「秋山善吉工務店」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|中山七里

「秋山善吉工務店」

【ネタバレ有り】秋山善吉工務店 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:中山七里 2019年8月に光文社文庫から出版

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秋山善吉工務店の主要登場人物

秋山善吉(あきやまぜんきち)
昔気質のお爺ちゃんで曲がったことが大嫌い。堅物で怒鳴り声も大きく、ヤクザとも渡り合えるほどの胆力と腕力の持ち主。

秋山景子(あきやまけいこ)
火事により家が焼かれ、夫を亡くした。善吉は景子にとって舅にあたる。夫の両親の家に居候することを居心地悪く感じている。

秋山雅彦(あきやままさひこ)
景子の長男、中学生。ケンカが強く、学校では周囲から恐れられている。善吉が苦手。

秋山太一(あきやまたいち)
景子の次男、小学生。善吉にははじめからなついている。

秋山善吉工務店 の簡単なあらすじ

父・秋山史親を火災で失った雅彦と太一、母・景子。

何もかもを失った家族はやむを得ず史親の実家の工務店に身を寄せることになりますが、彼らは昔気質の祖父・善吉が苦手です。

それでも新生活を始めた三人ですが、それぞれに数々の思いがけない問題に直面してしまいます。

しかも、刑事・宮藤は火災事故を単なる事故とは捉えていないようで、真相を探るべく秋山家に頻繁に顔を出してきます。

ですが、どんな困難が迫ろうと、善吉が敢然と立ちはだかって解決します。

秋山善吉工務店 の起承転結

【起】秋山善吉工務店 のあらすじ①

子どもたちの困難

家が火事で焼けて無くなってしまったことで、家族は父の実家に身を寄せることとなり、学校も転校することになりました。

小学生の太一は、新たなクラスで“目立ってはいけない”という隣の席の女子生徒からの忠告の意味が分からず、クラスの中心核の男子生徒からいじめの対象として選ばれてしまいます。

自分が悪いことをした訳ではないのに、自分に向けられる悪意と無関係を装って注がれる大衆からの好奇の視線に、太一はだんだんと耐えられなくなっていきます。

中学生の雅彦も、以前はいじめにあっていたのですが、今はいじめに対応できるのは己の腕力だけだと学習し、新しい中学でも周囲から舐められないよう、ケンカを続けます。

そんな中で、以前の学校の先輩だった男から「良いバイトがある」と紹介されたのは脱法ハーブの販売でした。

火事で全てを無くした雅史は、アルバイトでお金を稼ぐ喜びと、自分を認めてくれる男たちと時間を共に過ごす充実感から抜け出せなくなっていきます。

不当な扱いを受けいじめられ、気持ちが限界になりそうな太一の心、そしてヤクザと関係を持ってしまった雅彦の環境、そのどちらもを救ってくれたのは善吉でした。

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【承】秋山善吉工務店 のあらすじ②

母の困難

火事で家も夫も亡くした景子は、生きていくために夫の実家に身を寄せることになった現状を苦々しく思っていました。

善吉に対して苦手意識を持っていることはもちろんのこと、結局景子にとって義父、義母は他人であり、いつかまた息子2人をつれて家族3人で暮らしたい、という夢を抱いていました。

当初は息子たち、特に雅彦は善吉を苦手に思っていたはずなのに、いつのまにか太一・雅彦共に善吉に懐いており、雅彦は善吉の工務店の仕事の手伝いまで始めてしまっていることに焦りも覚えていました。

なんとしてでも早く3人で暮らしたい、そのためにはお金が必要、絶対に仕事を探さなくてはいけません。

何度も求人を探すうちに、チェーンのアパレルメーカーでパートとして採用されます。

結婚以前はアパレル関係の仕事をしていた景子はこれを天職と喜び、毎日必死に働きます。

そのうち、お客様のアンケート用紙に「良い店員」として名前をたくさん書いてもらえると、正社員への道が近づくと知り、アンケート票獲得のためにあの手この手で接客に励みますが、アンケート票にまどわされ、だんだんと行き過ぎた接客とクレーム客との狭間でどうすることもできなくなってしまう窮地に陥ってしまいます。

