通りを歩いていました。

村上はふと思い出したように佐世保に住んでいる妹・千枝子の話を始め、東京にいた頃は神経衰弱を抱え、感情が不安定であり、そして妙な話をし出すのだと言いました。

千枝子の夫は欧州戦争で乗組将校として地中海方面へ派遣されており、千枝子は村上の元で暮らしていましたが、もうすぐ終戦かという頃から急に神経衰弱がひどくなり出したのです。

村上は一週間に一度ずつ来ていた夫の手紙が来なくなったせいかもしれないと言いますが、実は千枝子は結婚してすぐ夫と離れ離れになったので、その手紙を楽しみにしていたのです。

そして、ちょうどその頃でした。

朝から雨が降り続いていた紀元節のひどく寒い午後、千枝子が鎌倉の実業家の妻となった友人の元へ遊びに行くと、帰りは明日の朝になるかもしれないと言って出かけてしまいます。

しかし千枝子はしばらくするとぐっしょり濡れたまま真っ青な顔をして帰ってきて、中央停車場から濠端の電車の停留場まで傘もささず歩いたと言い、実はそのわけこそが村上の言う妙な話なのでした。

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【承】妙な話 のあらすじ②

赤帽の顔

中央停車場に着く前、電車の中からぼんやりとした海の景色が神保町の街並みであるはずの窓の外に見えたという千枝子の話に村上はすでに神経が弱っていたのだろうと判断するが、千枝子はその中央停車場の入り口にいた赤帽の一人にあいさつされて「旦那様はお変りもございませんか。」

と言われたのです。

千枝子はなぜかその問を妙に思わず、そして手紙が来ないのでわからないと答えると、赤帽は「私が旦那様にお目にかかって参りましょう。」

と言い出しました。

そこで千枝子はやっと赤帽の言葉がおかしいと気づくのですが、その赤帽は会釈をして人混みに消えてしまったうえその顔が不思議なほど思い出せず、さらにどの赤帽もその男に見えてしまうようになり、千枝子は気味が悪くなってとうとう傘もささずに大降りの中を逃げてきたのでした。

しかも、それで風邪を引いてしまうと三日ほど高熱が続いて夫と言い合うようなうわ言ばかり言い、風邪が治った後も赤帽の言葉を聞けば一日中閉じこもり、赤帽の看板を見れば帰ってくるという状態でした。

【転】妙な話 のあらすじ③

笑う赤帽

赤帽の件から一月ほど経った頃、千枝子もむやみに赤帽を怖がらなくはなったもののその件以来決して停車場へは行きませんでした。

私が朝鮮に行くときも見送りに来なかったほどで、やはり赤帽が怖かったようですが、三月のある日、千枝子は夫の同僚を出迎えようと停車場へ向かいました。

その道中、風車売りの荷台のところにいる男の赤い帽子を見て、千枝子はいやな予感がして一度引き返そうと考えてしまいましたが、停車場に着いてみると出迎えの間は幸せにも何も起きませんでした。

ただ、夫の同僚たちと改札口を出ようとしたとき、千枝子は後から「旦那様は右の腕に、おケガをなすっていらっしゃるそうです。

お手紙が来ないのはそのためですよ。」

と声をかけられたのです。

千枝子はすぐに振り返ったもののそこに赤帽は一人もおらず、さらに改札口の外で夫の同僚を見送ろうとしたときも、後から「奥様、旦那様は来月中に、御帰りになるそうですよ。」

と声をかけられたのに後に赤帽は一人もいませんでした。

しかし、前には赤帽が二人おり、しかもその一人が千枝子を見てにやりと笑ったのです。

千枝子はひどく顔色が変わってしまったうえ、落ち着いて見ると赤帽はもう一人の方しかおらず、笑っていた赤帽の顔はやはりぼんやりとしか思い出せないのでした。

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【結】妙な話 のあらすじ④

千枝子の手紙

その次の月、私が朝鮮に行った頃、実際に千枝子の夫が帰ってきたうえ右腕にケガを負って手紙が書けなかったと言いました。

さらに半月経った頃、夫とともに佐世保に向かったばかりの千枝子から、三度目の妙な話が書かれた手紙が届いたのです。

それは千枝子たちが中央停車場から出発するときでした。

動き出した汽車の窓へ二人の荷物を運んだ赤帽が顔を出すと千枝子の夫はそれを見て、マルセイユで突然日本人の赤帽が近況を尋ねてきて、千枝子の夫がそれを不思議に思わず右腕のケガや帰る時期を教えたところ、その赤帽が少し目を離した間にいなくなってしまったと話したのです。

マルセイユで見たのもその赤帽かと思ったものの笑われそうなので今まで黙っていたとも伝えましたが、千枝子の夫はあの顔を出した赤帽がマルセイユの男とまゆげ一つ違わなかったと言い、そのうえで「眉毛一つ違わないと言うものの、おれはどうしてもその赤帽の顔が、はっきり思い出せないんだ。

ただ、窓越しに顔を見た瞬間、あいつだなと……」というところまで村上が話したときでした。

突然村上の友人たちが来てあいさつを始めると、私は「では僕は失敬しよう。」

とその場を立ち去り、そして思わず長いため息をついたのです。

というのも、私は千枝子が二度も中央停車場で密会する約束を破ったうえ、永久に貞淑な妻でありたいと手紙を送ってきたわけがわかったからでした。

妙な話 を読んだ読書感想

何より赤帽のすべてが魅力的でした。

幽霊とも怪人とも違う不思議な存在感で、現実に生きている人物ではないんだろうけど、本当にいそうとも思ってしまう絶妙な非現実感にはまってしまいました。

誰も顔を覚えられないという特徴も実際にありえそうですし、不気味なのにすごく良いやつというギャップもおもしろかったです。

また千枝子から見た世界の描き方が繊細で、電車から海の景色が見える場面も夫の同僚を出迎えに行く道中も、村上の言うとおりならば千枝子にとっては神経が弱っているときなのでしょうが、美しく感じられて楽しく読めました。

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