「炎路を行く者」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|上橋菜穂子

炎路を行く者

【ネタバレ有り】炎路を行く者 のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:上橋菜穂子 2012年2月に偕成社から出版

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炎路を行く者の主要登場人物

アラユタン・ヒュウゴ(あらゆたん・ひゅうご)
ヨゴ皇国の帝の盾の息子だった。国を焼かれ家族を殺されタルシュ帝国の密偵となる。「炎路の旅人」の主人公。

リュアン(りゅあん)
ヒュウゴを助けた女。話す事が出来ないが、異世界の魚を通してヒュウゴとは意思疎通が出来る。

ヨアル(よある)
リュアンの父親。貧しいながらもヒュウゴを匿い平民の暮らし方を教える。

オウル(おうる)
トーラム王国出身でハザール王子の密偵として働いている。

バルサ(ばるさ)
守り人シリーズの主人公。本作では15歳の少女で、「十五の我には」の主人公として登場。

炎路を行く者 の簡単なあらすじ

守り人シリーズに登場するヒュウゴの幼い頃を描いた「炎路の旅人」と十五歳のバルサを描いた「十五の我には」の2編から成る短編集です。

「炎路の旅人」では本編でタルシュ帝国の密偵として重要なキャラクターであったヒュウゴがまだ少年であった頃、タルシュ帝国に攻められヨゴ皇国が滅ぼされます。

その際、母や妹を失いヒュウゴは絶望するものの1人生き残ったことから、ヨゴ皇国に住む人々の暮らしを少しでも良く出来るような計画を立てます。

炎路を行く者 の起承転結

【起】炎路を行く者 のあらすじ①

炎路の旅人

天の神の子孫である帝に守られた聖なる国であるヨゴ皇国は、タルシュ帝国によって征服されました。

帝の盾である武人の家系に生まれたアラユタン・ヒュウゴは、父が帝を守る為に最後の任務へと出ていく際、母と妹を守るようにと命じられ隠れ家へと逃れます。

しかし、タルシュ帝国の兵士は武人階級の家族を皆殺しにする為に血眼になって捜査し3日後には隠れ家へとやってきます。

ヒュウゴは仲間達が逃げようとしている運河側はタルシュも警戒していると思い、母と妹を連れて2階へと逃げ荷出し用の狭い通路から逃げようとします。

しかし母が自分達だけが助かるのは良くないのではと足踏みし、妹が友達の悲鳴を聞いて様子を見に戻ってしまったため脱出は失敗します。

ヒュウゴは必死で戦いますが、兵士と戦っている間に母と妹は殺され、1人になって闇雲に2階へと逃げます。

既に火の手が回っておりタルシュ兵はヒュウゴが助からないと思って追いかけてきませんでしたが、ヒュウゴは何とか脱出に成功します。

一気に下へと降りた為身体中を打って意識を失いますが、しばらく経って目が覚めると白魚のような不思議な生き物が飛んでくるのが見えます。

魚が首に巻き付くと、女がやって来てヒュウゴを助けてくれます。

女はリュアンという名で、漁師の父親ヨアルとの二人暮しでした。

リュアンは喋ることが出来ず、タラムーという魚を通してヒュウゴと会話します。

タラムーは異世界の生き物らしく、リュアンやヒュウゴには見えますが、ヨアルには見えないようです。

リュアンは昔は話も出来たらしいですが、一度死にかけたことがあり、それ以降異世界が見えるようになり代わりに話すことが出来なくなったということです。

リュアンは優しい性格でかいがいしくヒュウゴの手当をしてくれヒュウゴは何とか体力を取り戻します。

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【承】炎路を行く者 のあらすじ②

下町での暮らしと不思議な男との出会い

ヨアルはヒュウゴが武人階級の人間だと気づきますが、見せしめにされていたヒュウゴ達の隠れ家を見に行き凄惨な様子を目の当たりにしたことでヒュウゴに同情ししばらく匿ってくれると言います。

タルシュ兵はヒュウゴが生き残ったことに気づいていないらしく、ヒュウゴはせっかく拾った命をどう使おうかと考えます。

まずは平民として暮らし生き延びることが先決と考え、ヨアルに平民としての振る舞いを教えもらい酒場の下働きの仕事を紹介してもらいます。

酒場で働き初めて貰った給金で料理人のシガンに料理を作ってもらいヨアルとリュアンに届けると泣いて喜んでもらえ、ヒュウゴは2人を家族のように大切に思っていると気づきます。

