「つみびと」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|山田詠美

「つみびと」

【ネタバレ有り】つみびと のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:山田詠美 2019年5月に中央公論新社から出版

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つみびとの主要登場人物

下田 琴音(しもだ ことね)
蓮音の母親。娘が罪を犯してしまった罪悪感から、自分の過去を見つめなおすようになる。

笹谷 蓮音(ささたに はすね)
琴音の娘。音吉との離婚の末、自分の二人の子どもを育児放棄し、死に追いやってしまう。

松山 音吉(まつやま おときち)
大学時代に琴音と出会う。琴音の妊娠を機に大学を中退するが、価値観の違いにより離婚する。

つみびと の簡単なあらすじ

23歳で幼子二人を育児放棄し、死に追いやった蓮音。蓮音の母親の琴音は、自分ももしかすると蓮音を同じような目に合わせていたかもしれないと思い詰めるようになります。幼子を殺したのは蓮音の本性なのか、蓮音を取り巻く環境なのか。琴音は原因を探り始めます。

つみびと の起承転結

【起】つみびと のあらすじ①

母の物語

下田琴音は貧乏な家で育ちました。

琴音には二人の兄がいましたが、上の兄は独立し、下の兄と母と父との四人暮らしでした。

父親は精神的に不安定な面があり、定期的に逆上し、家庭内暴力をふるいます。

下の兄は、早く義務教育を終えて、上の兄のように家を出ようと、そればかり考えています。

琴音の母親は父親には逆らえず、いつも体中が傷だらけでした。

父親の手は兄や琴音に伸びることもあります。

ある日、母親が外出しているときに、父親が家に帰ってきました。

母親が不在なのだと知ると、父親は激高し、琴音に暴力をふるおうとします。

そこから逃げ出そうと琴音は走り出しました。

それを追いかける父親。

そのとき、父親に発作が起こりました。

琴音の目の前で、父親が倒れて苦しみ始めたのです。

常々暴力をふるう父親に嫌悪感を持っていた琴音は父親を放置しました。

その結果、父親は死にました。

これで平和な家庭になる、と琴音は思いましたが、そうはなりませんでした。

琴音の母親は、暴力を振るわれていても父親のことを愛していたのです。

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【承】つみびと のあらすじ②

二番目の父親

琴音の母親は、夫が死んだことによりショックを受けていましたが、次第に元気を取り戻し、再婚することになります。

それが、伸夫でした。

伸夫は子供たちに自分のことをノブちゃんと呼ばせ、可愛がりましたが、下の兄は伸夫に嫌悪感を感じ、まったく懐きませんでした。

琴音は優しい伸夫を気に入りますが、今まで父親に可愛がられたことがないため、父と娘のスキンシップがどのようなものかを知りませんでした。

次第に伸夫は琴音を性的な対象として見るようになり、琴音も嫌悪感を感じつつも、伸夫から嫌われたくないとの一心で抵抗することができませんでした。

それを、母親は見て見ぬふりをしています。

次第に耐えられなくなった琴音ですが、どうすることもできません。

学生のうちは耐え続けましたが、卒業したとたん逃げるように結婚をします。

結婚相手は笹谷隆史という、とてもまじめで厳格な人でした。

二人の間には、蓮音、勇太、彩花という三人の子どもが生まれました。

【転】つみびと のあらすじ③

苦しい正しさ

幼少期を父親からの暴力、そして義父からの性的虐待という苦しい環境の中で過ごした琴音は、どうしてもうまく家庭を作ることができませんでした。

夫の隆史は厳格な性格で、モラルハラスメント的な言動も目立ちます。

しだいに琴音は家出を繰り返すようになりました。

琴音の家出中、家事と幼子の世話をするのは長女の蓮音でした。

父親である隆史は蓮音を褒めるだけで何もしません。

蓮音は、自分が育児に手を抜けば妹たちが死ぬかもしれないという恐怖から、必死で育児に取り組みました。

そのせいで、蓮音の学生時代は自分の時間が全くありませんでした。

その上、蓮音が育児をこなせばこなすほど、母親は家から遠ざかっていきます。

親戚や近所の人も全く助けてくれませんでした。

そのせいで、蓮音は少しずつ壊れていきます。

高校に入ると不良グループともつるむようになりますが、アルバイト先で知り合った音吉に惹かれあい、妊娠を機に結婚することになりました。

しかし、正しい性格をした音吉と、両親の愛情を受けてこなかった蓮音は、価値観が全く違いました。

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【結】つみびと のあらすじ④

孤独な闘い

蓮音と音吉は、二人の子どもに恵まれました。

しかし、音吉の母親が育児に介入してきたりと、蓮音にとってストレスな環境が続きます。

幼少期、妹たちの面倒を見てこれたのだから、二人の育児なんてなんてことない、と蓮音は思っていたのですが、なぜか子どもを育てるのがつらくなるのです。

次第に蓮音は子供たちが寝た後に、学生時代の不良友達のもとに通うようになります。

そしてその時間は長くなっていきました。

音吉と義母はそれに対して何度も苦言を呈しますが、蓮音は聞き入れず、最終的に二人は離婚しました。

シングルマザーとなった蓮音は稼ぐために東京で風俗を始めます。

その生活に溺れるうちに、家にいる時間がどんどん減っていきました。

二人の子供は次第に衰弱し、最終的に亡くなりました。

これを受けて蓮音は逮捕されます。

このニュースを知った琴音は、今までの自分の行いや育児に対する姿勢を反省し、蓮音の逮捕は自分に起きたことだったかもしれないと思うようになります。

そうして琴音は今度は自分が蓮音を救おうと奔走するのでした。

つみびと を読んだ読書感想

育児放棄された蓮音の子どもの描写がとてもリアルで、読んでいてつらくなる物語でした。

ですが、もし、自分が離婚したら、周りに助けてくれる人がいなかったら、不運が重なったら。

誰しもが蓮音のように子どもを殺してしまう可能性があると思います。

親子二代で苦しみ抜いた人生の物語です。

罪を犯してしまった蓮音と、自分の罪にようやく気付いた琴音の親子が、時間を経て本当の親子になってくれたら、少しは救いがあったのかなと思います。

現実にも似たような事件が多発しているので、いろいろと考えさせられる部分の多い作品でした。

読み甲斐あります。

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