「チューイングガム」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|山田詠美

「チューイングガム」

【ネタバレ有り】チューイングガム のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:山田詠美 1990年12月に角川書店から出版

チューイングガムの主要登場人物

ルーファス(るーふぁす)
主人公。 ニューヨーク出身。アメリカの大学を卒業後に来日してコンピューター関係の会社に就職する。

ココ(ここ)
ルーファスの婚約者。 日本人とアメリカ人とのハーフ。

オーガスティン(おーがすてぃん)
ルーファスのルームメート。

ミミ(みみ)
ココの友人。

チューイングガム の簡単なあらすじ

ニューヨークから日本に遊びにやって来たルーファスは、外国人向けのクラブで魅力的な女性・ココと出会います。初めてのふたりっきりでのデート、海を越えてのバカンス、プロポーズから幸せいっぱいな結婚式。プレイボーイのルーファスと数多くの男性たちの間を渡り歩いてきたココは、心から大切な人の存在に気がつくのでした。

チューイングガム の起承転結

【起】チューイングガム のあらすじ①

アメリカからやって来た彼と日本で暮らす彼女

ルーファスはオーガスティンとふたりで日本を訪れた時に、外国人観光客向けのクラブのダンスフロアで女友達のミミと一緒にいたココの姿を目撃しました。

南の島でのバカンスから帰ってきたばかりだという彼女の陽に焼けた肌と、 日本語と英語を交えた独特なアクセントが印象的です。

よそのバーに場所を移動したルーファスたちは、冷戦問題からレーガン大統領批判まで政治談義に花を咲かせます。

紙ナプキンにボールペンで自分の電話番号を素早く書き付けて手渡したココは、当時お付き合いをしていた妻子ある中年男性に連れられてその場を立ち去りました。

幾人かの日本人女性とも交際をしてみたルーファスでしたが、ココのことを忘れることが出来ません。

胸ポケットに大切に折り畳んでしまっておいたナプキンを取り出して、週末の夜をふたりっきりで過ごす約束をするためにココへ電話をします。

受話器から流れてきたルーファスの声を聞いたココも、彼からの連絡を待っていました。

【承】チューイングガム のあらすじ②

過去を精算するふたり

ルーファスもココもこれまで異性との交際に関しては奔放でしたが、年齢を重ねたこともあってそろそろ理想のパートナーを探すことを考えていました。

似た者同士お互いの過去をオープンにして、落ち着いた関係を築き上げていきます。

化粧品から下着までイメージチェンジを試みるココを見て、ミミは冷やかしてばかりです。

まるでとり憑かれたかのようにココのアパートへと通いつめるルーファスを、オーガスティンは心配していました。

仕事がひと段落するとそれぞれのスケジュールを調整して、海外旅行へと繰り出します。

ルーファスとココが飛行機で向かった先は、コロニアル・スタイルのホテルが立ち並んでいるリゾート地です。

バーやレストランで自由気ままにお酒を飲んだり、南国特有の穏やかに流れていく時間の中で砂浜を歩いたり。

夜になると客室のバルコニーからは流れ星を見ることが出来て、ふたりは口にこそ出さないものの同じ願い事をしていることを確信しました。

【転】チューイングガム のあらすじ③

同棲から婚約へと一歩ずつ

旅行先から帰って長期休暇が終わる頃には、ルーファスとココは同棲生活をスタートさせました。

ルーファスは自分のことは自分でする主義を貫いているために、掃除洗濯から身の回りの世話まで恋人に面倒をかけるつもりはありません。

料理だけは苦手な彼でしたが、不器用ながらもシンプルな手作りのメニューをココにご馳走します。

初めてルーファスが結婚という一語を持ち出したのは、生まれ育った街・ニューヨークをココに案内した時のことです。

その翌日にはふたりはお揃いのエンゲージリングを左薬指に輝かせて、さっそくルーファスの両親に婚約したことを告げに行きました。

日本からはるばるやって来たココにとっては、良い思い出ばかりではありません。

ヴィレッジと呼ばれている界隈ではふたりのようなカップルは珍しいために、思わぬ差別を受けることもあります。

日本へ帰ったルーファスは今度はココの父と母へ結婚の許可をもらいに行くために、日本語の挨拶を勉強中です。

【結】チューイングガム のあらすじ④

幸せを噛み締めて

ココの両親はほとんど英語を話せないために、彼女は通訳に悪戦苦闘していました。

ルーファスとココの父親はすっかり打ち解けて、お酒のグラスを傾けながらチェスを楽しみます。

ココの母はルーファスが予想していたような、家庭環境や収入等については一切尋ねることはありません。

2、3日泊まった後には日本人の家族の中に居ても、ルーファスは不思議な安心感を感じていました。

ココが思い出していたのは、あのナイトクラブで初めてルーファスと言葉を交わした時のことです。

あの日以来ココの口は魔法のチューイングガムをもらったかのように、 楽しそうに動き続けていました。

もちろん年若い夫婦の新婚生活は前途多難で、それほど呑気ではありません。

多くの出逢いと別れを繰り返してきたルーファスとココは、人間関係は永久に続くものではないことを知っています。

この先ふたりの行く手に何が待ち構えていようとも、お互いを憎むことだけはしないように誓い合うのでした。

チューイングガム を読んだ読書感想

主人公のルーファスがココと巡り合ったのは1980年代にあたり、当時のアメリカ大統領であるロナルド・レーガンにも言及されていて懐かしかったです。

「強いアメリカ」や「レーガノミクス」といったキャッチフレーズには、今の時代の「アメリカ・ファースト」や「アベノミクス」にも繋がるものがありました。

ニューヨークのクラブを訪れたふたりが、人種差別的な言葉を投げかけられてしまうシーンには寛容性の無さを感じます。

その一方ではココの両親たちのように、言語や文化の壁を乗り越えてお互いを理解しようとする人たちの思いが感動的でした。

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