しかし酒場で働く少年たちは縄張り争いの為に時々他の酒場の少年と喧嘩をしており、ヒュウゴも巻き込まれた際に仲間を助けるためについ手を出してしまいます。

大きな相手を簡単に倒したヒュウゴは噂になり名をあげようとする少年から狙われるようになってしまいます。

面倒になったヒュウゴは片っ端から強い少年を倒していき半年後にはならず者のカシラとなり周囲のゴロツキ少年を連れ歩くようになります。

その姿を見たリュアンは驚きますが、ヒュウゴはこれでも高級な料理店で働けるようになって稼ぎも良くなったのだと自慢します。

しかし、縄張り争いにリュアンが巻き込まれて人質に取られてしまいヒュウゴは窮地に立たされます。

そこに通りかかった男が助けてくれ、リュアンを家まで送って行ってくれます。

【転】炎路を行く者 のあらすじ③

ヒュウゴの決意

ヒュウゴが働いている店にタルシュ兵がやって来て料理に薬を盛っているのを見つけます。

狙われていたのは先日助けてくれた男で、ヒュウゴは男に薬の事を教え仲間と共に脱出を手助けすると、無事逃げ延びた男と明日再度会うこととなります。

男はオウルと名乗り、トーラム王国出身でタルシュ帝国の密偵として働いていました。

ヒュウゴが帝の盾の息子だと見抜き、自分と同じタルシュの密偵にならないかと誘います。

ヒュウゴは店に戻るとヨゴの公安がやって来て昨夜のことについて聞きたいと連行されます。

拷問を受けた後、タルシュ兵がやって来るとヒュウゴは殴られて外に出されます。

タルシュ兵にヘコヘコし自国の民を守ろうともしないヨゴの役人にヒュウゴは激しい怒りを覚えます。

ボロボロの状態で歩いているとかつて働いていた酒場で世話になったシガンに出会い、シガンの家で少し休ませてもらいます。

シガンは病気になり酒場は退職して妻に養ってもらっていましたが、厳しい課税に苦しんでいました。

宿場に戻るとリュアンが心配して様子を見に来て怪我の手当をしてくれました。

しかし仲間達によるとヨアルが病に伏せっているとの事で、ヒュウゴはヨアルの様子を見に行くとヨアルは寝たきりになっていました。

ヨアルは医者に診てもらう金もなく、ヒュウゴが金を渡そうとすると断固として受け取りません。

ヨアルはならず者が嫌いでヒュウゴの気持ちも分からない訳では無いが、人を殴った手で稼いだ金など受け取りたくないと言われます。

ヒュウゴは自分の愚かさを恥じ、オウルの誘いを受けてタルシュ軍に入ることを決めます。

リュアンに今までの礼をしてヨアルの薬を買う金を渡すと、2人がくれた温もりを心に抱いて必ずヨゴ皇国の民の生活を良くしてみせると誓います。

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【結】炎路を行く者 のあらすじ④

十五の我には

バルサは死にものぐるいで戦っていました。

護衛していた隊商が盗賊に襲われたのですが、護衛士の誰かが盗賊に通じていたらしくあっという間に仲間はいなくなり自分と養父ジグロだけが戦い続けていました。

危うくなったバルサはジグロの方へと逃げ出しますが、右脚に矢を受けて怪我をします。

その後はとにかく無我夢中で戦っていると、最後はジグロに止められます。

旅芸人の一団が通りかかり酒と薬草、食糧を分けてもらうとジグロが手当をしてくれます。

バルサの傷が治るまでは近くの街で過ごすこととなり、ジグロは酒場の用心棒の仕事に就き、バルサも別の酒場で給仕となります。

しばらく経ったある日、バルサの酒場に裏切った護衛士ノランが偶然おり、バルサに気づくと稚拙な罠を仕掛けてきます。

バルサは怒り1人で戦いに行きますが、ノランはわざと稚拙な罠を貼りジグロを頼らないように仕向けていたのでした。

敵は5人の男と闘犬3頭で、バルサは生き残る為に先制攻撃を仕掛けると直ぐに逃げ出します。

ノランは礫を投げつけて倒しますが、その後バルサは河に逃げ船に身を隠してやり過ごします。

何とかジグロの酒場へと辿り着きますが、バルサは情けなさでいっぱいでジグロに謝ると1人で街を離れようとします。

ジグロはバルサを殴りつけて部屋に入れると共に護衛士の仕事を受けて街を出ると言います。

ジグロは「十五の我には」という詩を引き合いに出し、バルサには経験が無いから視野が狭く物事が見えていないのだと諭します。

左肋骨を折る怪我をしたバルサを見て、ジグロは左側に弱点があるので今年は新ヨゴのトロガイの家に行き鍛え直してやると言います。

トロガイの家に行けばバルサの幼なじみタンダもいるので喜ぶだろうとジグロは微笑みました。

炎路を行く者 を読んだ読書感想

本作は守り人・旅人シリーズの短編集で、タルシュ帝国ラウル王子の密偵として活躍したヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」、15歳のバルサを描いた「十五の我には」の2本立てになっています。

ヒュウゴはヨゴ皇国の帝の盾として上流武人家系で育ちますが国が征服され家族は皆殺しにされ1人だけ生き残ります。

ヒュウゴを助けてくれたヨアルとリュアンの父娘は貧しいながらもとても優しくヒュウゴに接してくれ、ヒュウゴは2人を家族のように感じるほど慕います。

この2人との出会いがきっかけとなり、その後密偵としてタルシュ帝国に仕え、本編ではラウル王子の考えを変えさせてヨゴ皇国を豊かな国にするような治世を行わせるまでになっていきます。

ヒュウゴはバルサ達からすると敵とも味方とも言えないようなキャラクターでしたが、魅力的で短編集での主人公として登場したのがとても嬉しかったです。

バルサを主人公とした「十五の我には」では、バルサがジグロに助けられて養父として面倒を見てくれたことに感謝しジグロが養父で良かったと回想しています。

本編でカンバル王国にてチャグムと別れる前の晩、自分もチャグムを助けた際に同じように温かさを伝えることができただろうかと考えています。

本作では本編に絡む内容でヒュウゴとバルサの過去について描かれており、守り人ファンにはたまらない内容となっています。

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