「黄昏の囁き」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|綾辻行人

「黄昏の囁き」

【ネタバレ有り】黄昏の囁き のあらすじを起承転結でネタバレ解説!

著者:綾辻行人 1993年1月に祥伝社から出版

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黄昏の囁きの主要登場人物

津久見翔二(つくみしょうじ)
主人公。 医大生。都内で独り暮らし。

津久見伸一(つくみしんいち)
翔二の兄。 医者を挫折した後に無職になる。

占部直毅(うらべなおき)
予備校の講師をしている時に伸一を受け持つ。現在は翻訳家。

占部春海(うらべはるみ)
直毅の母。 喫茶店の経営者。

占部典宗(うらべのりむね)
直毅の祖父。 故人。

黄昏の囁き の簡単なあらすじ

一流大学の医学部に現役合格した津久見翔二の兄は、エリート街道を挫折して故郷で冴えない毎日を送っている伸一です。ある日突然に伸一は独り暮らしをしているマンションのベランダから、 転落して亡くなってしまいます。事故として片付けられた兄の死に納得がいかない翔二は、故郷に舞い戻り15年前の事件との奇妙な関連を調べ始めるのでした。

黄昏の囁き の起承転結

【起】黄昏の囁き のあらすじ①

突然の兄の死と久しぶりの帰郷

津久見翔二は1972年に、関東平野の外れにある栗須市で生まれました。

中学から高校までの6年間を京都にある私立の進学校で過ごした後に、T大学の医学部にストレートで合格して東京で独り暮らしを始めます。

翔二が5歳年上の兄・伸一の訃報を留守番電話のメッセージで聞いたのは、 1991年の9月30日のことです。

伸一は2年間浪人した末に私立の医大に入学しましたが、間もなく退学した後は父親に買い与えられた分譲マンションで無為な日々を送っていました。

最上階の自室から転落した伸一の死には不自然な点がありましたが、総合病院の院長として権力を握る父によって事故死として処理されます。

伸一が予備校に通っていた頃にお世話になっていた講師の占部直毅が、お焼香に来てくれたのは10月4日の午後5時です。

予備校を退職した直毅は、 母の春海が切り盛りする喫茶店を手伝いながら翻訳業をしたり海外を放浪したりしていました。

ネパールから帰ってきたばかりという直毅と意気投合した翔二は、ふたりで伸一の死の真相を調べることにします。

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【承】黄昏の囁き のあらすじ②

15年前に亡くなった6人目

国道沿いのファミレスに立ち寄った翔二と直毅は、見覚えのある3人組を目撃しました。

自動車整備士の畑中志郎、薬剤師の一ノ瀬史雄、中学校教師の榎田勝巳。 3人は15年前の1976年に同じ小学校に通っていて、幼稚園児だった翔二を交えた5人でよく一緒に遊んだことがあります。

「地蔵丘」と呼ばれる小さな丘の上にある空き地で、当時流行っていた遊びが「おじぞうさま、わらった」です。

ルールは「だるまさんが転んだ」と同じでしたが、鬼が振り返った時に他の子供たちは笑顔を作って止まらなければなりません。

一ノ瀬たちと言葉を交わしていた翔二が思い出したのは、 6人目の「ノリちゃん」の存在です。

たまに5人に混じって遊んでいたノリちゃんでしたが、しっかり止まって笑うことができないためにいじめらていました。

ある時に坂の上に駐車してあったトラックが、サイドブレーキのかけ忘れで転がり落ちてきます。

たまたま「おじぞうさま」の最中で動くと馬鹿にされると思っていたノリちゃんは、逃げ遅れて轢かれてしまったはずです。

【転】黄昏の囁き のあらすじ③

15年ぶりに走り出した殺意

10月5日の未明に、畑中志郎が自宅の近くにある駐車場で頭を殴られて殺害されてしまいました。

さらに10月6日には、畑中の時と同じようなやり口に遭った一ノ瀬史雄と榎田勝巳の遺体が町外れのバス停付近で発見されます。

一連の事件が15年前に死んだはずのノリちゃんによる報復だとすれば、次に狙われるのは翔二のはずです。

両親が泊まり掛けで出かけているために独りで実家に居た翔二は、レインコートに身を包んで金属バットを持った占部春海の襲撃を受けました。

ノリちゃんの正体は、春海の父親であり直毅から見ると祖父に当たる占部典宗のことです。

認知症が進行していた晩年の典宗は、 孫の野球帽子を被りながら子供のように近所をはいかいし始めます。

伸一たちのいじめのターゲットとなっていたことを知った春海は、トラックのサイドブレーキを外して5人を事故に見せかけて殺害しようとしました。

しかし逃げ遅れたのは典宗だけで、春海は実の父親を殺した罪悪感に悩まされます。

悪いのは自分ではなく父をいじめていた子供たちだと証明するために、15年越しの報復を再会した次第です。

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【結】黄昏の囁き のあらすじ④

殺人犯の最後といつの時代も変わらない子供たち

不意打ちを食らった翔二でしたが、彼が小学生の時から飼っているピレネー犬が春海に襲いかかったために助かりました。

ここ数日の母親の異変にうすうす気がついていた直毅も、 駆けつけてきて救急車を呼んでくれます。

パニック状態のままで家の前の道路に飛び出した春海は、向こうから走ってきた黒い小型トラックの影に気がつきません。

犯人の交通事故死によって連続殺人事件の幕が閉じてから2日後の10月8日、翔二が立ち寄ったのは市役所の斜め向かいにある栗須警察署の建物です。

直毅はここで取り調べを受けていましたが、犯人を隠匿した罪をかけられることはないでしょう。

それ以上に自分の母親が殺人事件の犯人だったのと、自分の元教え子が殺されてしまったのがショックのようです。

すっかり落ち込んだ様子で警察署から出てきた直毅に声をかけて、翔二は近くの公園に誘い出します。

黄昏時の園内では子供たちが遊び回っていて、どこからか「おじぞうさま、わらった」のささやきが聞こえてくるのでした。

黄昏の囁き を読んだ読書感想

幼い頃から成績が優秀な弟・津久見翔二に対して、大人になってからもコンプレックスを感じてしまう兄の伸一には共感できました。

地方都市の名士として権力を振りかざす、兄弟の父親の不気味さも伝わってきます。

そんな伸一が小学生時代にクラスメイトたちと起こした軽はずみないじめが、15年の時をこえて殺人事件へと発展していく展開がスリリングです。

一見すると無邪気な子供に隠されている、残酷な一面についても考えさせられます。

残忍な犯行を繰り返した犯人でさえも、父親を思う気持ちだけは忘れていないのが何とも後味が悪かったです。

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