この困難を見事に救ってくれたのも、義父と義母の二人でした。

【転】秋山善吉工務店 のあらすじ③

火事の真相を探る刑事

秋山親子はそれぞれ、善吉に救われ考え方や生き方を改めていくなかで、工務店での暮らしを徐々に受け入れていきます。

そうして一家に平穏が訪れたかのようにみえたその頃、物語冒頭で起きた秋山家の火災と史親の死に関して、事故では無いのではと捜査を続ける刑事がいました。

当初は事故と思われていた火災ですが、故意によるものではないかと疑う刑事は何度も工務店に足を運び、家族に近づきます。

実は無くなった史親は職場でリストラにあった後、新しい仕事を探すことも無く、ほとんどひきこもりのような生活を送っていたというのです。

収入はゼロ、さらには時折長男の雅史にも暴力を振るっていたという史親が死んで得をするのは誰なのか。

刑事は周囲への聞き込みや秋山家を張り込み、また直接交渉を経て、容疑者を妻である景子に絞ります。

景子もまた、刑事に必ず悟られてはならない“ある事実”を抱えているようなのです。

景子を疑う刑事ですが、またも善吉がその窮地を救います。

善吉は警察側がなんの証拠も手に入れていないことに気付いており、景子を逮捕させる訳にはいかないと言い放ちます。

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【結】秋山善吉工務店 のあらすじ④

善吉の最期と火事の真相

手の内を完全に読まれてしまっていた刑事は、ここで容疑者を善吉に切り替えます。

善吉自身も自分が疑われていることに気付いており、自分を納得させる証拠を聞かせろ、そうすれば逮捕されてやると言います。

ですが善吉には火災発生時のアリバイがあります。

状況を考えて、犯人はどう考えても善吉しかいないはずだと刑事が調べを続けるそんな中で、善吉が事故に巻き込まれたとの連絡を受けます。

街中の看板作業のために組まれていた足場が突然崩れ、下を歩いていた子どもを助けるために偶然善吉が代わりに下敷きになったというのです。

家族と共に刑事も病院に駆けつけますが、皆の願い届かず善吉はこの世を去ってしまいます。

このまま、彼の勝ち逃げのかたちで逮捕できないまま終わってしまったように見えました。

それから数年が経ち、当時小学生だった太一が刑事を呼び出します。

そこで語られたのは、「自分が父を殺した犯人だ」という告白でした。

事故発生の夜、ゲームをするために父親の部屋からコードを借りた太一でしたが、コードの種類や電圧のことなどは分かりません。

返却の際に正しくない場所に返却したことによる発火が原因で、自分の責任であると太一は語ります。

当時からそのことに気付いていた母景子、そして善吉は太一を守るために自分が疑われるようにしむけていたのでした。

刑事もまた、年月が経ってそのことに気付いていましたが、太一が罪に問われることは無い、これからもまっすぐに成長していくよう彼に伝えます。

秋山善吉工務店 を読んだ読書感想

前半の善吉が家族に降りかかる困難を解決していく様は、スカッと気分晴れやかに読むことが出来ます。

それぞれいじめやドラッグ、クレーマーなど決して易しい問題では無いからこそ、最後には必ず登場し物語を良い方向へ引っ張ってくれる善吉の存在感がクセになります。

その一方で、秋山家を襲った火事は事故なのか、故意に何者かによって計画された事件なのかを追っていく後半の物語は、ぐっとミステリー調が強くなります。

全体的に重たいテーマを描くことの多い作者ですが、この物語は温かく読後も爽やかで、ミステリーが苦手な人にもおすすめできる内容になっています。

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